紺ブレ・チノパン・ローファーと、アイビールックを彷彿させる古きよきアメトラ。
しかしアメトラ=古いというわけでなく、着こなし次第で今も使用している王道的ファッション。最近ではメンズファッション雑誌「MEN’S EX」にて”アメトラいまどき着こなし術”特集が紹介されるなど、今後も注目されるファッションです。
アメトラのブランドとして、まず1、2位を争う知名度のあるファッションブランド。
そして何を隠そう、ボタンダウンシャツを初めて発明したブランドでもあります。
ブルックスブラザーズと並ぶ、アメトラの代表的ブランド。
国内の知名度は こちらの方が高く、「ポロシャツで有名なラルフローレン」として知っている方も多い。
ここ最近 注目度が高いアメトラブランド。2008年頃、各メンズファッション雑誌に「アメトラ再来」と言われ加熱を見せたものの、その後下火に…。
しかしその機会があった為か、若者にも知られるアメトラブランドの1つに。
アメトラの基本から応用まで、ファッショニスタたちのコーデを厳選!
「ブルックスブラザーズ」
ウールファインサージ シングル段返り3釦 ブレザー
アメトラを体現するにあたり欠かせないのがネイビーブレザー、通称「紺ブレ」。
なかでもブルックスブラザーズの紺ブレは長い歴史と格式を持ち、段返り3ボタンにセンターベント、金ボタンなど、アメトラの王道的ディティールを備えた逸品。アメトラ初心者も古参もおさえておきたいアイテムです。
ここがポイント
紺ブレ最大の特徴「メタルボタン」
ゴールドは格調高アク、シルバーは若々しい印象に。ブルックスブラザーズの紺ブレは、同社のシンボル“ゴールデン フリース(金羊毛)”を刻印したメタルボタンを採用。
アメリカらしい「センターベント」
伝統的なドレススーツがサイドベンツなのに対し、紺ブレはセンターベントが基本。乗馬用に考案されたセンターベントにより、動きやすく、見た目も軽快でスポーティに。
カジュアル感の強い「パッチ&フラップポケット」
スーツとは違い、ブレザーはカジュアルなフラップ付きパッチポケットが主流。中身が落ちにくく、スポーティな印象となります。
「ブルックスブラザーズ」
ウール ダブル6釦 ブレザー
アメリカ本国では3年前に復活したダブルブレストのブレザー。その話題の逸品が2018年に日本に上陸。
しかも米国が誇るクロージングファクトリーとして名高いサウスウィック社製。現代的なエレガンスを求めたややスマートな「リージェント」フィットを採用。見逃せないのがブランドタッグを囲むかがり縫いステッチ。玄人が見ればひと目でサウスウィック製とわかる特別な証。
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「オールデン」ペニーローファー
本国と異なる仕様が生んだ、日本人に適したバランス
アメリカンドレスシューズの代名詞といえばオールデン。特有の角ばった表情が武骨な印象を生むヴァンラストを使用。さらに木型をミリ単位で調整するインクリーサー(乗せ甲)という作業によって、フィットもルックスもよく、甲高な日本人に適したバランスを生んでいる。
特筆すべきはモカシン縫いに行われているスキンステッチ。熟練した職人しか行えない作業であり、ロウ引きされた馬の尻尾を束ねた糸を用い、革を貫通することなくモカシン縫いを行う。この作業によって、足の甲にステッチが触れることのない、快適な履き心地を生み出している。10万4760円
「ジーエイチバス」ローガン
アイビーの定番にしてコインローファーの元祖
二代目にあたるジョン・R・バスが蜜月関係にあった雑誌編集者から贈られたノルウェーモカシンをヒントに開発し、ノルウィージャンからもじって「ウィージャンズ」と命名。いまに続く元祖コインローファーが完成した。
1936年のデビュー以降、オフィスワーカーはおろかティーンエイジャーから絶大な支持を集め、’60年代以降はアイピーやアメトラにおけるデイリーシューズとして不動の地位を確立。スッキリとした細身のフォルムと光沢あるガラスレザーは、創業当時と何ひとつ変わることなく、いまもアメリカの入門ドレスシューズとして多くの新世代を魅了し続けている。2万4840円
「パラブーツ」ランス
チロリアン直系のボリューム感が魅力
1920年代からオリジナルラバーソールの開発を経て、当時取引のあったブラジルのパラ港にあやかり命名されたフレンチブランド。定番スリッポンモデル「ランス」最大の特徴はボリュームあるラバーソール。
防水性に優れたリスレザーのアッパーに、自社製の天然ラテックスソールをノルヴェイジャンウェルテッド製法で装着。チロリアンシューズを思わせるステッチングやヴァンプの仕上げからも一見してそれとわかるオリジナリティを誇る。ドレスとは縁遠い可愛さながら、大人のカジュアル靴としては十分過ぎるほどに機能するデイリーシューズの名品。7万200円
「コールハーン」ピンチ
コールハーンは、1920年代に設立されたアメリカの名門。1950年代にはアイビーリーグの若者たちに愛用されたペニーローファー。アメリカンクラシックなスタイルのローファー「ピンチ」が最新のテクノロジーでアップデート。
