世界のアウトドアブランドを網羅!
国別(アメリカ・日本・イギリス・イタリア・・フランス・北欧「スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・デンマーク」スペイン等、世界中のアウトドアブランド200選を一挙公開。
各ブランドは歴史&名品ギアとともに紹介しています。
【国別】アウトドアブランド一覧
■アメリカ(68選)
■日本(43選)
■北欧 スウェーデン(13選)
■北欧 フィンランド(3選)
■北欧 ノルウェー(2選)
■北欧 デンマーク(1選)
■ドイツ(15選)
■フランス(8選)
■スペイン(3選)
■ニュージーランド(3選)
■イギリス(9選)
■イタリア(14選)
■オーストラリア(2選)
■オーストリア(1選)
■カナダ(3選)
■スイス(4選)
■ポルトガル(1選)
■韓国(1選)
■香港・中国(3選)
■南アフリカ(1選)
■イスラエル(1選)
国:アメリカ 創業年:1997年
ウール復権を担った新世代のニットブランド
持続可能な天然素材
“アイベックス誕生のきっかけは、創業者のふたりがより快適なウエアを求めたことにある。
ウールを選んだ理由を、ジョン・ファーンセルはこう答える。「見栄えのよさではなく、素材として機能的であり、持続生産可能な天然素材だからです。『これだ!』という確信がありました」
ウールは保温性が高く、天然の調湿効果や防臭効果にも優れるが、同社創業当時は、化繊素材の台頭に押されて「忘れられつつある素材」だった。彼らの先見がいかに正しかったか、ウール製品が市場にあふれる現在、それは検証するまでもないことだろう。
使用するのは、ニュージーランド政府公認の機関が認める高品質メリノウールのみ。上質の素材に加えて、縫い目を平らにして着心地をスムーズにするフラットロックシームや、特殊な織り機を使用して作るシームレスのウエアなど、最新技術の導入にも積極的だ。最先端のウールウエアが、ここにある。”
ウーリーズクルー
定番アンダーウェア。しなやかな質感を備えるニュージーランド産スーパーファインメリノウールを使用する。\8,000
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国:アメリカ 創業年:1981年
磨きぬかれた実用性を生み出す「野外研究所」
止まらない進化
“大学を卒業したロン・グレッグは、マッキンリーで友人が重度の凍傷に冒される現場に立ちあう。幸い、友は救助され一命は取りとめたが、その事故はロンに爪痕を残した。凍傷の原因はゲイターとブーツの間に入りこんだ雪。彼はその悲劇を繰り返さない方法を模索し、ブーツにぴったりフィットすることで雪の進入を遮断し、断熱効果の高い「Xゲイター」を作り上げたのだ。
翌1981年、彼はゲイターをもとに会社を設立する。科学者志望だった青年は自社を「アウトドア リサーチ(研究)」と名づけた。
その後も防寒グローブ「モジュラーミット」「ブルックスレンジャーオーバーブーツ」など、クライマーのための道具を作り続けた。そして1986年、大定番のレインハット「シアトルソンブレロ」を誕生させている。ロンの死後、あとを継いだ現会長ダン・ノードストロームはアパレル部門をさらに拡張、ユーザーやサポートアスリートの声が直接、開発チームに届くシステムを構築するなどして、新しいOR像を作り上げ進化を果たしている。”
クロコゲイター
ゲイターから始まった同ブランド。その技術の粋を継承したモデル。雪の侵入を許さない細部の作り込みに、ロンの魂が宿る。\9000
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国:アメリカ 創業年:1990年
山岳地を得意とするスノーシュー
得意とするのは「登山」
“1990年にサンフランシスコで創業されたアトラス。伝統的なスノーシューは平地での歩行のために作られたものだが、スタンフォード大学に在籍していた創業者のペリー・クレバーンはスノーシューを登山用ギアとしてとらえ、シェラネバダやコロラド山脈など急峻な山岳地帯でも使えるものを目指した。いまや革新的なテクノロジーによって18もの特許を取得、業界をリードする存在だ。
アトラスのスノーシューの特徴は、最新テクノロジーとマテリアルを積極的に採用していること。とくにバインディングの着脱のしやすさ、独自のスプリングローデッドサスペンションによる歩行性のよさには定評がある。なかでも注目は、その機動性で評判が高かった「サミットシリーズ」の後継機種、アスペクト。1990年代の発表以来、急峻な雪面をハイクアップするバックカントリースノーボーダーから愛され続けている。”
スピンドリフト24
同社最高レベルのバインディングを装備し、ハードなバックカントリーでも安定した雪上歩行を可能に。\32,000
国:アメリカ 創業年:2003年
徹底的に履き心地を重視し、進化しつづける高機能クライミングシューズ
「シャーマン」の登場で一躍トップブランドに
“フリーのトップクライマー、クリス・シャーマとのコラボで開発された高性能シューズ「シャーマン」は、2011年の発売と同時にイボルブのフラッグシップモデルとなった。このシューズによってシャーマを、スペインの高難度ルート・マーガレフ登攀成功に導いたことが、話題を呼んだのだ。
2003年創業からわずかの間に、アメリカ国内のクライミングシューズのシェアのMIに躍り出たわけは、常に最高品質を求めて追求してゆく姿勢が評価された結果だろう。
とくに、ソールに使われる同社の「トラックスラバー」は、最高のフリクションと、減りが少ない高い耐久性の絶妙なバランスを持っているといわれる。イボルブの基礎をなしたのは「デファイ」というモデル。初心者にもなじみやすく上級者にも充分手応えを感じさせ、しかも低価格で提供していることで、クライミング界の支持を得た。”
Defy VTR
イボルブを代表する製品。低価格ながらも、リソールの耐久性も高く、幅広い人気を誇る。\15,550
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国:アメリカ 創業年:1999年
人間本来の機能を引き出す5本指ソックス
ベアフットへの回帰
“読売巨人軍に在籍していた松井秀喜選手が、大リーグ・ヤンキースに移籍した際に日本から持参した五本指ソックスが当初現地選手たちの失笑の的となったものの、次第にそのよさに気づきみなに広まっていったというのは有名な逸話だ。
同時に、近年の米国ではスニーカーなどのクッション性の高い靴を履くことで人間が本来備えているはずの足の緩衝機能が損なわれてしまうという危惧から、ベアフット・ランニングと呼ばれる素足に近い状態で走ったり、歩いたりすることの効用が注目されている。そこで俄然注目されることとなったのが、もともとは船の上で履くデッキシューズとして開発されたビブラム「ファイブ・フィンガーズ」であり、インジインジの五本指ソックスであった。
そもそも、人間の足には適切なバランスや姿勢、安定性、握力を容易にするために足の指があるのだが、普通の靴下を履いていると、この機能が阻害されてしまう。インジインジの五本指ソックスは、これを解決するために生まれ、足の指の動きを活発に、より器用に、より触覚に敏感にするのだ。”
アウトドア・クォーター
オーストラリア産のメリノウールでできたハイキングやトレイルランニングなどに最適なモデル。素材の特製で、抗菌防臭機能、温度調節も備える。\2000
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国:アメリカ 創業年:1922年
精密管の製作技術とユニークなアイディア
高い技術力で登山界をリード
“独自の高い技術力でエンドスーザーを唸らせるイーストン社は、1922年にカリフォルニア州ワトソンヴィルで木製の弓と杉の矢を制作したことから始まった。1933年にアルミ製の矢を作り始める。精密管製造の高い技術によって、1967年には航空宇宙産業向けの精密管財を製造。地震計を覆う熱被覆はアポロ月面着陸の際に使用された。2年後にはソフトボール用金属バットでスポーツ用品業界に参入し、テントポールの製造で登山業界に参入したのは1976年である。
