「ダウン一筋150年」のフランスブランド。
フレンチダウン界の超大物ながら、2016年に日本へ本格上陸したばかりとあって未だ“謎”が多いピレネックス。決して歴史の浅いブランドではなく、実はフランスで1859年に創業した「ヨーロッパ最古」のダウンブランドなんです。
素材は最高級ダウンの産地、フランス・ピレネー山脈でダウンから自社生産しており、しかも衣類に仕立てるまでを自前で行うこだわりようで、雪山のプロである登山家も愛用。
そんな重鎮の魅力はまだまだ盛りだくさん……。
今回はピレネックスについて徹底解説しています!
【1】 ピレネックスの魅力をおさらい
【3】 ピレネックスの歴史
【4】 ピレネックスのダウンについて
なぜ今ピレネックスが注目され選ばれているのか?
まずはその魅力を簡単におさらいしています。
じっくり育てられた最高級ダックのダウンをたっぷり使用
中身には、生後14~16週間の成熟した水鳥の羽毛を使用。生後4~6週間の未熟な水鳥の羽毛を使う量産型のダウンブランドとは違い、かさ高があるためとても保温性に優れています。
ダウン原毛の仕入れから仕上げまで世界的に希少な一貫生産
ピレネックスは農場近くにあるファクトリーで、仕入れから仕上げまでを自社管理。中身のダウンは外部に委託するブランドが多いなか、こだわりのある一貫生産は世界的に珍しく、ハイクオリティを保っています。
1859年:フランス、ピレネー山脈の麓のサン・セべで創業
家禽産業が盛んな南西フランスで創業。優れた技術を生かし、当初は羽毛をダウンに加工したり、羽毛布団などの寝具を作るなどしていました。
1960年:ダウンジャケットが好評となり様々なブランドの生産も担う
シュラフやダウンジャケットがアウトドアフリークの間で評判になると、冒険家のルイス・オードベールと組んでアパレル部門を強化。名だたるブランドとも数々コラボしてきました。
現在:パリ直営店や百貨店等にコーナーをもつ人気ブランドに
現在ピレネックスは、パリ直営店をはじめ、デパートや人気ショップで展開。フランスを代表するダウンブランドに成長しました。
生地はストレッチが利いているから、重ね着してもゴワつきしらず
柔らかくてストレッチ性もあるポリエステルのスムース生地を使っているため、動きやすくてノンストレス。中にニットやシャツなどを重ねても、突っ張りにくく着心地ラクチンです。
しっかり暖かいのにふわふわでとっても軽い!
最も軽いダウンベストで540g(36サイズの場合)。一般的なスウェットパーカが700gほどだから、かなり軽いことがわかるはず。カーディガン感覚でふんわり羽織ることができます。
もともと「そのシンプル&ベーシックなデザインが街中で着やすい」と、パリのおしゃれ好きに評価されていたピレネックス。
絶対候補の人気10モデルをご紹介!
ランキング(アンケート投票数順)
モデル名:アヌシー(ANNECY)
6色展開 定価:98,000円
ブランド随一の売れ筋モデル!
長めのミドルレングスに加え、ジャケットを内に着ても窮屈さを感じない肩回りや腕の立体パターンにより、オン・オフ兼用ダウンとして人気を博すブランド随一の売れ筋モデル。
シンプルとはいえ、しっかり“いいダウン”のオーラが漂うのもアヌシーの美点。
アヌシー が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:BELFORT
5色展開 定価:86,000円
シンプルなのにニュアンスある着こなしが多彩に!
高密度のポリエステルキャバジンに、幅広のキルトステッチを施したモデル。ちょっとクラシックな趣ですが、シルエットは今どきにアレンジされ、重ね着もすっきり仕上がる。フードは脱着可能。
ベルフォール が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:AUTHENTIC JACKET
5色展開 定価:92,000円
クラシカルでミリタリーな旬のテイスト
ファー付きのフードに大型のフラップポケット、着丈も長めなアメリカンなクラシックさもミックスした、いまのダウントレンドにもハマる一着。素材は「ウォータープルーフギャバジン」を使用し、撥水性とハリ感をあわせもつ。
オーセンティック ジャケット が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:SPOUTNIC JACKET
5色展開 定価:58,000円
マットな生地感が生む「上品な大人顔」
ピレネックスのスポーツモデルを代表する「スプートニックシリーズ」。
柔らかな動きやすさをもつポリエステル生地「スムース」は、アクティブシーンでのストレス軽減を目的に生み出されたテクニカルなマット素材。
スプートニック ジャケット が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:HUDSON
4色展開 定価:68,000円
ブランドを象徴するフレンチクラシック
こちらはブランドの顔。アルピニストたちを支えて続けたクラシカルなスポーツテイストモデルを、ダウンの保温性はそのままに街中での着用を想定してモディファイド。
ツヤっぽさと、ほどよいボリューム感は、まさにフレンチクラシック。ジッパーの脇にオリジナルテープを使用するなど、細部に細かな装飾が施される。
ハドソン が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:SPOUTNIC VEST
3色展開 定価:40,000円
大人っぽい素材感×アクティブスタイル
上のモデルと同じくスムース素材を使用したダウンベストは、フランス国内でのベストセラーモデル。
たっぷりのダウンを用いながらも、ストレッチの効いた生地により動きやすい。また、コーディネートもしやすい便利な1枚。
スプートニック ベスト が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:REIMS
4色展開 定価:86,000円
メタルボタンでほんのりラギッドに
基本シンプルながら、メタルボタンや、ハンドウォーマーとフラットポケットを併設した独自のポケットデザインが絶好のアクセントに。本国ではバイクや自転車乗りにも人気。
ランス が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:Mythic
5色展開 定価:60,000円
最旬カラーダウンを楽しむならコレ!