エレガントイノベーションの精神を反映し、ハンドソーンモカシン製法を踏襲しつつ、優れたクッショニングを誇る独自テクノロジー機構「グランドOS」を搭載することでクラシックと先進性を見事に両立。さらに優れた屈曲性と軽さを誇るレザーアウトソールに、すべりにくく強度を高めるラバーを組み合わせるなど、象徴的なデザインだけでなく実用性をも担保している。3万8880円
「ブルックスブラザーズ」
オックスフォード ファンシャツ
同ブランドでは「ファンシャツ」と呼ばれるこのシャツ、じつは70元年代に自社工場でふとした偶然から誕生したもの。異なる色柄の生地をランダムに組み合わせるという斬新なデザインのシャツは瞬く間に人気が爆発し、当時の従業員の間でも奪い合いになったという伝説のシャツです。
ピッチの異なるブルーストライブや無地のオックス生地を組み合わせたこの柄は、他のBDを寄せ付けない抜群のインパクト。それでいて、同系色、それもアメトラの伝統的なストライプで構成されているため、着こなしに取り入れやすいんです。ほかにもアメトラシャツの定番ディテールである胸ボケや現代的なミラノフィットなどソソる要素が盛りだくさん。
「インディビジュアライズド シャツ」
オックスフォードシャツ
“洗いざらいしのオックスフォードシャツ”という言葉をよく聞きますが、まさにインディビのシャツ愛好家たちが口を揃えて言うのがこの言葉。
細かいものから粗いものまでオックスフォード生地を3種揃えており、なかでもドレスシャツ専門とは異なる、ラフな味わいが楽しめる「レガッタ」を支持する人は多数。またこまかなカスタムオーダーに対応できる生産背景をもつのも、アメリカンシャツとしては、珍しく、大きな魅力。
「アイク ベーハー」
オックスフォードシャツ
ラルフローレン氏が「ポロ」レーベルを始める際、彼の高い要求に答えられた唯一のファクトリーとして知られるアイクベーハー。いまも上質な素材を使ってアメリカにて生産を続ける数少ないブランドです。
そんなストーリーも相まってか、ポロ好きやトラッドショップのスタッフさんが口を揃えて“好き”と答えるシャツ。そんな伝統を守るべくディテールをしっかりと継続しながらも、現代的フィッティングのモデルも展開。
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アメトラは「ボタンダウンシャツ+ネクタイ」のタイドアップスタイルが基本となっています。
組み合わせは無限ですが、アメトラならではの作法や洒脱に見せるコツがあるので押えておきたいポイントです。
王道スタイルは「白シャツ×レジメンタルタイ」
無地の白シャツと、右下がりのストライプ柄が入ったレジメンタルタイ。この組み合わせがアメトラの王道であり定番。左下がりのストライプは英国式なので、アメトラには必ず右下がりを用います。
ストライプ同士の組み合せは「縞幅に差をつける」
レジメンタルタイにクレスト(紋章柄)が入ったロイヤルクレストは、より上品な印象を与えます。ストライプシャツとの相性も良いですが、合わせる際はストライプ幅に差をつけることがポイント。
チェックシャツ×小紋柄は「柄のサイズに大小をつける」
小紋柄は等間隔に柄が並んだもののこと。馬や鳥、犬などをモチーフにした動物柄が最近のトレンドです。チェックシャツと組み合わせる際は、互いの柄の大きさを変えることが重要です。
鉄板は「オックスフォードシャツ×ニットタイ」
無地のオックスフォードシャツ×ニットタイもアメトラの大定番で、やわらかな表情が魅力。無地×無地でもOKですが、ボーダー柄で少しアクセントをつけるとコーデが引き締まります。
シャンブレーシャツには「上品なシルクニット」
シャンブーレーシャツは現代的アメトラアイテム。カジュアル感が強いので、上品なシルクニットタイでトラッド感を出すと大人っぽく着こなせます。
季節感を合わせた上級テク「チェックシャツ×ウールタイ」
マドラスチェックもトラッドな柄で、ニットタイとの相性良し。チェックには秋冬の印象があるので、ウール素材のニットタイで季節感を合わせると◎。ウールの質感も際立つ上級テクニック。
今回取り上げた3つ例は、いずれもアメトラの大定番。紺ブレとの相性も抜群なので、まずはこの組み合わせから始めるのもおすすめです。
タッセルローファー×濃紺デニム
濃紺デニムも紺ブレと相性抜群。ワイドデニムなら今っぽさも出せるが、デニム自体カジュアルなので、甲部分にタッセル(房飾り)が付いたローファーでコーデを格上げ。
タッセルローファーは品があり、弁護士らが履くローヤーズシューズとしても知られている。
ウイングチップ×スラックス
きれいめな着こなしを目指すならスラックスも一つの手。ノータックの細身&ウール素材の上品なパンツには、ローファーよりもウイングチップなどの短靴が◎。
ウイングがヒールまで伸びた「ロングウイング」は米国式の意匠なので、アメトラ感を強調できます。
コインローファー×チノパン
アメトラを体現する王道の組み合わせ。基本にして最強です。1960年代以降、アメトラにおけるデイリーシューズの地位を築いたG.H.BASSのコインローファーは、マイケル・ジャクソンも愛用。
日本の初期アメトラを支えたバーンストーマーのチノも見逃せません。