イーストンの真髄は、他社が真似できない高強度で軽量なアルミとカーボンファイバーのポール製造技術。数十年にわたる経験と品質へこだわり、飽くなき新技術への挑戦が、先駆的ブランドとしての地位を揺るぎないものにしている。登山用品の製造に必要なすべての電力を風力発電でまかなうなど、製造過程においても確固たる信念が貫かれていることも見逃せない。”
Kilo 1P
生地やストラップまで最先端技術を駆使して徹底的な軽量化を計ったソロ用テント。わずか846g。\55,000
国:アメリカ 創業年:1970年
欧州産ホワイト・グースダウンにこだわるダウン製品専門ブランド
空気のような軽さ、温かさ
“世界有数のダウン製品専門メーカーとして知られる同社は、ふたりの若者がカリフォルニア州サンノゼで寝袋を手作りし始めたことからスタートしている。
以来、40年以上にわたり個人経営による営業が続けられ、設立当初の理想と経営理念を現在まで変えることなく引き継がれている。サンノゼにある自社工場内では、今も製品が手作りされる。ダウンのなかでも最も高品質とされる欧州産ホワイト・グースダウンにこだわっている。空気をまとうような軽さ、温かさは他に変えがたい存在だ。”
ウルトラライト(寝袋)、フラッシュジャケット
同社製品に使われるのは、850FPを超える欧州産ホワイト・グースダウン。写真のジャケットは、必要最低限の保温性を求めた軽量モデル(\35,700)、寝袋は-7℃までに対応する(\48,000)
国:アメリカ 創業年:1830年
自社で一貫生産する信頼の毛織物
“ジョン・リッチ2世がウール製品を生産するアメリカ初の毛織工場「ジョン・リッチ&ブロス」を建設したのがはじまり。馬車で生地を売り歩くところからはじまり、ソックスやひざ掛けなどの自社製品を開発。その高い品質は、多くの開拓者たちの評判となる。
その後、南北戦争中は、北軍のためにブランケットを製造。のちに現社名に変更し、ハンティングやワークウェアを中心とした製品を作る。やがてアメリカ社会において原料から製品までの一貫生産を行なえる会社として認知されるように。アメリカのライフスタイルに根ざしたアイテムを提案している。”
マウンテンジャケット
街仕様にも最適なスタイリッシュなゴアテックスウェア。\69,000
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国:アメリカ 創業年:1896年
世界一長持ちする電池。水銀ゼロで耐低温性にも抜群のパフォーマンス
安全確保はエネルギーから
“山登りの基本装備であるヘッドライト。手が自由になり、暗い場所を明るく照らしてくれる。使用頻度も高く、それに比例して重要度も高い。文字通り生命線となるのが、電池寿命だ。
水銀電池、マンガン電池、アルカリ電池と時代とともに移り変わり、今はリチウム電池の時代。電池寿命はその間に格段の進歩を遂げてきた。
エナジャイザーは、1989年に世界で初めて水銀を使わずに安全かつパフォーマンスの高い乾電池を開発し、以来ライセンスを世界に供与。それにより産業界での水銀使用量を飛躍的に削減し、環境にも大きく貢献してきた。”
単3形リチウム乾電池
従来のアルカリ乾電池の8倍長持ちし、重さも約2/3に。-40℃までの低温にも耐えられ、飛びぬけたパフォーマンスを発揮する。
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国:アメリカ 創業年:1968年
世界のマウンテンギアを牽引してきた質実剛健であり、先駆的な米国ブランド
「世界初」が多いブランド
“創設者ラリー・ペンバーシーは、1969年クライミング用品の安全性と信頼性の研究のために、MSRを創設した。つまりMSRとは、マウンテン・セーフティ・リサーチの頭文字をとって名づけられた名前だ。
クライミング道具の不具合をクライマーに聞き取りし、その改善点をメーカーに伝え、より安全なギーア作りのために、ユーザーとメーカーをつなぐ。
と同時にペンバーシーは、道具も作り始めた。1970年にはアルミ製シャフトを使った初のアイスアックス、「Eagleアイスアックス」を世に送り出す。圧巻だったのは、1973年に発売された登山用ストーブ「モデル9」だ。登山用としては、初めての分離型液体燃料ストーブで、軽量でコンパクト、かつ高所で故障が少なく高火力を維持するストーブとして世界中に広まった。この「モデル9」の技術を引き継いで誕生したのが、1984年に発売された液体燃料ストーブの代名詞ともいえる「ウィスパーライト」というわけだ。
これ以降も画期的なアイディアとチャレンジ精神で、いくつもの革新的ギアを発明してきた。
例えば、世界初の自転車用へルメット、世界初のリチウムイオン電池使用のヘッドライト、一体成形型のスノーシュー、活性炭とセラミック技術を合わせた浄水器などなど。MSRは世界の山登りに最も影響を与えたブランドのひとつだ。
これからもワクワクさせる物作りを続けていくに違いない。”
ウィスパーライト インターナショナル
世界中の登山家に愛用されるマルチフューエル対応のストーブ。部品の数が少なく、野外でメンテナンスできる点も人気。\12,000
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国:アメリカ 創業年:1912年
森を歩くブーツから多彩なアイテムがそろう総合ブランドに
始まりは狩りで使う靴
“創設者が趣味のハンティングで使うブーツをより機能的にした「メイン・ハンティング・シュー」を考案し、地元の仲間や他エリアのハンティング愛好家に販売し始めたことがブランド創業につながった。このシューズが現在の「ビーン・ブーツ」のルーツ。また、冷蔵庫が普及してなかった1940年代、冬に蓄積した自然の水を保冷材として家に運ぶバッグとして「アイス・キャリア」も開発し、これが人気モデル「ボート・アンド・トート・バッグ」の原型になった。
シューズ、ウエア、バックパックやアクセサリー類など、扱う製品は多岐にわたるが、いずれる機能的で耐久性に優れていることを重視。品質に自信を持ち、顧客のアフターケア体制がしっかりしているのも創設者から受け継がれているスピリット。”
ビーン・ブーツ6
ブランドの顔ともいえる「ビーン・ブーツ」は、ハンティングシューズを機能的にしたもの。時代の流れとともにモデルも多様化。\15,000
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国:アメリカ 創業年:1975年
トップアスリートからファッショニスタまで支持するハイクオリティ
科学とアートの融合
“世界有数のトップアスリートをサポートするアイウエアブランド「オークリー」。その始まりがモトクロス用のハンドグリップだということはあまり知られていない。
1975年、米国カリフォルニア。当時、モトクロスライダーとしてレースを転戦しながら、バイク用品の販売会社でセールスを担当していたジム・ジャナードは、自身の経験からあるバイク用のグリップを発案。独立し、ハンドグリップメーカーとして製品化にこぎつける。それらは多くのライダーから高い評価を得て、1980年には製品第二弾となるモトクロスゴーグルを作ることになる。当時のスーパークロスブームとシンクロするように好調な売り上げを記録し、本格的なアイウエアブランドとしての発展が始まった。
運動の情報をつかさどる「視覚」の快適性を追求した技術開発は、やがて全世界で600以上もの特許取得という成果をもたらし、サングラスやスノーゴーグルといったプロダクトで、業界を牽引する存在に。今では「もともとオークリーフリークだった」というイチローや、ランス・アームストロング、ショーン・ホワイトといった世界を代表する多くのアスリートをサポートするばかりか、世界各国のファッショニスタや流行に敏感なストリートヘッズまで、幅広いジャンルのユーザーから支持を得る存在となった。”
ファストジャケット
天候や光の条件に合わせ、素早くレンズ交換ができる革新的なシステム「スイッチロック」を搭載。フレームは広い視界と強度を備えた。\30,000~
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国:アメリカ 創業年:1993年
アラスカ鮭漁で閃いたキャップからスタート
