ブランド、種類、特長、名品まで「フライトジャケット」を深堀り!
今やファッションアイコンの定番MA-1をはじめ、A-2、B-3、N-3Bなどの名作から、よりレアなモデルまで!
フライトジャケットの種類、特長、そして生み出された背景まで踏み入って解説しています。
■MA-1
■A-1
■A-2
■B-3
■B-2
■B-6
■B-9
■B-10
■D-1
■G-1
■L-2
■N-2B
■N-3B
「名品」も数多い、フライトジャケットに欠かせないブランドたち。
半世紀近い歴史を持つ老舗メーカー「東洋エンタープライズ」が1993年にスタートしたブランド。代名詞となっているのが、ヴィンテージと遜色のないフライトジャケット。素材、縫製、フォルム、パーツまで徹底して作られている。
日本で初めてオリジナルのフライトジャケットを生み出したミリタリーブランド。創業の1972年から「日本製」にこだわり、素材から縫製、制作までを全て自社で手掛けている。
>>公式サイト無し
その機能性はクオリティなミルスペックと遜色なし!。アメリカ陸軍航空隊に支給されていたA-2のコントラクターを務める「エアロレザー社」。このメーカーがアヴィレックスの前身であり、純血のミリタリーウェアを引き継いでいる。
アメリカ空軍に正規支給品を納入する実力派。アルファは、質の高いミリタリーウェアを展開する米国のアパレルブランド。TIGHT(細身)シリーズなどスタイリッシュモデルも多彩。ファッション性の高いフライトジャケットが得意。
各種ミリタリーウェアを当時のまま再現している「中田商店(上野アメ横の老舗ミリタリーショップ」のオリジナルブランド。
日本を代表するアメカジブランドの雄。ヴィンテージ感を再現しつつも、高品質の素材、独自の解釈でオリジナルのエッセンスを加える。現代版ミリタリーを体現。
B17爆撃機の中で最も有名な「メンフィス・ベル号」。その機長であったロバート・K・モーガン氏の夫人と中田商店がライセンス製作しているブランド。
実物のコレクターやフライトジャケットマニアには馴染み深い「バイアパレル」。現用のCWU-45/Pを米軍に納入しているブランドで、その肩を利用して制作した民間用モデルも展開している。
>> 公式サイト無し
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各種フライトジャケットの生い立ちや特長、名品まで、その魅力を深堀りしています。
ナイロン製フライトジャケットの代名詞でもあるMA-1(ベースとなったのはB-15ジャケットも下記で紹介)。1957年にMA-1は採用されたが、その開発の背景には目まぐるしい技術革新や軍用機の発展があった。1976年にCWU-45/Pが登場するまで愛され続けた。
MA-1の細部は機能性を向上させるため、常に改修が続けられているが、最大の変化はリバーシブル仕様になった点。同時にライニングは発見を容易にするため、インディアン・オレンジに変更されている。そのスタイルはミリタリーだけでなく、ファッション界にも大きな影響を与えている。
ハズリクソンズ
TYPE MA-1 BR10981
バズリクソンズのMA-1はスペックのみならず、時代考証、機能の特質など徹底的な調査・研究に基づいて作り出されている。
角ばったウインドフラップはファーストモデルの特長で、大型のクラウンジッパーは手袋着用でも操作が容易と、実用性にも優れている。
■価格:5万1840円
アルファ インダストリーズ
MA-1 TIGHT
アルファ社を代表するフライトジャケットといえばMA-1。こちらは細身のシルエットで、日本人に合うサイズに修正した日本限定のもの。新色としてタイガーカモとコヨーテブラウンの2色が追加された。
■価格:1万9224円
フェローズ
18W-MA-1(TD)
ヴィンテージ感を出しつつも、フェローズ流のアレンジを加えたMA-1。中綿には保温性の高い「THINDOWN」という高品質ダウンを詰め込んでいる。軽い着心地で快適性も◎。