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アメトラ初心者にも入りやすい空間から、マニアやファンが足しげく通う聖地まで。東京で、旬の逸品や定番の優れモノに出合える名店を紹介しています。
幅広い世代に愛され続ける、原宿の顔。
1970年代後半の創業から約40年、原宿の地を代表する名店として、幅広い世代にファッションの楽しさを発信してきた「原宿キャシディ」。名物店長の八木沢博幸さんは、ファッション業界で働くプロはもちろんのこと、若い世代からも慕われる“原宿の顔”的な存在。
彼が実際に袖を通して、気に入ったものだけを厳選して買い付ける心のこもったバイイングは、それを目当てに来店する顧客だけではなく、海外のデザイナーからの信頼も厚い。原宿という土地柄もあり、アメトラ初心者でも気軽に入店できる敷居の低さも、このショップの魅力。古きよき定番からヒネリの効いた新作まで幅広く取り揃えた商品群は、眺めているだけでも楽しい。
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東京都渋谷区神宮前6-6-4
03-3606-3070
11時~20時無休
www.cassidy.co.jp
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アメトラ本場のリアルな空気を、多角的に表現。
ニューヨークで人気のライフスタイルショップの、日本初の旗艦店として2013年にオープン。アメリカの空気感を反映させたオリジナルブランドを中心に、モダンにアップデートしたアメトラを提案している。
1~2階のショップスペースに加え、地下1階にはレストラン&バー、3階にはバーバーも併設。“いま”のアメリカンカルチャーを多角的に体感できる。什器や内装資材をアメリカから取り寄せてつくり上げた、こだわりの内装も一見の価値あり。2階のテーラーでは、スーツとシャツのパターンオーダーも可能。タイバーやカフスボタンなどのヴィンテージアクセサリーも豊富に揃う。
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東京都渋谷区神宮前5-46-4
イイダアネックス表参道
03-6805-0490
11時~20時(不定休)
http://freemanssportingclub.jp
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世代も国境も超えて、訪れる客をワクワクさせる品がずらり。
2000年に、原宿の明治通り沿いにオープンした「ビームスプラス」。ビームス創業当時の雰囲気をイメージした飾り気のない内装と、ところ狭しと並べられた膨大な数の商品群が、ショッピングにつきもののワクワク感を刺激する。
アメトラのアイテムをメインに扱うショップだが、ビームス店舗のなかでも客層が幅広く、オリジナルレーベルはアメリカやヨーロッパでも展開されている。それだけアメトラというスタイルは、世代や国境を超えて愛される普遍的なスタイル。20代の若者と50代の紳士が同じショップに来店し、まったく同じアイテムに心を惹かれる――そんな光景が、ここでは日常的に見られる。
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東京都渋谷区神宮前3-25-12 1F
03-3746-5851
11時~20時(不定休)
www.bearms.co.jp/beansplus
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常連客のお目当ては、ここだけにしかないレアモノです。
三軒茶屋の閑静な住宅街に店を構える「セプティズ」は、“街の洋服屋”という呼び名がしっくりとくるような、地に足のついた雰囲気のセレクトショップ。アメリカンスタイルに関する著書もあるオーナーの玉木朗さんのもとには、ファッション談義に華を咲かせようと、全国各地から常連客が訪れる。
また年に2回、店舗向かいにあるビルの特設スペースで開催するサプライズセールでは、玉木さんの貴重な私物コレクションが放出されることも。気をつけて探さないと見逃してしまいそうなほど小さなショップだが、その影響力と情報発信力は決して侮れない。公式サイトに不定期で更新される玉木さんのブログも必見。
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東京都世田谷区三軒茶屋1-41-13
03-5481-8651
13時~20時(月、火、木、金) 12時~19時(土、日、祝) 休み 水、第3火曜(祝日の場合は営業)
www.septis.co.jp
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振り幅のある商品展開で、アメトラをモダンにアレンジ
昨年10月にオープンした「ブルーブルー神田」は、オリジナルブランドの「ブルーブルー」を中心に、アイビースタイルを広く提案するカジュアルショップ。紺ブレやオックスフォードシャツといった基本はしっかりと押さえつつ、モダンなアレンジを加えられる商品展開の振り幅が魅力。