“KAVUとは航空用語の”"CAVU”"(Clear Above Visibility Unlimited = BEりなく視界良好)をもじったもの。創設者であるベイリーリーバーがパイロットかつパラグライダー愛好家でもあることから命名。
創設のきっかけは、野球帽をベースにウェビングテープでフィット調節できるストラップキャップを考案したこと。当時、漁師としてアラスカで鮭漁を行なっていたとき思いついた、強風でも飛ばされない斬新なキャップは、すぐにアウトドア業界でも話題になり、’96年のアトランタオリンピックでは、米国カヌー&カヤックの公式アイテムに採用された。バリーは大の親日家で、毎年開催される“CAMPKAVU”に都度駆けつけるとか。”
ストラップキャップ
25周年を記念した特別仕様のキャップ。風に強い作りは健在。\6,500
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国:アメリカ 創業年:1989年
ポータブルナビゲーション販売数世界一の座を誇る
パーソナルナビの代名詞
“1989年、アメリカはGPS衛星を整備し、システムの運用を正式に始める。同じ年にアメリカ人のゲイリーと台湾人のミン氏によってガーミンが設立される。
1994年には航空機用パネルマウントGPS100AVDをリリースして大ヒット、1998年に発売したeTrexは手のひらサイズで低価格、親しみやすいデザインでハンディーGPSをより身近な存在にした。そして2007年以降、ポータブルナビーゲーション機器の販売量世界一の座を守っている。”
オレゴン450TC
道路でも山でも、これ1台あればナビゲーションが可能。ボタンが大きめの設計で、グローブをはめても操作可能。100,000
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国:アメリカ 創業年:1988年
「歩きながら水分を補給」という新発想
「水分補給方法」の革新
“限界を越えるパフォーマンスを発揮するにはどうすればいいのか……。同社創業者マイケル・エイドソンの答えは、「効率よい水分補給方法」。リザーバー(水筒)から口元までチューブが延び、行動しながら水分補給ができる現在の「ハイドレーション・システム」の発想だった。
歴史の始まりは1989年。テキサス州で行なわれた100マイル自転車レースに参加する際、彼がサイクルジャージに縫い付けたのは、点滴用パックと医療用チューブをつなげ、長い靴下に入れたもの。これが原型となり、ハイドレーション・システムの元祖となる初代「M.U.L.E」が誕生した。
創業以来のポリシーは、人間に必要な水分補給方法の革新。毎年一のように注目の新製品が登場し、品質や耐久性にも徹底したこだわりを見せる。驚くべきことにリザーバーは永久保証。ブランドの自信がうかがえる。”
オクテインLR
トレイルランニング用。容量は5.5ℓで、2.2ℓのリザーバーは走行中の安定性に優れる縦長タイプ。\10,000
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国:アメリカ 創業年:2003年
足場の悪い野外~満員電車の中まで使える次世代フットウェア
山でも使えるサンダル
“キーンは、アメリカ・オレゴン州ポートランド発のフットウエアブランド。2003年に誕生した、比較的新しいブランドだ。創設者のローリー・ファーストは、さまざまなブランドのフットウェアやアウトドア商品の企画・開発・生産に携わってきた物作りのスペシャリスト。あるとき、アウトドアの常識を見直し、「サンダルはつま先を守ることができるのだろうか?」という疑問を抱いた。このクエスチョンがキーン創設のきっかけであり、代表モデル「ニューポート」の誕生につながる。
こうして開発された「ニューポート」は、オリジナルのトッ・プロテクション機能を持つ靴を超えたサンダル。ファッショナブルなサンダルでありながらアウトドアで役立つ画期的なモデルは、多くのユーザーの心をつかみ、次世代フットウエアとして躍進を遂げていった。
キーンでは、陸と水、快適性と性能、ファッションと機能性といった異なる概念を融合するハイブリッド・フットウエア「ニューポート」を軸として、毎年新たな後継モデルを開発。サンダル以外のフットウエアも登場し、秋冬向けの「ウインターポート」は、ニューポートのアッパーとソールの機能設計を引き継いだ注目モデル。近年はバッグのラインナップも充実する。
また、キーンは「アウトドアとは、屋根のない場所すべて」と考え、アウトドアをひとつのコミュニティととらえている。創造し、楽しみ、気遣うという考えをもとに、自然環境保護の活動にも力を注ぐ。”
ニューポート
アッパーはウォータープルーフレザー、ソールはダートな道でもしっかりグリップ。従来のサンダルのイメージを払拭。
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国:アメリカ 創業年:1986年
誇り高きふたりのアウトドアマンが生み出したバックパック
期待を裏切らない独創性
“グラナイトギアは、25年前にふたりの青年がスタートさせたブランド。カヌートリップに出かけたふたりは将来について語り合った。自然は彼らとってこのうえない最高の場所。最高の場所には、最高のギアがほしい。それを形にしようと動き出した。
自らがアウトドアマンである彼らの等身大の物作りは、初っぱなから周囲をアッといわせるものとなる。いまでは多数のブランドが製品化しているコンプレッションサック。それを発想し最初に具現化したのは、ほかならないダンとジェフだった。単に一メーカーの商品群に留まらず、定番のアウトドア道具として仲間入りしている。
1995年には新たなバックパックフレームを開発。背面構造にアルミやプラスチックなどを採用するのが主流ななか、それらを一切使わず軽量で快適な背負い心地のフレームを作り上げた。ニンバスオゾンとして製品化されると、ウルトラライトの世界でたちまち火がついた。何千kmものトレイルを歩くスルーハイカーはグラム単位の軽量化に努めている。さらに数カ月の行程をこなす彼らが愛用しているとなれば、耐久性の高さも折り紙つき。ブランドの存在は広く知れわたることとなった。
独自の観点にもとづく物作りは、これからも変わらない。次はなにを出してくるのか。そんな期待を一手に受けながら、決して裏切らない。それがグラナイトギアというブランドだ。”
ブレイズA.C.60
名品ニンバスオゾンのDNAを受け継ぐ定番モデル。シンプルかつ、ユーザーに自由度を残した逸品。
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国:アメリカ 創業年:1982年
180度開脚を可能にした「ガゼットクロッチ」でクライミングをサポート
街でも着たくなるユーティリティーパンツ
“1970年代、ヨセミテで「ストーンマスター」と呼ばれたロッククライマーのマイク・グラハムが1982年に立ち上げたブランド。後染めで着ざらし感のあるグラミチパンツは、クライミングパンツの代名詞的存在として多くの人に愛されている。
最大の特徴は、180度自然な開脚を可能にしたガゼットクロッチと、片手で調節ができるウェビーングベルト。定番のコットンツイル素材以外に、ウール素材を用いた製品がある。クライミングシーンのみならず、タウンユースとして着回しできる点もグラミチパンツの魅力のひとつ。”
GRAMICCI Wool Pant Beige(右)、Charcoal(左)
秋冬の定番的素材であるウールのグラミチパンツ。動きやすいばかりでなく、着心地も非常にグッド。\12,000
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国:アメリカ 創業年:1848年
丈夫なレザーワークグローブの原型を確立
“歴史上、「1848」という数字で思い当たるのが、カリフォルニアに端を発したゴールドラッシュ。西部で起きたその波紋は東部のニューヨークにまでおよび、正貨準備のため次々に銀行が作られた。その好景気に目をつけたイタリア、ローマのグローブ職人、マッテオ・ビアンキは、ニューヨークの北、カナダにほど近いグラバスビルという田舎町に移住する。そこで小さなグローブ会社を設立した彼が、金の採掘者向けに頑丈なバッファロー革のグローブを作ったのがはじまり。
