ヘア&メイクアップアーティスト・石川ユウキさん
理由は鋭角的なラインで光をコントロールすることで、洗練された印象に仕上がるから。女性のようなふわっとした丸みを描くのではなく、直線的に、シャープに肌を重ねてつくるのがメンズメイクの基本だ。
黄みを含む下地&クリーミーなコンシーラーを選択。
2.肌なじみがよく、色ムラの補正からハイライト効果までマルチに使える。
NARS / ラディアント クリーミーコンシーラー 1245 \4,180
塗りは“雑”なくらいでちょうどいい。
三角形で塗る意味はもうひとつ、塗らない部分ができること。素肌の赤みなど多少のアラを残すことで自然な印象に仕上がる。1の下地、2のコンシーラーとも肌にのせたら、外に向かって指ですべらせるようにのばす。
男性のメイクにおいて骨格感を生かすことはマスト項目。女性のように色味や質感を強く効かせないぶん、陰影が大事なファクターとなる。入れる部分は「輪郭」「眉頭の下」「あごの下」の3つのポイントを押さえよう。
肌に溶け込み、自然な立体感をメイク。
ブラシで輪郭をなぞるようにのせる。
3のダークシェードをブラシにとり、輪郭上をすべらせるようにオン。続いて、眉頭の下とあごも、細めのブラシでとってスッとのせる。元の凹凸を生かし、不自然さを感じさせないナチュラルな陰影を仕込む。
目元の印象を強めて凛々しく見せていくには、ライン感が欠かせない。特にくっきり見せたいのは「眉の下」。ここをしっかりと描くことで印象が引き締まる。さらに眉と同じ色のパウダーで目下、目上に影を足す。
肌なじみのいいライトブラウン。
5.絶妙な濃淡グラデーションのブラウン。しっとりと肌になじんで、洗練された印象をつくり出す。
ケイト / デザイニング アイブロウ 3D EX-4 \1,210
細かいストロークで繊細にメイク。
眉下のラインを4のペンシルで強調し、眉全体に丸筆で淡く5のbをのせ、眉上をペンシルで1本1本描く。上はくっきりさせずぼかすと自然に仕上がる。目元は目のキワを5のaで締め、目の下を目尻から目頭に向かって5のb+cをミックスさせて丸筆で淡くのせる。
ぼやけた唇の形をはっきりさせることで、口元が引き締まり、シャープさが増す。顔全体の印象が力強く、ナチュラルなメイクの中にメリハリが出て男らしさもアップ。ラインと色味をそれぞれ2ステップで描こう。
くすんだ赤みベージュが使いやすい!
7.高発色スフレ処方でナチュラルな仕上がり。メンズが最初に持つリップとしてもおすすめの一品。
ケイト / リップモンスター スフレマット M02 \1,650
唇の山をきれいになぞる。
まず6のリップペンシルで上唇の山を描き、口角へとつなげる。下唇も輪郭に沿ってラインを引いて形づくる。続いて、7のマットな質感のリップで唇の上下を塗って色味と質感を整える。最後に必ずティッシュオフをしてなじませることが大切。
最もメイク感のないナチュラルメイクはさじ加減が重要。肌も目元も軽やかさがマストだが、それだけでは印象が薄いため、眉と口元にラインを効かせ引き締め感を与える。
下地&コンシーラー、シェードで軽やか立体肌
ファンデは使わず、下地とコンシーラーで肌を整え、眉頭の下、輪郭、あご下にポイントでシェードを入れて自然な陰影を演出。この肌作りをメンズメイクの基本としてマスターしたい。
パウダーで陰影を仕込んだ自然なブラウンアイ
眉パウダーをアイシャドウとして使うことで難しくなく、目元全体の調和がとれる。アイシャドウはきっちり描くというよりもふんわりと影を足すイメージでのせると自然な仕上がりに。
ペンシルできちんと縁取る端正ベージュ