■価格:4万9680円
陸軍航空隊が採用した布製フライトジャケットB-10の改良モデルとして、1944年4月に採用されたのがB-15。全体的にB-10に似たデザインであるが機能性を向上させるために仕様変更されている。同年11月にその改良型であるB-15Aが採用された。両胸に酸素マスクのホースをクリップで固定するために革製の三角形タブが付いているのが特長。
さらに飛行帽のヘッドフォンから出るコミュニケーションワイヤーを通すタブが両脇にセットされている。左袖部のペンシルポケットも今まで2本収納だったが4本収納できるようにするなど細部にも改良が加えられている。
ヒューストン
5503
襟のフィット感を高めるためにフロントジッパーをセンターからずらしている。ボディは丈夫なヘビーコットンを使用。大戦末期から配備され後続モデル登場後も一部の階級で愛され続けたそう。
■3万8664円
セスラ
MFG
第2次大戦時のレプリカモデル。ムートンとアクリルボア仕様、両脇には革製三角タブ、両脇もタブをセットし当時のB-15Aを見事に再現。袖には陸軍航空隊のマーク入り。ワッペンは第12タクティカルリーコン。
■2万1384円
B-15Aの機能性をさらに追及した改良が加えられている。酸素マスクのホース固定用のタブが三角形から長方形に形状変更(しかもひとつ)。左袖のポケットがさらに大きくなりペンシル/シガレットポケットに変更。ライニングも施されている。徐々にMA-1に近づいてきている。
ヒューストン
5001
B-15Bをヒューストンがメイド・イン・ジャパンで忠実に再現したレプリカ。ボディには光沢感のあるヘビーツイルナイロン地を採用。襟はムートンボア、襟裏にはチンストラップ付きなので立て襟も可。
■3万8664円
バズリクソンズ
BR14133
酸素マスクのホースを固定するタブが長方形ひとつなのが特長。ボディには丈夫なヘビーナイロンツイル地を採用。
■6万6960円
全モデルとの大きな変更点は、フロントジッパーがセンターからオフセットされた位置ではなく正面に配置されたこと、酸素マスク・ホース固定タブも革からナイロンに材質変更されていることなど、ジャケットの各ディテールに改良が加えられた。そして空軍のシンボルカラーであるエアフォース・ブルーがスペックに加わるとB-15Cの素材も同色に変更された。
ヒューストン
5005
光沢感のあるヘビーツイルナイロン地をボディに採用。白ラベルやナイロン製の長方形タブなども忠実に再現。実物のB-15C(MOD)をヒューストンが再現したハイクオリティ・レプリカ。日本製。
■3万6504円
バズリクソンズ
A.F.BLUE BR14175
左袖にはUSエアフォースのマーク入り。B-15Cにまつわる有名なエピソードは、マリリン・モンローが兵士の慰問のため朝鮮半島を訪れた際、米軍が彼女のために専用のB-15Cを用意し歓迎したという。
■6万6960円
トイズマッコイ
ALBERT TURNER MARILYN MONROE USO TOUR TMJ1821
モンローに贈られたB-15Cをモチーフに、慰問した米軍部隊のパッチでカスタムしたツアージャケット。
■10万8000円
見た目はB-15Cの色違いにしか見えないがナイロン素材のスペックが変更された。またムートンのボアが付属した米空軍最後のフライトジャケットとしても有名。パイロットの頭部を保護するハードヘルメットの導入によりヘッドギアも大型化。その結果フライトジャケットの襟と干渉するようになってしまった。その問題を解決するために襟を取ったB-15D(MOD.)も登場した。その外観は、MA-1の初期型と全く変わらない。
ヒューストン
A-934
襟はムートンボア。襟裏にチンストラップ付き。ボディはヘビーツイルナイロン採用。カラーは視認性の問題からセージグリーンへ変更。
■3万8664円