スワニーイエローと呼ばれる独特の黄色は暗い屋外でグローブを落としても探しやすくするためのアイデアだった。以降、1960年代には世界に先駆けて縫い糸にケブラーを採用、縫い代が手に当たらないようアウトシームにするなど、グローブ業界に数々の革新をもたらした。現在はワークウェアも手がけている。”
G-1
もっともベーシックなロングセラーモデル。アメリカ産牛革で縫い糸にケプラーを使用。\7,000
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国:アメリカ 創業年:1977年
背負わずに着る。「GREGORY」という名の信頼
バックパックの革命児
“初めて背負ったときの衝撃が忘れられない。背中の重みにもだえ苦しむ縦走のさなか、友人は軽やかに歩いてゆく。試しに背負わせてもらった彼のバックパックこそがグレゴリーだった。「このパックはね、背負うんじゃなくて着るんだよ」そのフィット感のよさは、友人の言葉とともに、いまも背中に刻まれている。
ウェイン・グレゴリーは14歳のときウッドフレームパックを作り、それ以来、人生をバックパックに捧げることに決めた。高校卒業後、職人の世界を歩みだし、公歳のときに「グレゴリー・マウンテン・プロダクツ」を創業した。パック作りは、さらに熱を帯びてゆく。小児科医の「女性は11歳、男性は14歳で胴の長さが決まる」というひと言で、トルソーの重要性に気づいた彼はパック用の身体測定器を作製。トルソーを胴の長さに合わせることで、フィット感を飛躍的に向上させた。その後もヒップベルト、ショルダーハーネスの角度調節機能などを磨いてゆき、背中が喜ぶあの心地よさを実現させている。
グレゴリーには「パリセード」など、いくつかのロングセラーモデルが存在する。それらは。年を越える歴史から生まれた骨太の核があり、それをベースにポケットの角度や素材の見直しなどを図りながら、使いやすさを向上させてきた。その根底には、「最高の素材で世界一のものを作る」というウェインの鉄の意志が刻印されている。”
パリセード80
30kgの荷物をストレスなく背負うことができるサスペンションを搭載。リリースタブにより、ウエストベルトの角度調整が簡単に行える。\45,000
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国:アメリカ 創業年:1952年
近代バックパックの原型を築いたパイオニアブランド
デイパックも本家家元
“いまではバックパックにフレームとウエストベルトが付いているのは当たり前だが、そのスタイルを確立したのが、ディック・ケルティ。第2次世界大戦終結後、米軍放出品の背のうを背負って山歩きを楽しんでいたケルティは、より背負いやすいバックパックを自らの手で作ろうと決意。500ドルの元手を借り入れ、南カリフォルニアの自宅ガレージで起業した。
ケルティがアルミパイプを溶接してアウターフレームを作り、妻のニーナがミシンを踏んでコンパートメントを縫い上げるという分業体制で、改良を繰り返し1952年に完成させたのが、マウンテニアフレームパックだ。当初は製品の完成度とは裏腹に、売れ行きの伸び悩む日々が続いたが、通信販売のカタログに掲載したことをきっかけに、トレンドリーダーである東海岸の若者たちが注目。ケルティのフレームパックを背負ってロングトレイルを歩くスタイルが、若者の間で大流行となった。
1971年には、1日分の荷物を収納できるサイズで作ったディパックを完成。日常的にも「荷物は背負って歩く」というスタイルを定着させた。”
マウンテニア フレームパック
人体に合わせてカーブしたフレームにナイロンのコンパートメントを組み合わせ、ウエストベルトを装備するという現代のバックパックのスタイルは、ケルティが確立した。\30,000
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国:アメリカ 創業年:1938年
苦難を乗り越え「アメリカNo1」のシェアを獲得
適正な価格のウエア
“1958年、コロンビアの前身、コロンビアハットカンパニーが誕生。創業者ポール・ラムフロムの娘ガートは、10代から家業をサポート。後にガートの夫となるニール・ボイルも1950年代から事業に参加している。
コロンビアスポーツウェアカンパニーへと名前を変えたのは1960年のこと。最初のヒット商品は、現在のフィッシングベストの元祖といわれる釣り用のベストだった。フライフィッシング愛好家の夫のために、ガート自らが自宅のミシンで作ったというのは有名な話である。
1970年代は苦難の時代。父に次いで夫も急逝し、ガートの元には3人の子どもと多額の借金が残される。ガートは会社を売ることを決意するが、その評価額は驚くほど低く、彼女は再生の道を選んだ。同社のコンセプトのひとつが「適正な価格」。「子ともが何人もいる家庭で、高いジャケットやコートは何着も買えない」というガートの理念は、この時代の実体験に基づくものだろう。そこにはもちろん、より多くの人にアウトドアを楽しんでほしいという願いが込められている。
苦難の時代を乗り越えた同社は、1989年には、アメリカ国内でシェアNo.1の座に輝いた。1997年には日本法人も設立。現在は日本企画のウエアも展開し、極東日本でのシェアも順調に拡大している。”
トリプル トレイルシェル
独自の防水等質素材オムニテックを使用する3レイヤーのジャケット。伸縮性に優れたしなやかな着心地も魅力のひとつ。\40,000
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国:アメリカ 創業年:1998年
UL指向を広め、一般にまで浸透させた軽量ギアブランド
ウルトラライトの背景
“広大な米国には、風光明媚な登山道が幾筋も延び、そのなかには数千kmにわたる長大3のまで存在する。なかでも、米国西部をメキシコ国境からカナダまで貫くパシフィック・クレストトの人気は高く、毎年何人ものハイカーたちが4000kmを優に超える距離を完歩している。
こうした超ロングトレイルを歩くために、登山家としても知られていたレイ・ジャーダインによって体系化されたのがウルライト・バックパッキングとうスタイルであり、ゴーライトは彼の提唱する道具を一般市場に普及させる役割を担って誕生している。
ジャーダインが考案したパックには、雨蓋も、重い荷物を快適に背負うためには必須と思われていたアルミフレームすらない代物であったが、同社創業者クーポナス夫妻はこれをマスプロダクト化して販売する。するとどうだろう、それまで道具の軽さよりも、堅牢性をよしとしてきた米国の登山者のあいだで一大軽量化ブームが巻き起こり、時代が彼らを一気にスターダムに押し上げた。
どちらかというと、マニアのあいだで取り入れられてきたウルトラライト(UL)指向は、装備を軽くして、素早く行動しようと掲げるライト&ファストという流れを作り出し、いまや業界全体が軽量化こそ進む道だという風潮に発展するまでになった。そのきっかけを作り、広めたのがゴーライトなのだ。”
シャングリラ3
3人用でわずか1.1kgのフロアレス・ワンポールシェルター。オプションを加えることで通常のテントとしても使用可能。\45,000
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国:アメリカ 創業年:1901年
100年以上の歴史のなかで多くの名品を生み出すアウトドアブランド
レンタル業からの始まり
“1899年、W.C.コールマンは、米国アラバマ州の小さな町の薬局で眩いばかりに光り輝くガソリン式ランプを目にしていた。大学で法律を学んでいた彼は、本を読むのにも苦労するほどの弱視であったが、そのランプの下でははっきりと字を読むことができた。
これに感銘を受け、彼はランプのレンタル業を始めたのだが、「満足できなければ支払い不要」と掲げると、これが評判を呼び人々が殺到した。
そして1901年、コールマンはカンザス州ウィチタに会社を構え、レンタルしていた「エフィシェント・ランプ」の特許権を製造元から買い取って事業を本格化させていく。そして8年、ついに自社製造のガソリンランプ「アークランプ」を発表し、1913年には社名「コールマン・ランプ・カンパニー」として今日まで続く同社の基礎を築き上げていくことになる。