ナチュラルさの中に男らしさを感じさせるにはリップがポイント。くすみ系カラーのペンシルで縁取り、色味はやさしいが、ラインはしっかりを狙いたい。ここで顔に強さを忍ばせる。
やさしく甘い顔といえば、やはりわかりやすいのがピンクやローズなどの赤系の色。これをきれいに発色させて透明感を感じさせるには全体の明るさが欠かせない。メンズ特有の濃く太い眉をマスカラでトーンアップしてからメイク開始。
自然なツヤと立体感を与え、淡いピンクを効かせる。
2.眉の毛流れにフィットする独自アプリケータ-。なめらかなツヤと立体感を演出。
ベアミネラル / ストレングス&レングス セラム インフューズドブロウ ジェルハニー \3,520
目尻1/3に締め色をのせる。
1のaを眉全体にふんわりと軽色をのせ、2のマスカラで明るくして眉の存在感を消す。さらに1のaを黒目の上のみにのせ、血色感を与える。同色を下まぶたの目尻1/3にオン。同じ色を使うことでまとまりよく。
男女問わずかわいさを強調するには縦の幅を出すことが大基本。反対に横に幅を出すとクールな印象になる。そこで今回は縦にアイシャドウをのせていくが、下はライトカラー、上はミディアムカラーと濃淡を変えて深みとニュアンスも加味。
鮮やかな発色とさまざまな質感を楽しめる!
下まぶたのライトカラーでピンク色を際立てる。
先にコンシーラーで黒目の下をカバーしておく。3のaを下まぶたの目頭2/3にのせて透明感を出す。これによりメソッド1の締め色が効く。上まぶたの目尻側のアイホール1/2には3のaとbをふんわりとオン。
ナチュラルメイクではリップはペンシルで輪郭を縁取ったが、こうすると強さが生まれるもの。反対に輪郭をぼかすと強さが和らぎ、やさしい表情になる。リップの色味は目元のピンクとのバランスを考え、オレンジカラーを選択。
アーシーなオレンジはメンズも使いやすいなじみ色!
筆でトントンとスタンプ塗り。
コンシーラーを筆に取り、唇の輪郭のやや内側はみ出すようにのせてぼかす。上下とも行い、内側にリキッドリップで色と質感を発色させる。4のマットオレンジをチップに取り、左右に往復させてたっぷりと塗る。
ファンデーションを最後に使う理由はやりすぎを防ぐため。最初に肌をつくると、どうしても完璧にしようと厚塗りになりがち。今回ファンデは脇役。アイメイクを引き立てるために、目元周辺のゴーグル状にのせて明るさを一段アップ。
“水つや”で透明感ある肌に
クッションファンデを内外にポンポン。
5のクッションファンデを含ませ、軽く上から押し当てるようにしながら、顔の中心から外側に向かって塗り広げる。全顔塗る必要はなし。ゴーグルライン状を意識して明るさがほしいところのみでOK。
スキンケア成分が叶える
フェミニン顔の主役は色。赤み系の目元とリップで華やかさを盛るが、トゥーマッチにならないよう、ラインをぼかし、肌と眉は軽やかに仕上げるのがキモとなる。
クッションファンデを部分のせした水ツヤ質感
軽やかでみずみずしい印象を狙い、使うのはクッションファンデ。それを目元を囲むゴーグルライン状のみにのせていく。ここではファンデは目元の色を引き立てるためのものと意識。
アイシャドウ2色を縦に重ねる華やかテラコッタ
オレンジみを含むピンクシャドウでしっかりと主張しつつも肌なじみよく。縦に重ねることで目を大きく見せ、甘さを投入する。さらに眉はバランスを考えて明るいブラウンが正解。
ティントリップをラフに塗る透け感オレンジ
ほかの2つのイメージとは違い、リップメイクはとことん抜けを求める。ライナーは使わず、ティントをポンポンとのせて、あえてのムラ感を。色は透け感のあるオレンジをセレクト。
クールな雰囲気には目元の強さが欠かせない。となると、眉は必然とくっきりラインを描くことになる。ペンシルで輪郭を縁取り、眉尻の長さを足していく。やりすぎた印象を防ぐため、眉頭は透明マスカラのみに留めるのがポイントだ。