アメリカ陸軍航空隊で1923年より開発が進められ、1927年にフライトジャケットの第1号として採用された夏期用ジャケット。後年、開発された多くのフライトジャケットの原型となった、エポックメイキングな1着である。仔牛や仔羊、鹿などの革を使い、袖口と襟、ウエスト周りにはニットを配したデザインになっている。
フロントがボタン留めなのは、1928年までに金属ファスナーが実用化されていなかったため。1931年に新型のA-2ジャケットが登場するが、その後ストックが切れるまで、第2次世界大戦中の1944年まで使用されている。
トイズマッコイ
TYPE A-1
成体の馬からとれる革のホースハイドを使い、水牛の角を削りだした贅沢なボタンをあしらった逸品。重厚感のあるレザーは、着込むほどに体に馴染み、独特の艶が生まれる。カジュアルだけではなく幅広い着こなしで重宝。
■19万4400円
トイズマッコイ
TYPE A-1 BARRANCA AIRWAYS
1939年制作の映画『コンドル』に登場した郵便飛行に従事するパイロットのA-1をイメージ。左胸と背面のマークは馬革のボディにハンドペイントタッチで表現した。
■21万6000円
バズリクソンズ
TYPE A-1 BR80483
イタリア産の野生馬の革、ブロンコハイドを使用。カラーはシールブラウンと呼ばれる濃いめの茶色で、やや赤みのある色合いが魅力。経年による革の風合いの変化も楽しめる。シャツ類との相性が良く、シックなカジュアルスタイルに最適。
■14万9040円
A-2は1930年9月20日に従来のA-1に代わるものとして、実用テストが開始され、1931年5月9日に採用された。A-1の発展形といえるが、洗練されたデザインで正面の合わせはジッパーが使用され、ニット襟は立ち襟に変更、同時に素材は馬革に変更が加えられた。
A-2に対するパイロットたちの人気は高く、そのフィット感はまるで自分の飛行機を着ているようだと賞された。1943年以降は限定採用となったが、1947年の空軍昇格後も使用され、朝鮮戦争でも少数ながら着用例が確認できる。背中にはイラストが描かれることが多く、コレクターに人気だ。
コックピットUSA
CP-12
ニューヨークを拠点とする複製フライトジャケットの老舗『コックピットUSA』が手掛けた米空軍現用のA-2。ゴーとスキンが身体になじむ。ベルクロ付きなので、自分の好みのパッチを装備できる。
■8万6400円
アヴィレックス
A-2 U.S.A
大戦中期の台襟付きモデルをメイド・イン・USAで再現。使用されているネイキッド・カウレザーは貴重な革で、表面加工をせず素材の風合いを損なわないよう仕上げたもの。フィット感はバツグン。
■11万6640円
トイズマッコイ
TYPE-A-2 V.HILTS
映画『大脱走』でスティーブ・マックイーンが劇中で着用したA-2を徹底検証して再現。2005年以来初のリニューアルを敢行し、さらにリアリティを追及した究極の1着。
■21万6000円
今シーズンも各社からリリースされ続けていることからも、その人気がかがえるB-3。そもそもタイプB-3は、第二次世界大戦の爆撃機クルーによって愛用され、しばしば“ボマー・ジャケット”と呼ばれてきた。アメリカ陸軍航空隊に採用されたのは1934年5月8日、本格的な生産は翌年になってから。
素材はシープスキンで、初期モデルは革の表面に処理を施しておらず、30年代後半からはポリアクリル塗料とラッカーによる表面仕上げが施され耐久性は大幅に向上。だが、戦争の勃発とともにコスト削減からコットン製ジャケットにその座を譲る。
アヴィレックス
B-3 SHEEP SKIN
創業1975年、これまで多くのフライトジャケットをアメリカ空軍に正規支給品として納入してきた実績を持つアヴィレックス謹製。エイジング加工されたシープスキンが特長。
■19万4400円
アルファ インダストリーズ
B-3 SHEEP SKIN