その後、驚くような明るさを実現したランタンや効率の高いガソリンストーブなどを次々と開発していくのだが、なかでも同社を有名にしたのが第二次世界大戦時に米軍に依頼され、開発した通称「GIストーブ」であろう。マイナス51℃からプラス51℃の条件下で使え、大きさは1ℓのミルクボトルよりも小さくという条件は実現不可能にも思えた。だが、これを完成させ、軍に大きく貢献する。
大戦の終結とともに同社は、キャンプや登山などのアウトドア用品へと注力していくこととなるが、その確かな品質と、いつまでも変わらない魅力はみなが知るところだろう。”
ノーススター チューブマントル・ランタン
縦長のチューブ式マントルを採用することで、360キャンドルパワーという驚くほどの大光量を発する高性能ランタン。\15000
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国:アメリカ 創業年:1968年
総合ブランドがまとうバックパッキング文化の香り
色濃く香る西海岸の風
“「ザ・ノース・フェイスは、1960年代のバックパッキング文化を受け継ぐブランドだ。発神はサンフランシスコ、バークレー。1960年代のヒッピームーブメントや反戦運動の中心となった場所であり、古くからスポーツショップも賑わっていた。
そんな空気のなか、自分たちの旅のためにダウンのスリーピングバックを作っていたふたりの学生に、スタンフォードを卒業したばかりのハーップ・クロップが一加わり、資金を提供。社長となった。彼が本格的に始動させたブランドが、ザ・ノース・フェイスなのである。
当時は物質文明から離れ、自然に還ろうというバックパッキング・ムーブメントの動きが爆発的に大きくなってきた頃。同社の製品は若者に歓迎され、いくつもの人気商品を生み出していった。現在のダウンジャーケットのオリジナルともいうべきシェラ・パーカ、それまでの硬いフレーム構造とは一線を画するアウターフレームのバックパック=バックマジックはその一例だ。
ジオデシック理論を応用したドーム型テント、オーバルインテンションも歴史的アイテム。数本のポールを組み合わせるだけで自立し、内部に広い空間を作り出すドーム型テントは、ヒマラヤや極地の遠征で使われ、風への耐久性が抜群であることを実証。いまはテントの主流だ。”
マウンテンジャケット
1985年から製造を開始し、改良を重ねて現在に至るブランドの顔。透湿防水素材ゴアテックスプロシェルを採用し、悪天候にも強い。\50,000
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国:アメリカ 創業年:1972年
テントの居心地を変えたマットレス革命家
エンジニアたちの奮闘
“1971年、ボーイング社のエンジニアとしての職を解雇されたジム・リーは、新しい物作りのチャンスを探していた。友人ジョン・バロウズは高品質で軽量のバックパッキング用マットレスの需要が大きいことをジムに耳打ちした。意気投合したふたりは、ジムの弟ジョン・リーを加え翌年の1972年カスケード・デザイン社を設立した。
こうして同年に世界初となる自動膨張式マットレス「サーマレスト」が誕生する。当時、マットといえば、空気をチューブの中に吹き込んで膨らませるだけのエアマットが主流だった。それに比べ、サーマレストは、バルブを開けると自動で膨らみ、内側のウレタンフォームが断熱材の役割を担うため温かく、たとえパンクしても最低限のクッション性は維持するとあって、徐々に売り上げを伸ばしていった。
経営は軌道に乗ったが、品質管理を維持するために会社規模を大きくせず家族経営のまま成長した。それぞれの妻、両親までもが営業担当として各地を飛び歩いた。その経営形体は、ほぼいまも変わっていない。
ほとんどのブランドがアジアの工場に委託して商品を製造している昨今。サーマレストは国産にこだわっている。また、マットレスを作る製造機械までも自ら作るこだわりっぷりだ。
本社工場があるアメリカ西海岸の都市、シアトルは海、山、川に囲まれ、フィールドが近い。フィールドでテストし、すぐに製品の改良に取りかかる。また、ユーザーから直に改良点などを指摘してもらえるという。カスケード・デザイン社は1980年後半にさまざまなブランドを傘下に収めていった。そのなかでもサーマレストは同社の核となるブランドであり、「よりいいモノを」という開拓者精神は燃え続けている。”
リッジレスト ソーライト レギュラー
クローズドセルマットレスのベストセラーが、アルミ蒸着加工され生まれ変わった。サーマレストは進化し続けている。\4,000
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国:アメリカ 創業年:2001年
驚異的な熱効率を誇るバーナー/クッカー一体型
想像以上の劇的な熱効率
“ドワイト・アスピンウォールとペリー・ドウストというふたりによって創業されたアウトドアブランドがジェットボイル。「バーナー&クッカーの一体型」という画期的な構造で驚くべき熱効率を実現し、それまでのアウトドア界の常識を変えた。
その秘密は、クッカーの底につけられた「フラックスリング」。炎の熱を効果的にクッカーにまわし、一般的バーナーに比べると倍近い熱効率を実現。半分の時間と燃料の量でお湯を沸かしてしまう、シンプルでいて革新的テクノロジーだ。
以前からアウトドアでの調理のために重いバーナーやクッカーを持たねばならないという問題の解決法を探していたふたりは、試作品を持ってフィールドと研究室を何度も往復。その結果、完成したのが新しいクッキングシステム。2001年と比較的最近だが、バーナー&クッカー一体型の元祖として地位を確立し、ている。”
ジェットボイル PCSフラッシュ
バーナーとクッカーの一体型。バーナーヘッド、ガスカートリッジ、スタビライザーなどをクッカーに収納し、コンパクトな姿に。\14,000
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国:アメリカ 創業年:1965年
1960年代アメリカのアウトドアカルチャーを牽引した老舗ブランド
80′sアウトドアズマンのアイコン・ブランド
“1960年代初頭のアメリカ・カリフォルニア州バークレー。ふたりの若きアウトドアズマンが海で嵐に巻き込まれて遭難し、九死に一生を得る。このときの経験から、ふたりはアウトドアウエア/ギアが命を左右する重要なものであることを痛感。自らの命を託せるものを作るべく的年に立ち上げたのがシエラデザインズだ。ブランド名は、シエラネバダ山脈に由来。最初に作った製品はテントだった。
代表作は、60/40クロス(横糸にコットン58%、縦糸にナイロン42%を混紡し、防風性と通気性をバランスさせた素材)を使用したマウンテンパーカー。1968年に北米で発売されると大ヒット商品となり、その波は日本にも波及。アウトドアシーンのみならず、スーツの上から着るコートとして、あるいはカジュアルなアウターとして着用されるなど、幅広い支持を得た。現在も永遠のスタンダードとして、「ヘリテージライン」にその名を連ねている。
現在は「アドベンチャーライン」と「アウトドアカジュアルライン」も展開。潤沢な経験に裏打ちされた製品作りは、創業当時から受け継がれている。”
マウンテン・パーカー
1980年代、日本のアウトドアシーンで誰もが憧れた「60/40クロス」のマウンテンパーカー。現在も街などで使われる人気&定番。\40,000
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国:アメリカ 創業年:2003年
シェルバ族によってデザインされたアウトドアウェア
シェルパ族とともに歩む
“古くからヒマラヤ地方の登山隊や探検隊に関わり、現在においても一般のツアー登山を始めとした登山活動に貢献しているネパール・シェルパ族の人々。米国ワシントン州に本拠地を置くシェルパの製品は、そんな彼らに感謝しながら、世界最高峰という地球上で最も厳しい場所で活動するシェルパたちによってデザインされた製品をラインナップする。
同時に、フィールドテストも彼らが行ない、そのうえで最終的な製品となるのだが、可能な限り現地の人々の手で作られているという。収益の一部は、シェルパ族の子どもたちの将来のために、よりよい教育を受けられるよう使われている。
