①基礎知識
カバン選びやメンテのために役に立つ基礎知識
靴と同様、カバンもいくつかのパーツで成り立っています。それぞれの役割を知ることで、よりよいカバン選びや、長く使うためのメンテに役に立つのです。
①ハンドル:持ち手の部分。バッグと同じ生地のほか、違う生地でできている場合もある
②天マチ:マチとは幅のことで、天マチとはカバン入り口の広さを指す。ファスナーがついていることも
③コンパートメント:カバンの収納部分のこと。一般的にはポケットより大きいものをこう呼ぶ
④横マチ:横幅のこと。横マチが大きい方が収納力は高いが、デザイン的にもっさりした印象になる
⑤前胴:胴とはカバンの主要部分で、表にあたる方を前胴(表胴)、裏を後ろ胴(背胴)と呼ぶ
⑥ショルダーベルト:肩から提げるためのベルト。普段は外していて、使う時に取り付ける
型崩れの原因になるほか、背中の蒸れも気になるので、スーツスタイルの時には使用を避けたい
ビジネスシーンに利便性は必要ない
両手が空いて便利そうですが、実はビジネスシーンでは、利便性を追求すること自体がマナー的に避けるべきとされています。また、スーツの型崩れを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
革のビジネスバッグは昔からの定番
革のビジネスバッグはスーツスタイルの定番ですが、革は重い、傷つきやすいなどの欠点があるので、最近はナイロン製もよく使われています。なお、合皮は劣化しやすいので避けましょう。
これでいざという時に困らない
複数のカバンを使った時に起こる入れ忘れの問題には、カバンの中に小さいバッグインバッグを入れておくことで解消できます。必携のものはそこに入れておき、使うカバンにバッグインバッグごと入れるようにしましょう。
小さすぎてもNG
スーツやジャケットとのコーディネイトを考えると、オーソドックスな手提げタイプをひとつは持っておきたい
サイズは、ビジネスシーンで使われることの多いA4ファイルがすっぽり入る広さはほしいところです。また、大事な書類が外から見えないように、ファスナーなどで口が閉じるものがおすすめです。
濃い色はフォーマルな印象
靴と同様に、カバンも色が濃いほどフォーマル、明るくなるとカジュアルになります。ビジネスでは、濃いめの色を選ぶのが正解です。また、ベルトや靴と合わせて統一感を出すことも好印象です。
カバンはローテーション不要!
カバンは靴に比べ長もちするので、むしろ使い倒すつもりで定番のものを使い続ければOKです。靴のように、複数個を用意してローテーションで使う必要はありません。
スマートさに欠ける
ビジネス用のカバンは手にもって使うのが原則とはいえ、ボストンバッグはカジュアルの代表ともいえるカバンなので、ビジネスの場面では使えません。トートバッグも同様NGです。
持っているカバンで印象作りを
ビジネスの場面において、カバンというのは仕事の相棒ともいえる存在。3~5万円のいいカバンを使うことで、見ている取引先の印象もプラスに変化します。
置いた時に自立するカバンの方が正式なの?
素材や色、大きさを重視して選べばいい手に持って使うフォーマルな形であれば、自立するかどうかを気にすることはありません。そもそもカバンを地面につけることは、ビジネスマナーではNGな行為。自立しなくても問題ないのです。
カバンの機能はやっぱり大事?
使いやすいカバンはいいのですが、そればかりを重視すると外見が二の次になり独善的に見えてしまいます。外見はオシャレで中は機能的だとスマートです。
カバンがナイロン製のものならば、最初に汚れ防止に防水スプレーを忘れずにしておきましょう。革の場合は靴と同じようにまずは保湿ケアをしてあげます。
雨でカバンが濡れた時はどうすればいい?
濡れたカバンは、まず水気を拭き取ります。ナイロンはそのまま乾かします。革の場合は水気を拭いたらついた汚れをクリーナーで落とし、靴用でないロウ分の少な乳化性のクリームを使って、保湿のケアをすることで長持ちします。
カバンにカビが生えてきた時の対処法は?