質の高いミリタリー仕様から気軽なダウンユースまで、幅広いラインナップを誇るミリタリーブランドの雄、アルファ社。滑らかなシープスキン&ムートン素材、B-3の間違いないヤツ。
■14万9040円
トイズマッコイ
TYPE B-3 SHEEP SKIN JACKET
大人には馴染み深い、トイズマッコイ。今シーズン話題の一着は映画『WAR LOVER(戦う翼)』をモチーフとしたB-3。かすかなオレンジ色が上質さを際立たせる、色気のあるムートンがたまらない。
■31万3200円
1931年12月15日、冬期用フライトジャケットとして用されたタイプB-2は、内側にパイルのライニングが付けられていた。A.A.F.(アーミー・エア・フォース)の前身にあたるA.A.C.(アーミー・エアコー)では当時、フライトスーツはワンピースが多く、支給時にサイズで問題になることもしばしば。
そこでタイプB-2の開発にあたっては、ジャケットとトラウザーパンツで構成されるツーピースのスタイルが選ばれた。
バズリクソンズ
B-2 BLANKET LINED BR80331
フライトジャケットの真のレプリカを作ることを目指す、として1993年に誕生したバズリクソンズ。手がけたB-2は、ベジタブルタンニンなめしの馬革製。袖口のジッパーは、優れた防寒性と着脱を容易にするために採用された。
■18万1440円
B-6ウインター・フライング・ジャケットの開発は1939年初頭にスタートし、同年6月12日に制式採用となった。より運動性を向上させるため、軽量ジャケットとして開発されたものであり、革が薄く軽量化されているため、狭い機内で動きやすいという利点があった。シープスキンも毛足も短く刈り込まれている。
全体のデザインはB-3に似ているが、後継ジャケットというわけではなく、ポケットの形状や襟のサイズをはじめ、細部に違いがある。実際にはB-3と混じって使用されていた。
トイズマッコイ
TYPE B-6 MFB.CO.
B-3よりも毛足が短く、運動性にすぐれたB-6。こちらのトイズマッコイは、ライトなウェザリングを施したムートンシープを用いて、B-6を復刻。War Time TALONファスナー仕様。
■30万2400円
バズリクソンズ
BR80347
使用されているシープスキンは短く刈り込まれ、重量も軽いので体に吸い付くようなフォルムを持っている。襟のチンストラップ、ウエストのジッパーはフィット感を高めている。
■23万7600円
B-9の開発は1942年9月に開始された。A-8トラウザーズと共に着用されるが、その最大の特長はギャバジン(織り目を密に作られた丈夫な綾織りの生地)を使用している点。内側は防寒効果を考慮してダウンのキルト・ライニングが採用されていた。
1943年7月22日に陸軍航空隊に採用されたが、ダウンが入手困難だったため、フェザーとの混合が行なわれた。そのため着用感が悪くなり、将兵たちには不人気だった。その結果、短命に終わり、1944年10月には限定採用のアイテムに指定された希少なモデル。
バズリクソンズ
TYPE B-9 BR14140
アウターシェルはコットンを使用。キルティングされたライニングの保温材はダウンを採用している。外観は基本的にB-7を踏襲しており、背面のウエストにはゴムバンドが内蔵され、袖先はニットカフ仕様。
■9万6120円
トイズマッコイ
TYPE B-9 CIVILIAN MODEL
コットン製飛行服の中でも最強の防寒性・保温性を持ったB-9。残念ながら限定採用に終わったものの、民生品も多く、スティーブ・マックィーンも愛用者だった。本作はその復刻モデル。
■9万9360円
革製のフライトジャケットの代替計画第1弾として1943年7月22日に採用されたのがB-10。大きな変更は材質が革からコットンになったこと。つまり綿製のフライトジャケットなのだ。