そんな彼らの製品は、高機能素材を使うのと同時に、消臭効果が期待できるバンブーチャコール(竹炭)やラムウールといった自然素材も取り入れるなどとてもユーニクだ。”
レイシャム・ジャケット
3層構造の防水透湿素材を採用したハードシェル・ジャケット。採用する独自素材はとても軽量で、なんと重さは360g。\25,000
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国:アメリカ 創業年:1967年
曲線的なアルミフレームの生みの親
“人間工学という言葉が存在しなかった当時、スキップ・ヨーウェルと彼のいとこのマレープレッツが身体のラインに沿った曲線的なアルミフレーム、アジャスタブルアルミフレームを考案したことで注目を集める。
マレーはガールフレンドで縫製のスキルを持つジャン・ルイスに、そのアルミフレームに合うバックパックパターンの製作を依頼。“僕と結婚してくれたら君の名前を会社につけるよ”"とプロポーズしたことから、彼女の名前がブランド名に。現在ではアーバンアウトドアをコンセプトにしたアウトサイドコレクションや、デジタル文化を反映したデジタルコレクションなども展開する。”
ライトパック
コーデュラ素材とスエードを組み合わせた代表的パック。\10,000
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国:アメリカ 創業年:1985年
青空料理人の頼れる相棒
ひと味加える調理器具
“西部開拓時代を思わせるホウロウ製の食器やフラスコから、カラフルでスタッキングしやすいマグやカップまで、新旧取り混ぜたクックウエアを扱うGSI。1985年、イアン、ドン、キャシーのスコット兄弟によってサンディエゴに設立された。
ここ数年、GSIはギミックにあふれた楽しい商品を次々とリリースしている。色分けされた4枚の皿とマグそしてカップ、ふたつのポットとフライパン、それにグリッパーがきっちりと収納できるテーブルセット。さらにそのスタッフサックはシンクにもなり、ポットのふたは湯切りもでき……と驚くばかりの小技で楽しませてくれている。
ラグジュアリーなスタイルで楽しむキャンプにも、シンプルなバックパッキングにもフィットするラインナップの幅が、GSIの深い魅力となっている。”
ピナクルデュアリスト
2人用のウルトラライトクッキングシステム。これだけのセットに加え、ガスカートリッジを収納することができる。\11,000
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国:アメリカ 創業年:1913年
深海から宇宙まで、「暖かい飲み物を持ち歩く」可能性を躍進させたバキュームボトル
三代使える高品質
“「孫の代まで長く使える」という言葉は、タフで質のよい製品に対する最大の褒め言葉でもある。時代が変わっても使われるだけの品質やデザイン力が伴っている証だ。
保温ボトルのブランド、スタンレーはマサチューセッツ州で、1913年に創業した。それまでバキューム(真空)型ボトルの断熱材として主流だったガラスの代わりに、鋼鉄を採用した。それによって内部を保温するバキュームと、頑強な鋼鉄を組み合わせた画期的な商品が生まれ、軍隊、宇宙観測、深海調査など幅広い分野で使われるようになった。
そんなスタンレーの真空ボトルは、飛行機から落とされても、トラックにひかれても壊れず、果ては弾丸をも通さなかったという頑丈さである。あらゆるアウトドアの条件でも使用することができ、また、ユーザーそれぞれの使い方にも
適応する。まさに建築現場にも、大自然の中にも似合うアイテムなのだ。
しかも、変化するニーズに応え、新しい商品が次々に開発されてきた。ステンレス素材も改良され、真空状態を作る工程も改善され、デザインも新しくなってきている。
しかしただひとつ、変わらず守り続けている、シンプルな約束があるという。それは、「何十年経っても使ってもらえる、一生ものの品質」。スタンレーボトルを買うことは、孫の代まで使えるタフな道具を手にする、ということだ。”
VACUUM FLASK CLASSIC 1ℓ
スタンレーの最も代表的なシリーズ。保温・保冷はもちろん、クラシックなハンマートーングリーンのボディと高い耐久性が本物志向の人に評価されている。\6800
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国:アメリカ 創業年:1995年
スキーインストラクターによって生まれたメリノウール・ソックス
やっぱりウールが最高だ
“登山用の世界では、古くから下着やソックスなど直接肌に触れるものは羊毛製が最良とされてきた。だが、1980年代になると、化学繊維素材が主流を占めるようになっていく。これに異を唱え、より快適なソックスを作ろうとした人々により同社は誕生した。
米国東部ニューイングランド州でスキーインストラクターをしていた彼らが注目したのは、通常の羊毛よりも細いのでチクチクとした不快感がなく、洗うと縮んでしまう短所を克服したメリノウールだった。アンダーウエアなども手がけるようになった現在、その至福の着心地が多くの人々を虜にしているのはご存知の通り。”
ソックス
写真右から、デイリーユース向け「マルガリータ」、ハイキングに最適な「PhDアウトドア・ミディアムクルー」、登山用「マウンテニアリング」。\1800~\2500
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国:アメリカ 創業年:1965年
スキーゴーグルのレンズ交換機能をサングラスにも採用
ヒントはスキーゴーグル
“スミスはもともとスキーゴーグルが発祥。1965年、アメリカアイダホ州サンバレーを拠地に創立し、名は創設者のボブ・スミスに由来する。彼はもともと歯列矯正医で、趣味のウインタースポーツを楽しむためにゴーグルをハンドメイドしたことがブランド創立のきっかけになった。最初にゴーグルを作ったのはキッチンのテーブルの上。歯列矯正医の経験を生かし、ハイクオリティに仕上がったゴーグルは瞬く間に評判を呼び、ゴーグルブランドを立ち上げた。
その後、サングラスをラインナップに加えたが、レンズ交換が当たり前だったスキーゴーグルの概念をサングラスにも応用。簡単にレンズ交換できる「インターロックシステム」を搭載したサングラスは、画期的な機能として話題を集めた。
アウトドア、ウインター、マリンなどスポーツタイプから、タウンで使えるカジュアルなデザインまでモデルの種類はとても豊富。近年は、日本人の顔に合ったジャパンフィットモデルもリリースされている。”
リアクターマックス
トレイルランナーの鈴木毅も着用するスポーツモデル。長時間着用してもストレスがない。\14,000~
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国:アメリカ 創業年:1854年
手頃な価格で「最先端テクノロジー」と洗練デザインの時計を提供
携帯型時計の普及に貢献
“コネチカット州のウォーターベリーで、「ウォーターベリー・クロック・カンパニー」として創業したタイメックス。ウォターベリーは当時、米軍軍服用の真鍮ボタンを製造する真鍮加工産業が盛んで、同社は真鍮製造や大量にボタンを製造するノウハウを活かして、時計産業の反映を担うことになった。
注目を集める商品となったのは、1900年代初頭にインガソル社(タイメックスの前身)が1ドルで発売した懐中時計「ヤンキー」。高級嗜好品であった時計を世に広め、鉱山労働者から農夫まで幅広い層がこの時計を持つようになった。その後22年間で4000万本の販売を記録している。
“現在の顔”ともいえる商品は「キャンパー」。ベトナム戦争時に米軍に納めていた軍用ディスポーザブル(使い捨て)ウォッチをベースにしたモデルで、「ヤンキー」に端を発する高品質低価格ウォッチのスタンスを引き継いでいる。”
キャンバー
1990年の誕生以来、人気を集めるロングセラーモデル。タウンでフィールドでと多彩なシーンで使用されている。\7500
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国:アメリカ 創業年:1974年
あの名門バッグブランドが最新機能とともに復活!