カバンにカビが生えたら、早めにカビを拭き取ります。拭き取った布は捨て、使いまわさないようにします。その後でアルコール系等の除菌クリーナーで除菌し、よく乾かします。革靴のケアも参考に。
カバンのパーツが壊れた場合は直せるの?
カバンの取っ手や留め金などのパーツが取れてしまった場合は、カバンのリペアを扱うお店に頼みましょう。壊れ方にもよりますが、付け替えに対応してくれます。
革のカバンはどうお手入れする?
革のカバンも革靴と素材は同じなので、お手入れの基本は変わりません。水拭きして大丈夫ですし、汚れはクリーナーで落とせます。定期的にロウ分の少ない乳化性のクリームで潤いを与えましょう。
丈夫な素材で多少の汚れは平気
ナイロンは丈夫な素材で汚れにも強いので、普段は軽くブラッシングしてホコリを落とす程度で大丈夫です。汚れもシミになりにくいので水拭きでほとんどの場合落とすことができます。
普段からしておくケアはある?
特別なケアはいりませんが、カバンは自分の印象を左右するで、ホコリだらけだと相手にも礼になります。乾いた布で表面を拭き、きれいな状態にしておくことは必要です。
中にジュースをこぼした場合の対処は?
中にジュースなどをこぼした場合は、残っている汁気を取ってから、水拭きして落とします。
革は型崩れに注意すべし! 置き方に関しては気にしなくてOK
部屋でのカバンの置き方ですが、特に気にする必要はなく、床に直に置いてしまっても問題ありません。ただし、革製のバッグの場合は、型崩れのおそれもあるので、壁に立てかけるようにして置くのがベストです。
なるべく重みが分散するように
カバンを支柱に引っ掛ける際、細い支柱にかけるとカバンの重さが取っ手に集中し、傷む原因となります。太めの支柱にかけるか、2カ所にかけて重さを分散するようにします。また、かける時は中身を抜いてカバンを軽くしておきます。
フックなどにかける場合も、中身を抜いてカバンを軽くしておくこと。特にハンドルが革製なら要注意だ
湿気と日光はカバンの大敵!
置き方には特に決まりはない一方、置き場所には注意が必要です。風通しがよく、直射日光が当たらない場所を選びます。特に革製品は湿気を嫌うので、注意しましょう。また、直射日光が当たると変色や変質の原因ともなります。
革も呼吸している。通気性がよくないとカビが生えることも
箱にしまう際は、ビニール袋など通気性の悪いものに入れるのはNGです。湿気がたまり、最悪カビが生えてしまいます。薄紙など余計な湿気を取るもので包んで入れましょう。
しまいっぱなしはNG! メンテを怠ると寿命が一気に縮む
特に革製品の場合、蒸れだけでなく、乾燥によるひび割れなどのおそれがあるので、3カ月~半年に1回は、しまってある箱や袋から出して、保湿用にクリームを塗るなどのメンテを忘れないようにします。
傘やペットボトルを挟む人もいるが……実はNG。
傘やペットボトルなどを持ち手とカバンの間に挟む人を見かけますが、ビジネスシーンではNGです。見た目も悪いですし、カバンも傷めてしまうおそれがあるからです。
ムダなものは持ち歩かない習慣をつける
バッグにいろいろと詰め込むのは、見た目もよくない上に、バッグの型崩れを引き起こし、バッグの寿命そのものを縮めるのでやめた方がよいです。
必要最低限のものしか持ち歩かないようにすれば、バッグの中身もスッキリ
プライベート使用ならOK
ビジネスバッグにショルダーベルトを通して、肩からかけることは、ビジネスマナー的にはおすすめできません。急な荷物ができてしまった時などの緊急時以外は使わないようにします。
スーツの傷みや型崩れにもつながるので、ショルダーベルトを日常的に使うのはやめておいた方がよい
許容範囲とされてはいるが……
ビジネスマナー的にはNGですが、椅子に置く機会は頻繁にあるので、許容範囲ともいえます。ただし、その場合でも、カバンの底が椅子に触れないようにします。
※カバンの底が椅子に付くのはNGなので、直接付かないようカバンを横にして置くなど配慮をする
メンズファッションブランドナビ編集部
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