その誕生の背景には、アメリカが戦争に突入して軍備拡張が本格化し、航空隊将兵に支給する革製ジャケットの材料不足、そして大量生産におけるコスト削減という現実があった。A-9トラウザーズとセットで着用するようになっていたが、A-2のような感覚でジャケットのみが着用されることが多かった。
セスラ
TYPE B-10 第14空軍フライングタイガース
各種ミリタリーウェアを当時のまま再現している中田商店のオリジナルブランド『セスラ』。本体とライナーの色を変更し、より忠実に生産。襟ボアはムートン、ライニングはアクリルボア、ワッペン付き。
■2万1384円
トイズマッコイ
TYPE B-10
実在したノーズアートをモチーフにしたB-10のカスタムジャケット。“フレネシ”は94爆撃航空軍所属の第333爆撃飛行隊に所属したB-17G。バックには同機に描かれたピンナップガールをあしらった。
■9万5040円
バズリクソンズ
TYPE B-10 BR11133
大量生産が可能なコットンツイルを使用したフライトジャケットB-10。ライニングにはアルパカモヘアウールパイルを使用しており、シープスキンに比べてかさばらず、保温能力が高い。
■5万6160円
1941年から1943年にかけて支給されていたD-1は、外見はB-6に似ているが実はフライトジャケットではなく、航空整備兵の防寒用ジャケットとして採用された。
メカニック用のためフライトジャケットと比較するとかなりルーズなシルエットになっている。
バズリクソンズ
BR80503
シープスキンの毛足の長さはB-6と同様なものの、パイロット用のようにジャストフィットする必要がないためスペックはかなり柔軟。機能性に優れたジッパー付きのポケットでアクセント。
■23万7600円
1950年代に海軍航空局によって開発されたインターミディエイトゾーン(中温域)用フライトジャケット。現在では米海軍航空隊のジャケットを総称してG-1と呼ぶことも多い。それだけ海軍が最も愛し、使い続けてきたことの証明と言える。
G-1は元々タイプ名がなくスペック55J14でつくられたM422系のレザージャケットから戦後のモデルの歴史は始まる。この時からスペック番号とは別に海軍でもタイプG-1という型式名を用いるようになった。だが数多くスペック変更され1976年に採用中止となるがパイロットたちの強い要望で1984年に復活を果たし現在に至る。
アヴィレックス
G-1 TOPGUN
映画『トップガン』でトム・クルーズが演じる主人公、マーベリックが着用していたモデルをタウンユース用にアレンジ。リラックスしたフィット感が味わえる着心地抜群のアンティークレザーを使用。
■9万9360円
バズリクソンズ
MIL-J-7823 BR80145
アウターシェルはしなやかな仕上がりを誇るゴーとスキンを使用。またライニングにはサテン系の生地を採用。襟ボアもムートン製。
1945年、USAAF(米陸軍航空隊)は高価で大量生産に向かないA-2に代わって、ナイロン素材にレザー製ボックスタブを備えたライトゾーン(気温域10~30℃)用のフライトジャケットL-2を開発する。やがてUSAAFはUSAF(米空軍)として独立し、朝鮮戦争の最中である1950年代初期にL-2の改良モデルとして、USAFのシンボルカラー、エアフォースブルーを採用したL-2Aが登場。
さらに50年代半ばになると、より機能的なL-2Bが開発され、レスキューオレンジの採用、エポレットやポケットフラップの廃止といった変遷を経て、70年代にCWU36/Pが開発されるまで長期にわたって活躍した。
バズリクソンズ
BR11130
それまでのA-2に代わって登場したのが、新素材ナイロンを採用したL-2。フロントに機内通信システムのケーブルや非常用酸素マスクのホースを固定するボックスタブを装備する。オリーブドラブ。
■4万5360円
アヴィレックス
L-2A VINTAGE
L-2の改良モデルとして1950年代諸島に登場したL-2A。このモデルの裏地は、長期間にわたって着用できるうえ、メンテナンスがしやすいレーヨンコットンサテンに変更している。