伝説的パック職人デイナ
“同ブランドにおける物語の始まりについて語るには、まずはダナ・グリーソンについて話さなくてはならないだろう。1970年代初頭、クライミングやバックパッキングをして過ごし、全米各地を転々としながらアウトドアショップで働き、過ごしていた彼は、次第に道具の修理や改良を行なうようになっていった。
その経験を活かし、クレッタルワークスという自身の会社を万年に興し、後に語り継がれることとなる大型パックの名品「テラプレーン」を生み出す。そして1985年、パック作りを2人3脚で行なっていたレネー・ベイカーとともに自身の名を冠したダナ・デザインをスタートさせる。このときに「アークフレックス」という独自のフレームシステムを開発して、新生テラプレーンとして発表。体に吸いつくような背負い居心地のパックはあっという間に話題となり、ウェイン・グレゴリーや、オスプレーを始めたマイク・プフォテンハウアーとともに現在市場で販売されているバックパックの基礎を作り上げていくこととなる。
その後1995年になると、彼は再度会社を手放してしまうのだが、2006年まで継承されたのちに完全消滅してしまう。しかし2010年、日本で奇跡が起こる。アウトドア用ストーブやランタンが有名なコールマン・ジャパンによってブランドが再生され、当時のテイストを大事にしながら最新の素材や機能を取り入れた新生「ダナデザイン」としてして生まれ変わることとになったのだ。”
シェルタープ・ヌクス
アーチ状のポールを使い、独特な空間を生み出す軽量シェルター。写真はオプションの「インナーテント・フォー・ヌクス」を取り付けたもの。\42,000
国:アメリカ 創業年:1932年
履く人が誇りをもてるヘビーデューティーなブーツ
個性の光るブーツの生産
“創業当時は世界恐慌の只中。失業していたウィエンハーグとダナー両氏は一念発起し、靴の知識を生かしてビジネスを起こすことを思い立つ。
1960年代、米に空前のアウトドアブームが到来。これを機に、ワークブーツ中心の生産からアウトドアブーツの生産を増やすようになり、「エルクハンター」続いて「マウンテントレイル」が誕生した。これらのブーツには、ヨーロッパの登山靴と比べ、より歩行性を重視したソールを採用していた。
ダナーでは市場の画一化した靴作りに抗い、個性を保ちながら履く人の業種や目的を考え、最高品質の靴を作り続けている。”
ダナーライト
1980年に世界初のゴアテックスブーツとして誕生。以来、改良を加えながら現在も販売する。アウトドア業界に多大な影響を与えた一足。\45,000
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国:アメリカ 創業年:1988年
水陸両用。オールラウンドサンダルの先駆者
長く愛用できるサンダル
“創業者のマーク・ペイジェンは、1970年代後半から1980年代にかけて、カリフォルニアのシューズメーカーで働いていた。その後、コロラドに移り住んでリバーガイドをしていた彼は、市販のサンダルに満足できず、シューズメーカーで得た知識と経験をもとに自分でサンダルを作ろうと決意する。こうして生まれたチャコのサンダルは優れたフィット感を備え、口コミでその評判を広げていった。
快適なフィット感の秘密は、フットベッドにある。足専門の整形外科医の力を借りて完成させたフットベッドは、土踏まずがつぶれて足首が内側に向く回内運動を抑制し、長時間履いても疲れにくい。その優れたサポート性により、アメリカ足病学医師会の賞)受けている。
同社のもうひとつの特徴は、ソールの張り替えやストラップ交換などの修理に対応していること。気に入った一足と長くつき合うことができる。”
Z1ウナウィープ
滑りにくいラバーソールのロングセラー。つま先がオープンなデザインでソックスのままでも履ける。\9,500
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国:アメリカ 創業年:1983年
メガネストラップをきっかけに超人気ブランドへと成長
“コロラド川でのラフティング中に何度もサングラスを川に落とした経験からリバーガイドが発明した「リテイナー(メガネストラップ)」が創設のきっかけ。リテイナーはリバーガイドをはじめとした多くのアウトドア愛好家に瞬く間に広まり、大ヒット商品となる。’87年には、ブランドの地元であるユタ州ハリケーンの本社(’05年、ソルトレイクに移転)に併設されていた自社工場でアパレルの生産も開始。
肌触りよく動きやすいスエット・ウェアも代表的アイテムとなった。そして’95年、衣料・雑貨貿易会社「ランドウェル」が日本総代理店となってチャムスを日本に紹介し、’08年に日本初の直営店を東京の表参道にオープン。さらに記念すべきブランド創設30周年の’13年、同じ表参道に木造2階建てのフラッグシップストアを新装開店した。
現在は、アパレルやバッグに加え、キッチンツールやテントなどのギアも積極的に開発され、より広くアウトドア業界への進出を始めている。よくペンギンと勘違いされてしまうブランドマスコットの「カツオドリ」は、南米の海岸線に生息する海鳥。警戒心がなく人なつっこく、地元の漁師にも愛されていることから、シンボルとして採用された。”
サングラス ストラップ
サングラスのテンプルに装着して首に掛けるストラップは、チャムスの発明だったのです。
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国:アメリカ 創業年:1973年
タフで耐久性の強い完全防水ブーツからスタート
完全防水のタフさがウリ
“創設者のネイサン・シュワーツは、1950年代初頭からアメリカ・マサチューセッツ州のボストンに工房を構えて靴を製造していた。1973年に射出成型法を靴の製造に応用し、ソールとアッパーが一体化となった、縫製しない完全防水ブーツの開発に成功。この防水ブーツ「ティンバーランド」の名が市場で広まり、同年にそのままブランド名になった。
1970年代にネイサン・シュワーツが作った「6インチプレミアム」はイエローブーツの通称で親しまれるタフで水に強いモデル。このブーツは、ネイサンが林業を営む友人のために開発したもので、耐久性・防水性が非常に高かった。アウトドアシーンで役に立つ実用性が大好評で、いまも販売される代表的なロングセラーモデルだ。
現在、ティンバーランドはシューズのほかにウェア類も製造し、ラインナップも充実。”
6インチ プレミアム
長年愛されている完全防水ブーツ。現在は疲労を軽減するインソールを搭載。\23,000
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国:アメリカ 創業年:1949年
バックパッカーたちから火がついたウォーターボトル
意外なところから人気に
“さまざまなサイズや形状、力ラーなど種類が豊富なウォーターボトルブランド、ナルゲン。水筒関連商品だけの展開で、かなり限られたカテゴリーだが、その存在感は特大クラス。登山用具店にはナルゲンのボトルがずらりと並ぶ光景が見られる。
1949年にプラスチック製のピペットホルダーの開発からナルジェ社を創業したのがナルゲンの始まり。その数年後、ポリエチレン製容器「ナルゲン」ブランドが誕生。しかし、もともとは研究用容器として開発されたものだった。
アウトドア分野へ進んだのは、バックパッカーたちが、そのクオリティの高さに気がつきキャンプ用品として流用したのがきっかけだった。1970年代に入ると、ナルジェ社の社長、マーシュ・ヘイマンが彼らの使い方に着目し、登山キャンプ用としてナルゲン・アウトドア・プロダクツ社を創業。高い気密性や強度、軽さなどは現在も引き継がれ、今日のウォーターボトル業界を牽引している。”
ナルゲン広口 0.5ℓ