豊富なデニムアイテムはスタイリングの自由度を高め、アメトラをより身近な存在に感じさせてくれる。和洋折衷の内装もオリジナリティあふれるもの。神田神保町という土地柄もあり、学生から年配まで客層はさまざま。近所付き合いが濃密な昔ながらの街並みに溶け込むように佇むこのシヨップは、週末、じっくりと時間をかけて訪れたい。
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東京都千代田区神田神保町1-34
03-5577-7280
11時~20時(無休)
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オーナーのセンスが光る、掘り出しものが満載。
インポート・セレクトショップの草分けとして1950年にアメ横のマーケットで創業した老舗が「玉美」。60年代から「マックレガー」をはじめとするアメリカ輸入ブランドのアパレルを豊富に取り揃え、アメトラブームを牽引した。
今日でも親近感に満ちたアメ横スタイルの店構えはそのままに、名品のデッドストックとともに、オリジナルアイテムも展開している。「フルーツオブザルーム」「ヘインズ」「ジョッキー」といったパックTの品揃えも豊富で、40年以上人気が継続している看板商品。雑多な商店が立ち並び、常に活気にあふれるアーケード街の雰囲気ともあいまって、掘り出しもの探しにも自ずと熱が入る。
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東京都台東区上野6-4-12
03-3831-7502
10時30分~19時 休み 火
http://ameyoko.tamami.com
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店主の好きなものだけを集めた、服好きたちの社交場。
スポーツ関連のショップが立ち並ぶ靖国通りで、ひと際、異彩を放つセレクトショップ「ネスト」。雑居ビルの2階に入っている上、表向きの看板は非常に質素なこともあり、知らない人にはいわゆる“入りづらい店”と思われてもしかたない。
しかし、オーナーの小黒達矢さんが国・時代・ブランドにとらわれず、自分の好きな服だけを厳選して集めたこの小さなショップには、今日も全国から無類の服好きたちが集まってくる。品質がよく、使い込むごとにますます愛着が湧くような普遍的なアイテムが、ここでは必ず見つかるはず。
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東京都千代田区神田小川町3-2 ユースクエア御茶ノ水 2F
03-3233-7888
12時~21時 休み 火(祝日の場合は営業)
https://ameblo.jpnest-drygoods
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古着の街で出合いたい、レアな“オールド・ラルフ”
古着の街として知られる高円寺で、ヴィンテージショップ4店を展開する「サファリ」。なかでも2号店は「ラルフローレン」や「RRL」の膨大なストックを抱え、アメトラファンの間では言わずと知れた存在となっている。マニアも唸るレアアイテムはもちろんのこと、気軽に購入できるキャップやTシャツなども豊富。
約8割がアメカジ寄りな商品構成だが、「ブルックスブラザーズ」の紺ブレやコードヴァンのブローグシューズなど、アメトラのマストアイテムもしっかりと取り揃えているところは見逃せない。
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東京都杉並区高円寺南3-47-8 ニューナショナルコート 1F
03-3316-57662
13時~20時(無休)
https://e-safari.co.jp
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「L.L.ビーン」の故郷を、いつも心に抱いて。
古きよきアメリカンスタイルを象徴する多彩なアイテムが掲載された、80年代発行の「LLビーン」のカタログ。同社のホームタウンであるメイン州からショップ名を取ったのが、神保町の「メイン」。当時のアメトラスタイルを再現したオリジナル商品を中心に、セレクトとヴィンテージも幅広く扱う。
「ブルックスブラザーズ」のスタイルを再現した紺ブレやオックスフォードシャツといった基本アイテムの他、バッグやキャップなどのカジュアルなアクセサリーも豊富に並ぶ。完成度の高いオリジナル商品は、全国的に展開されている。
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東京都千代田区神田神保町2-48
03-3264-3738
11時~20時(無休)
www.maine1988.com
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