■4万5360円
アヴィレックス
L-2B“GEMINI PROGRAM”
かつての米有人宇宙飛行計画“ジェミニ計画”。なかでも1966年に発射されたジェミニ8からジェミニ12までの記章を、表地と同色の刺繍ワッペンで飾ったのがこのモデル。バックにもロゴをデザイン。
■2万6874円
N-2Aの改良型として登場したのがN-2Bジャケット。最大の特長はカラーがエアフォース・ブルーからセージ・グリーンに変更されたこと。同時にディテールも改良されている。フードにトリミングされたコヨーテの毛皮、後にアクリル製となる。インターライニングもウールからアクリルに変更されるなど、素材に化繊が多用されるようになった。
またこのN-2Bはフライトジャケットとして、ほぼ完成形で、空軍だけでなく海軍でも使用されている。ファッションアイテムとしても人気が高くアパレル系のアウターなどのモチーフとして使われることが極めて多い。
アルファ インダストリーズ
N-2B TIGHT
アルファがタウンユースで着用することを前提に、オリジナルで開発したタイトなフォルムのN-2B。寒さを防ぐ首の上まで閉めることができるフロントジッパーなど、機能性も申し分ない完成度を誇る。
■2万6784円
-10℃~-30℃の気温域(ヘヴィーゾーン)で使用するフライトジャケットとして第2次大戦後に採用された。B-11ジャケットの後継モデルに相当し、その機能性や保温性などは大幅に向上した。スタイルはまるでB-15にフードを取りつけたようなデザイ。従来、極寒地用は丈が長かったが、N-2は戦闘機などの狭いコクピットで着用することを考慮し、腰くらいの長さになっているのが特長。現在、レプリカや放出品をあまり見かけない。
1950年代初めにN-2に改良を加えて採用。おもに1950年からに始まった朝鮮戦争で広く使われていた。またN-2Aは空軍独立後に取り入れられたシンボルカラー、エアフォース・ブルーとなっており、フード部のライニングなどもエアフォース・ブルーに変更されている。またホースクリップ用タブがナイロンに変更されているのも特長。頭回りを保護するボアのフードは中央にジッパー付き。ジッパーを開き左右それぞれのスナップボタンでフードを背中でまとめられるのが特長。
N-3Aの改良モデルとして採用されたが、その変更箇所は姉妹モデルのN-2Bとほぼ同様にエアフォース・ブルーからセージグリーンに変更。また袖口のリブを内蔵、ウエストのドローコードも内側に変更されている。
N-3Bが使用される気温域はドライ・コールド・コンディションと呼ばれ、米軍の規定によると年間の平均気温が-10℃以下、地面は凍結し、雪は乾燥、風が強いという極寒の地。またN-2Bと同様にその完成度の高さからアパレル系のアウターとしてインスパイアされている。
アヴィレックス
N-3B VINTAGE
エアフォース・ブルーから改良されたスペックMIL-J-3279Dをもとに再現。N-3Aから袖口とウエストコードの仕様が変更されているのがポイント。またアヴィレックスではフード部にラクーンファーを採用している。
■9万5040円
アルファ インダストリーズ
N-3B TIGHT TIGER CAMO
アルファの定番アイテムN-3Bを日本企画でタイトなシルエットにリデザイン。ナイロンヘビーツイル地のタイガーカモで作ったモデル。
■2万9700円
セスラ
A-1804
フード部の襟ボアには保温性の高いコヨーテの毛皮を採用。中綿には保温性・防風性・防水性・透湿性を併せ持った高機能素材「デュポンコンフォマックス」を採用している。しかも軽量!
■3万7584円
N-3の改良モデルであり、1950年代初頭に空軍から採用された。N-2シリーズがパイロットを対象に開発されてきたのに対し、N-3シリーズは支給範囲が広く、爆撃機や輸送機のクルーから地上整備員などが対象であった。現在、レプリカも見かけない!