自眉に自然となじむ色味とツヤを選択。
2.ラメ入りの透明ジェルが眉にツヤと立体感をプラス。
msh / ラブライナー シグネチャー フィットシェイパー〈アイプロウ〉シャインクリア \1,320
ラインと抜け感のメリハリを意識。
自眉に近い1のグレイッシュなブラウンのペンシルで眉頭を外し、ラインを描く。黒目の外側から眉尻にかけて徐々に濃くし、強さを出す。続いて眉頭のみ、毛流れを整え、ツヤを与えるよう、2の透明マスカラをのせる。
フェミニンでは縦に幅を出すことでかわいくなると解説したが、今回はまさにその逆。横幅を出す、つまり切れ長な目元を作ると印象が強く、シャープに仕上がる。濃いめブラウンをスッとはね上げるようにして目尻に描いていく。
メンズも使いやすいツヤ&マットの絶妙質感。
目の上下のキワにごく細く繊細にオン。
3のaの濃いブラウンを平筆に取り、目の上と下のキワに沿ってオン。目の下は目頭~黒目の外側までのせ、目の上とつなげずに抜けを作る。最後に目頭を筆の幅分をはみ出すようにしてはね上げ、切れ長のラインに。
今回使用するのは、パウダーファンデ。皮脂浮きやテカリのない涼やかな肌印象を狙う。そのため、のせるのはほおとTゾーンのテカリやすい部分のみでOK。四角形を意識することで立体感と鋭角的な印象がもたらされ、より端正さが増す。
端正な肌を叶える下地&ファンデ。
5.なめらか肌を長時間キープ。
MAC / スタジオフィックス パウダープラス ファンデーション NC40 15g \4,900
ブラシでひとはけ。あくまで補正しすぎない。
4のプライマーで額やあご先などのテカリが気になる部分を抑えてから、5のパウダーファンデをオン。太めのブラシでサッとのせ、ハーフカバーで十分。カバーしすぎると中性的な雰囲気に傾くので男らしさを残すため、軽くまとわせるイメージで。
眉もリップも共通するが、「ラインがはっきり=クールな印象」「ラインがふんわり=やさしい印象」になるもの。今回のテーマにはラインはくっきり描きたい。ただし、抜け感は必須。内側はきっちり塗り込まずにササッとのせる程度でOK。
リフト感のある仕上がりでワンランク上のヌード唇に。
ライナーをラフに左右にすべらせる。
今回は目元を引き立てるためのリップメイクを意識。ヌーディな肌なじみのいい色を選びたい。6のペンシルライナーで、まず上唇の山をはっきりと描いてから、口角へつなげ、下唇も縁取る。同じペンシルで内側を塗る。多少塗りムラがあるくらいで◎。
クールな印象のキーワードはズバリ、マット肌と切れ長の目元。ともすると、メイク感が強くなりやすいのでどこを抜くか、“抜きどころ”をしっかり押さえておきたい。
下地&パウダーファンデで作り出す洗練マット肌
端正な肌を作る際に重宝するのがプライマー。最初に毛穴や皮脂、テカリを抑えておくことで後からのせるファンデの質感が生きる。ファンデはブラシでサッとのせてハーフカバーでOK。
アイシャドウでていねいに仕立てた切れ長ブラウン
ブラウンシャドウをアイラインのように細くキワに沿わせる。さらに目尻にはね上げるようにして横の長さを足す。眉も同様に、眉尻を長くラインを引き、目元全体にモードさを加味。
ライナーできちんと&ラフに描くヌーディリップ
ここでのリップの役目はほどよい血色感と立体感を出して、目元を引き立てること。シャープさに強さは必須のため、輪郭はきっちり描くが、に塗る。メリハリがポイントだ。
メンズファッションブランドナビ編集部
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