「審美眼」。─それは、違いがわかる大人の男なら備えておきたい資質の一つ。
選択肢が無限であればこそ、素材選びからディテール、使い勝手を含めた“意匠”にこだわり、自らの「眼力」の鋭さを実証したい。
三越伊勢丹「鞄・革小物バイヤー」
井波 亮さん
1750年の創業以来、熟練の職人による変わらぬ製法で英国の最高峰ブランドとして名を馳せる同社。
独特の光沢を持つブライドルレザーは使い込むほどにツヤを増し、重厚な雰囲気を醸し出す。クラシカルな錠前や緻密なステッチワークなど細部にも抜かりはない。
50年代のポストマンバッグをモチーフとした独特な形状のブリーフ。
ソフトな風合が愉しめる牛革のボディとテンピュールの柔らかなハンドルなど、随所にその個性が光る。ヴィンテージ加工を施した金具などディテールワークも秀逸。持ち手の個性を際立たせる鞄と言っても過言ではない。
世界でいち早くコンビカラーの財布を提案するなど、伝統的な製法と洗練されたセンスで名高い同ブランド。
大きなフラップが特徴的なブリーフは、ブライドルレザーの堅牢性に加え、ショルダーストラップを兼ね備えて実用性も高い。英国王室の名だたる面々が御用達なのも納得の名品である。
創業者のヤーコブ・オファーマンがタンナー(皮革製造業者)であったことから、上質な革使いには定評がある同ブランド。
3桁のダイアル錠やスクエアなフォルムなど、独ブランドらしい生真面目さが窺い知れる。シャープな着こなしに映える様はまさに男のための鞄と言えよう。
靴産業の聖地・ノーザンプトンで生まれた同ブランドは、決して伝統におもねることなく、次々と独創的な製品を生み出している。
「ウルトラライト」と呼ばれる本製品も、使い勝手を考慮した驚きの軽さと耐久性を兼ね備える。流れるようなハンドルのデザインも印象的。
バッグデザイナー・雪野雅彦氏とUAとのコラボレーションから生まれた同ブランド。
「用の美」をテーマに掲げるだけあり、180度開閉する開口部や豊富なポケットなど、ユーザビリティに配慮したものづくりが嬉しい。誠実な価格設定も含めニッポンの技術力を感じさせる銘品。
ルイ・ヴィトンやボッテガ・ヴェネタなど数多のビッグメゾンのOEMを手掛ける同ブランド。
熟練の職人による自社一貫生産がハイクオリティと抑えた価格設定を可能にしている。大きく開く間口など使い勝手の良さに加え、上品かつ色香のある紅色が何とも美しい。
昨今のトレンドに伴い、日本でも抜群の知名度を誇る同ブランドが手掛けたクラッチがこちら。
海外の洒落者の間では定番とも言えるアイテムを、クロコの型押しというアクの強い素材を使い上品に仕上げた。その存在感はまさに大人の男に相応しい逸品と言える。
上質なブライドルレザーを使った伝統的なものづくりで知られる同ブランド。
一見普通のクラッチに見えるが、伸縮可能な持ち手によってブリーフとしても使える変り種。ギミックを用いながら品の良さを損なわないのは、素材とデザインの質の高さの賜物に他ならない。
シンプルな封筒型のデザインと、シボ感を活かした素材使いが印象的な一品。
背面のファスナーを使えば直接内部にアクセスできるなど、使い勝手を考慮した構造は日本のブランドならでは。物を入れないときはラフに丸めて持つことで、また違った表情が楽しめる。
強度・密閉性・耐久性に優れ、歴代の大統領が機密書類を運ぶケースとして同ブランドを選んだことはよく知られた話である。
耐衝撃性素材を用いた同製品はその堅牢製に加え、脅威の軽さを実現した新作。TSAロックも標準装備でまさに新定番と呼ぶに相応しい。
同ブランドが2000年に世界で始めて開発したポリカーボネイト製のケース。耐久性と柔軟性を兼ね備え、軽量で取り回しにも優れた、実用性の高い鞄と言える。
マットなボディに刻まれたリブは強度を高めるとともに、ソリッドな雰囲気を醸し出すのに一役買っている。
同ブランドの代名詞であるヴァルカン・ファイバーを使ったトロリー。使い込むことで増す味わいや、充実したリペア体制など一生物を前提とした鞄である。
終わりのない“利便性”を追い求めるより、崇高な“文化”や“歴史”を大切にしたい。そんな大人のための逸品と言える。
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メンズファッションブランドナビ編集部
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