気温域-10℃~-30℃のヘヴィゾーン用として採用されていた極寒地用フライトジャケット。全体のデザインはN-2と同様だが、腰の部分までカバーできるように丈が長いのが特長でN-2との大きな違いでもある。
1973年に採用され、現在でも米空軍、海軍、海兵隊、陸軍で使用され続けている全軍共用のフライトジャケット。当初は素材に難燃性繊維アロマティクポリアミドが使用されトラウザーズとフードを必要に応じて組み合わせる飛行用防寒衣料システムとして開発された。兼ねてからの懸案事項だった飛行用衣料の難燃性化を実現した。
またこれまで4回規格変更されているが、そのおもな理由は生産性を高めるための簡略化を図るための変更であった。現在支給されているのはMIL-J-83388で、デュポン社製のノーメックス素材が採用されているが、日々新しい素材が開発されている。
バレイアパレル
CWU-45/P タン
アメリカ軍の衣料、特に防寒アイテムであるCWU-45PやECWCSパーカなどを供給している『バレイアパレル』社製。新ノーメックス素材を採用したタンカラーのCWU-45/Pをコントラクターとして米軍用に製作している。
ヒューストン
CWU-45/P
インターミディエートゾーン(-10℃~10℃)用の中綿入り現行フライトジャケット。防寒性も高く、丸みのある襟と左右の大きなフラップポケットが特徴。
実物のノーメックス素材に限りなく風合いを近づけた畝の太い独特のナイロン地を使用。初期型スタイルを再現した背中にアクションプリーツがある仕様。
■2万6784円
アルファ インダストリーズ
CWU-45/P TIGHT
従来の世界規格(欧米サイズ)から日本人の体型に合うようにサイズ修正したタイトモデル。左胸部のワッペンはアルファのロゴだけというシンプルデザイン。マジックテープで取り外し可能。光沢のあるナイロンを使用。
■1万9980円
CWU-45/Pを原型としながらも、その開発の経緯はまったく異なる。空軍独自の航空衣料開発部でライトゾーンエリア用に開発された難燃性フライトジャケット。CWU-45/Pとの大きな違いは、何と言っても中綿が入っていないこと。接を通気性の良いポリアミド生地のサンドイッチ構造としている。
またフロント部の前立てが廃止されているのも見逃せない。その理由は角張った前立ての先が凍ってしまったらパイロットの身体を傷つけてしまう恐れがあるから。ジッパー自体も小型のモノが採用されている。
ヒューストン
CWU-36/P
CWU-36/Pは中綿が入っていないのでオールシーズン使い回し可能。左胸部にはベルクロパネルを配している。裾と袖口は風の侵入を防ぐリブニット仕様。ウエスト両サイドには大きめのフラップ付きポケット。安心の日本製。
■2万5704円
1930年代に米海軍が開発したフライトジャケット。同じ型番でA-1に似たケープスキン製のジャケットも存在するが、この布製ジャケットは後期型。正式な名称は37-J-1A、もしくは37-J-1Bだが当時の軍の仕様書にはラベルに37-J-1と表記するように指示されており判別不能。
バズリクソンズ BR14148
アウターシェルに耐風性に優れた高密度で厚みのあるジャングルグロスを採用。ライニングにはコットンブロード地を使用。背面部と袖は贅沢な一枚仕立て仕様となっているのが特長。
■4万2120円
米陸軍航空隊と米海軍航空隊との共通使用を目的としていたフライトジャケット。スペックAN6552のANはアーミーとネイビーの頭文字を略したものであったが、結果的には海軍のみの採用に終わってしまい、陸軍航空隊は同型のコットンジャケットB-10を採用した。
バズリクソンズ BR80445
1932年に設立された海軍航空局が、中温域(インターミディエート・ゾーン)用フライトジャケットとして開発したM-422Aの後、1944年に採用されたのがAN6552。当時のモデルを忠実に再現したレプリカ。
一般的に「WEP」と呼ばれるこのフライトジャケットの正式名称はジャケット・ウインター・フライング・スーツ。略してJ-WFS。アメリカ海軍と海兵隊で採用されたモデルで最大の特長はトラウザーズとの上下合わせでの着用を強く意識したデザインとなっている。WEPには4つのモデルがあり、1959年代初頭に登場した初期型はMIL-J-18342、第2型はS-18342A。共にカーキのナイロンを使用。第3型は1958年制定のS-18342Bで色はライトグリーンまたはリーフグリーン。第4型はS-18342Cで色はオリーブグリーンに変更された。
