「色落ちにくい&美しく色落ちさせる」2種類の洗い方を、洗濯のプロが伝授!
デニムの洗い方には、諸説あるから、いったいどうするのが正しいのかよく分からないままになっている人も多いはず。
そこで、デニムの取り扱いにおいてもっとも信頼できる方に正解を教えてもらいました!
ベルベルジン店長「藤原 裕」さん
1999年からベルベルジンで働き始め、今やヴィンテージ界の顔的存在に。ワールドフォトプレスから出版された『THE 501 XX A COLLECTION OF VINTAGE JEANS』では監修を務めた。
今回、ベルベルジンの藤原さんが伝授してくれた洗い方は、自身が所有する貴重なヴィンテージを洗ってきた経験から導き出されたもの。「ニューヨーク発のファブリックケアブランドがデリケートな衣類用に開発した洗剤を
使うし、つけ置き洗いするし、という優しさがウリ(笑)。
脱水する際のセッティングにもちょっとしたコツがあります。洗濯機がドラム式の場合は、ネットにジーンズを入れてから脱水してくださいね。つけ置きから脱水時にかけては摩擦、乾燥時には日焼けを避けたいのですが、そ
のためにはデニム生地を裏返しておくことが必要となります」
新たにリジッドデニムを購入した際は、いったん水を通して縮ませ、フィットさせた後に再び糊づけするのがポイントだとか。そうすることで腿のヒゲやひざ裏のハチノスの型がキレイに決まるようになる。2年ほどはき続け
てから藤原式で洗えば、この上なく美麗な色落ちが実現する。
【1】大きめの洗面器に水を張る
デニム地を傷めることなく汚れを落とすためにオススメなのが、つけ置き洗い。まず、ジーンズがしっかりとつかるサイズの洗面器またはバケツにキレイな水を入れて。
【2】デニムを優しく洗う洗剤がキモ
次に洗剤を入れ、手で軽くかき回して水に溶かす。藤原さんが「優しく洗うにはコレ!」と教えてくれたのは、〈ザ・ランドレス〉の「デリケートウオッシュ」という洗剤。
【3】ジーンズを水につける
ジーンズを裏返しにしてから水の中に。軽く揉むようにして全体を水につけた後、そのまま30~40分ほど置いておくだけでOK!
【4】水を替えてジーンズをすすぐ
つけ置きが終わったら、新しい水に入れ替えてすすぎの工程に移りましょう。ゴシゴシとデニムを擦りあわせたりするのはNGだ。優しく揉みながら、丁寧に洗剤をすすいで。
【5】洗濯槽に巻きつけて脱水
脱水は、洗濯機の脱水機能におまかせ。脱水中にジーンズが洗濯槽に叩きつけられてしまうのを防ぐために、ぐるっと巻きつけるようにしてからボタンを押すのが秘訣。
【6】通気性の良い場所で陰干し
干す際の場所は、風通しのよい日陰を選ぼう。強い直射日光は生地を傷めるし、湿気が多くて乾きが遅いと雑菌が増殖する要因になります。
原宿で約20年の老舗ヴィンテージショップ。
原宿を代表する名店。1890から1966年までの501 XXを集めた著書『THE501 XX A COLLECTION OF VINTAGE JEANS』(ワールドフォトプレス刊)は、藤原さんの渾身作だ。
カミヤクリーニング「神谷トモノリ」さん
シミ抜きを得意とする創業70年同店の三代目。デニムのクリーニングを多数扱うデニムクリーニングのプロフェッショナル
デニムを洗濯機で洗うとどんどん色が落ちていくもの。その変化も楽しいですが色落ちさせたくないものもあるはず。洗えば少なからず色は抜けてしまいますが、そのスピードを遅らせることはできます。
それは洗濯機を使わず水で手洗いする方法。大きめのタライか洗濯槽を使い、ポイントは水に洗剤と塩を入れること。塩にはデニムの色落ちを抑える効果があります。つけ置き洗いと2度のすすぎは洗濯機より手間ですが色落ちしにくくなります。
▼使うもの
汚れをチェック
洗濯の前に汚れがないか裾とポケットをチェック。次に濡れた雑巾で目立たないところを拭いて色落ちテストをします。雑巾に色がつくのは色落ちする証拠。
気になるところを部分洗い
本洗いの前に汚れているところは落としておく。汚れの範囲に合わせてタワシと歯ブラシを使い分けましょう。
浴槽で洗う
大きなタライがなければ浴槽を使います。水をはって、洗濯用洗剤を入れたら大きめのスプーンで塩を約7杯たっぷり入れる。
洗剤と塩をまぜる
洗剤とデニムの色落ちを抑える効果がある塩を手を使ってよくまぜておく。
つけ置き洗いをする
デニムが浮いた状態で10~15分つけ置き洗いをする。つけていると色が出てくるが洗濯機より色は出ません。
水を入れ替えてすすぐ
すすぐ前に、つけ置き洗いが済んだら塩を使っているのでなるべく余分な水分をしっかりしぼるとすすぎが楽になる。
すすいだら一度引き上げる
デニムを引き上げるとすすいだ水に色が出ているのがよくわかる。よくしぼって水を入れ替えてもう一度すすぐ。
すすぎの目安は2回
すすぐときは水の中で20回ぐらい上下させる。すすぎが終わったらしぼって風通しを考えて2本のハンガーで干す。
パンツを干すときは、裏側を長めに
デニムは生地が厚いだけでも乾きにくく、裏側にあるポケットはもっと乾きにくい。表側よりも裏側を干す時間を長くします。また、干すときは2本のハンガーを使って風の通りをよくしましょう。
メンズファッションブランドナビ編集部
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