ブランドの生誕50周年記念として、ピレネックスのアーカイブの中でとくに名作の誉れ高いミシックを復刻。
鮮やかなカラーやボリュームのあるフォルムはそのままながら、サイズ感や細かなディティールは現代的にモディファイされている。トラッドカジュアルが再燃の今、要注目のモデルです。
ミシック が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:Saint Emilion
4色展開 定価:38,000円
肩肘張らず、小洒落て見えるラウンドネック
こういうラウンドネックはインナーダウンでよく見かけますが、850フィルパワーのダウンをふんだんに充填したモデルでの提案というのが新鮮!
タートルネックやモックネックなどと合わせたい。あえて少しオーバーサイズで着てもお洒落に決まるデザインです。表地は非常に軽量でソフトな風合いのナイロンタフタ素材。
サンテミリオン が似合う年齢層(年代)といえば?
モデル名:Espelette Vest
3色展開 定価:28,000円
秋冬まるまる使えてコスパも良し!
幅広い季節にわたって着用できるピレネックスダウンが欲しいならこのモデルがおすすめ。秋口や春先はアウターとして、冬場はインナーとして大活躍してくれる。
肩幅を狭くしたことで日本人体型にマッチするのも魅力。素材はナイロンタフタ、フロントはプラスチックボタンと、こちらも軽量設計。
エスプレット ベスト が似合う年齢層(年代)といえば?
フランスの豊穣な自然が育む「S級ダウン」
南西フランスの広大な大地にて、オープンエアでまったくストレスなく育るてられたダックたち…。上記の写真は、ビレネックス本社工場があるサン・セベからクルマで1時間ほどの距離にある農場の風景。サン・セベ周辺はこうした家産業が古くから盛んでその食肉処理後の羽毛を仕入れ、寝具用のダウンなどへと加工する工房として1859年に創業したのがビレネックスの始まりです。
ピレネー山脈に近い寒冷な地域のため、もともとこのあたりで育つダックの羽毛は保温性が抜群。地の利を生かしてそれを迅速に加工した同社のダウンは、ズバ抜けた品質がたちまち評判となったそうです。やがて欧州各国へ輸出するようになり、1920年代にはアメリカにも販路を拡大しました。
登山ダウンから街着ダウンへ拡大
そして1960年代になると、それまでのダウン加工や寝具生産に加え、シュラーフなどのアウトドア製品の生産も開始。それが登山家やアウトドアフリークの間で人気を博すなか、有名な登山家、ルイス・オードベールの依頼でついに本格的なダウンウェアの生産に乗り出します。
折しも当時の欧州はグルノープル冬季五輪(1968年開催)を契機にスキーなどの雪山スポーツが盛り上がりを見せており、同社のダウンウェアは軒並み大ヒット。同時に数々の有名アパレルブランドへの高級ダウンの供給先としても名声を高めていったわけです。
現在も自社一貫を続ける「質実剛健」
じつは昔も今も世の多くのダウンウェアブランドは、ダウンそのものの生産は外部に委託。そのダウンがどこの国でどのように採取されたか、消費者はなかなか窺い知ることができません。その点ピレネックスは創業以来ずっとダウン作りが本職。
しかも採取するダックはブロイラー的環境ではなく、ご覧のようにフランスの自然という最高の環境でスクスク育ったもの。まさにピレネックスこそが真のフレンチダウンであり、服飾業界で別格とみなされているのも当然なのです。
ダウンは“鮮度”が命。羽毛を素早く洗浄・殺菌しなければ、腐敗が進み、本来の性能を発揮しません。
その点、ピレネックスは近郊産の羽毛しか使用しないため、採取から24時間(夏季12時間)で加工が可能。この“絶対鮮度”も同社ダウンが最高級と呼ばれる理由となっています。
【1】羽毛産地のど真ん中にある本社工場
ピレネックスの本社工場にあるサン・セペは、フランスの主要な羽毛産地のちょうど真ん中に位置し、どの産地の羽毛も採取から24時間以内にダウンへと加工できる。
【2】原油を徹底洗浄
届いたダウン原毛を洗浄するセクション。昔は一日に100万リットルの蒸留水を使用していたそうですが、近年は自社の洗浄設備でリサイクルした水も用い、その半分にセーブ。
【3】100℃の熱風で完全殺菌
洗浄後の原毛は乾燥機に入れ100℃で殺菌消毒。その後はバキュームマシンで吸い込まれ、細かな汚れやゴミ、羽毛の断片などをフィルダーでふるい落としていく。
【4】エアでフェザーとダウンを選別
ダウンの選別セクション。小部屋ごとにフィルターで仕切られており、ここにエアを飛ばすことで、奥の部屋に行くほど細かな羽毛が残る仕組みになっている。
※ピレネックス社のダウン製造部門ディレクター「エリック・パシェー」さん
【5】完成
繊維が損なわれる前に原毛から加工ができるので、保温性や復元力も世界最高クラス。
なみにピレネックスの主要ダウンは「700フィルパワー以上」がデフォルト。
メンズファッションブランドナビ編集部
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