バズリクソンズ BR14170
1966年に海軍武器局によって制定され、1967年から1973年の間生産されたWEP C-タイプの色はオリーブグリーン。初期型WEPのリーフグリーンとは異なっており、細部にもこだわった一着。
■12万7440円
(A)機能や特徴、ゾーンタイプ
(B)タイプと仕様を表記。ミルスペックとは軍の制定した仕様のこと
(C)サイズ
(D)軍による管理番号
(E)製造メーカーと軍の契約番号
(F)軍に納入した製造メーカーの表記。軍専属の工場で生産されたものは、この表記がない
(G)クリーニングの注記と米軍のものであることを示す表記。’50年代以降表示されることに
(H)素材の表記。こちらも’50年代以降のみ表記
飛行機の発達により最初は「普段着」だった飛行服。そして時代と共により実用性を備えたものへと変化し、一定のスタイルを確立していく。初期の飛行で問題だったのは寒さと風圧だった。初期の飛行士が着用したのはツイードの上下にジャケットで、これにウールニット製の巾とゴーグル、そして手袋が加わるというのが基本スタイル。
初期の飛行服はモータースポーツ用衣類の流用だったが、やがて飛行専用の衣類が作られるようになり、その中にはバーバリーなどの一流メーカーの製品も存在した。
初期の飛行機はいわゆる「金持ちの道楽」で、飛行士の数もごく限られたものだった。この状況を変化させたのが第1次世界大戦(1914~18年)で、各国軍は飛行機を兵器として活用。ヨーロッパの空で激しい空中戦が展開されることになる。
大戦初期は各国軍の飛行服は「通常の軍服」だったが、何かと不具合も多かった。やがて軍も飛行服を制式な装備として採用し、飛行服は「軍服」としての役割を持つようになっていく。ただし、第1次大戦中の各国軍飛行士は自前で飛行服を購入することが多かったという。
飛行服の素材はその誕生から現在までに変化してきた。初期の飛行服の素材は前述したようにウールだったが、やがて革が使用されるようになる。これは革が風を通さないのが理由で、防寒を目的として毛皮も広く使用されている。しかし第2次大戦で再び飛行機が大量使用されるようになると、飛行服の需要もそれに比例して増大。革の確保に困難を生じるようになる。
こうして革製FJ(フライトジャケット)に代わるものとして採用されたのが表地にコットン、裏地にアルパカ系のパイル生地を使用したジャケット。第2次大戦後は新素材の開発により表地がナイロン、裏地がウールのパイル地をレーヨンで覆ったものに変更される。しかしナイロンは熱に弱く燃えやすい欠点があり、70年代からは表地に難燃性のアラミド繊維が使用されるようになった。
アメリカ軍のフライトジャケットにはアルファベットと数字の型式が付けられ、その途を区分している。第2次大戦中のアメリカ陸軍航空隊は“A”が夏用、“B”が冬用、“E”と“F”が電熱服、“K”と“L”が軽量(布地が薄い)スーツと区分していた。
フライトジャケットで最も有名な型式は“MA-1″だが、その型式の意味は不明で、ちょっとしたミステリーとなっている。ちなみに現在FJの型式として使用されている“CWU”は”ClothingWarmsUnit”の略で、“W”は“Wear”の略とする説もある。
第2次大戦当時、冬用FJで広く用いられたボアの襟だが、1950年代には姿を消してニットや通常のデザインへと変化する。これは、同じ時期に飛行機がレシプロからジェットに移行したことが背景にあった。
ジェット機はレシプロ機よりも高速で飛行するが、高速で乱気流に突入すると激しい振動に見舞われてしまう。その際に着用しているヘルメットが布や革製では頭部の保護に問題があったため、樹脂製のハードへルメットが採用される。しかしハードヘルメットは高張るため、ボアの襟が頭の動きが妨げるという問題が発生。
これを改善するために導入されたのがニット襟で、B-15シリーズの中には襟をボアからニットに改造したもの存在。それらは改造を意味する“Mod.(Modifiedの略)”の文字が型式に追加されている。
メンズファッションブランドナビ編集部
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