環境ホルモン問題のあるポリカーボネート製から、現在は飽和ポリエチレン樹脂を採用し“BPAフリー”に。\1260
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国:アメリカ 創業年:1906年
万人に登山の入口を広げた、走りたくなる軽登山靴
原点はテニスシューズ
“1906年、アメリカのボストンで偏平足などの歪んだ足を治す矯正靴のブランドとして、生まれたニューバランス。社名の由来は、「新しい履き心地で、バランス感覚をユーザーにもたらす」というメッセージが込められている。
アウトドアシューズは、ニューバランスのカテゴリーのなかでも後発組で、誕生は1982年にさかのぼる。
アメリカの有名な登山家ロー・ウィッタカーは、ずっとテニスシューズで山を歩いていた。しかし、岩場や砂地で滑ってしまう。そこで彼はニューバランスにこういう提案をした。「テニスシューズのソールに滑り止めのブロックをつけてくれないか?」開発担当者は早速テニスシューズのソールにブロックを付けたシューズを作成した。これは、もともとスポーツシューズの開発、製造のノウハウがあるニューバランスだからこそ、チャレンジできた試みだった。
ウィッタカーのテスト結果は、「フルレザーの重い登山靴よりも歩きやすい」というものだった。こうして、現在のニューバランスのアウトドアシューズの柱となる「軽い」「しなやかで、足首の動きを妨げない柔軟性」「抜群のフィット感」「足幅(足囲)サイズが選べる」が確立した。
これらの特徴を柱にしたシューズは、登山ブームの火つけ役となった、富士山登頂や屋久島縄文杉往復コースを目指す登山者らの山行スタイルにマッチし、人気がある。思わず走りたくなるほど軽くしなやかなトレッキングシューは、これからも登山人口の裾野を広げ続けるだろう。”
MO 673
NBの伝統的なデザインをスエード素材で仕上げ、ゴアテックスを採用した本格的なミドルカットモデル。軽さと柔軟な足回りが特徴的。\15,000
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国:アメリカ 創業年:2002年
驚きと賞賛で迎えられたエア・サポーテッド・テクノロジー
デザイン建築とテント
“創業者のカム・ブレンシンガーはデザイン大学の在学中に会社を設立している。そのときに最初に開発するべき製品として、彼はテントを選んだ。テントにデザイン建築の考え方を持ち込んで、フィールドと研究施設を何度も行き来しながら開発に専念。
柱となるのはエア・サポーテッド・テクノロジーだ。金属ポールの代わりに、空気梁を使うという驚きの構造だった。2年の研究期間を経て、彼らは満を持して世に発表をする。2004年にはアメリカで、2005年にはドイツのアウトドアショーでその成果を示し、各方面から多大なる賞賛を得た。実際の販売は2006年から開始されている。”
モルフォ2P
エア・サポーテッド・テクノロジーを使ったニーモのフラッグシップモデル。エアの構想は、創業者がNASAのスペーススーツの開発に携わった経験から生まれている。2人用。\55,000
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国:アメリカ 創業年:1983年
世界で最も暖かいセルフインフレーティングマット
世界最強のエコマット
“もとの名前の「パシフィックアウトドア」といったほうが馴染みの深い読者は多いかもしれない。アウトドアのメッカ、モンタナ州ボーズマンから発信してきたこのブランドは、2012年から名前を変える。
サーモマットで名を馳せたこのブランドは、1983年インフレーティングマットからスタートした。保温力とコンパクトさを追求した技術が評価され、2004年には「マックスサーモマット」が、2007年には「エコサーモ6」が、アメリカのアウトドア雑誌のエディターズチョイス賞を受賞している。
また、環境にやさしい製品作りにも心を砕き、生産段階から「Good Gear = Less Waste」をモットーに、再生資源の利用や、最小限のエネルギー使用に努めてきた。マットフォームにはCFCフリー(フロン類不使用)フォームを採用し、「長年使用できる丈夫な製品を開発することによって、地球に負荷をかけない結果をもたらす」ことを標榜してきた。こうした姿勢も製品への信頼を勝ち取る結果につながっているといえよう。
そして最近、究極のアイテムが登場した。地球上で最も軽い固体エーロゲルの断熱効果を利用した、世界で最も暖かいマット「PEAKOYLELITE」だ。この断熱材ゼロロフトを効率的に配置し、極寒の地でも使用可能な軽量で保温性の高いマットを作り上げた。睡眠中のスリップを防ぐ表面素材を採用、女性用モデルには腰、足元に断熱材を増量するなど、細部の配慮も行き届いている。企業理念が製品に具現化されている好例といえる。”
PEAKOYLELITE REGULAR
極寒対応の4シーズン仕様。耐久性撥水加工でシミ、浸水を防止。全身のスリップ防止と両サイドのエアレールで安定性と快適さもアップ。抗菌処理済み。\16,000
国:アメリカ 創業年:2009年
焚き火でクリーンなエネルギーを
“世界のエネルギーにまつわる問題をデザインとテクノロジーで解決するため、ジョナサン・セダーとアレック・ドラモンドがニューヨーク市で起業したブランド。
既存のキャンピング・ストーブの多くが化石燃料を使っていることに満足いかなかったアレックは、安全でクリーンな仕組みを求めて小枝などを燃やすウッドストーブに着目した。効果的に燃焼を行なうためにファンを内部に取りつけたが、そのアイデアは、発熱を利用して発電するサーモエレクトリック・ジェネレーターの導入に至った。
そして発熱によって生まれた電気でファン自体を稼働させることに成功する。2012年には発電した電力を利用し、USBを通して電子機器を充電できるキャンプストーブを開発。最新型のキャンプストーブ2では、発電能力が50%アップし、さらなる進化を続けている。”
キャンプストーブ2
ステンレス部分に薪や小枝、松ぼっくりを入れて燃焼させ、焚き火や調理を楽しみながらUSBポートから電子機器の充電もできる。\17,000
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国:アメリカ 創業年:1999年
“直感的”に使えるハイスペック時計
「操作の容易さ」を重視
“アパラチアン山脈の麓、ノースカロライナ州で、マイク・ホージーによって1999年に設立されたハイギア。創業以来、徹底して使用者の視点に立った物作りを志向している。
そのコンセプトは「コンパクトで手頃な価格のナビゲーションツール」。最近のアウトドア用腕時計は多機能化が進みすぎ、使いこなすことが困難だ。それに対し、ハイギアが目指すのは誰もが直感的に使用できるもの。アウトドアで必要な高度計・気圧計・コンパスなどの機能はおろそかにせず、より正確で確実なものを追求。一方で、使いやすさを重視し、複雑な操作は必要としない設計にしている。
創業後に発表された「アクシス」は、基本的な機能を持ちながら同等スペックの他社製品よりもコストパフォーマンスが高く、ベストセラーに。現在は「アクシオ」シリーズの腕時計に引き継がれている。”
アクシオMAX
コンパス・高度計・気圧計・温度計など、野外で必要とされる機能を網羅したフルスペックモデル。\20,000
国:アメリカ 創業年:2010年
ウルトラライト界の異端児ブランド
“現代ウルトラライトハイキングの流れが西海岸中心(パシフィック クレスト トレイルスルーハイカーに対応するため)なのに対し、アメリカ東海岸の最北部、アパラチアントレイルの終着点であるメイン州で誕生した稀なブランド。
1990年代のウルトラライトの思想を軸に頑丈さをプラス。ハイキングだけでなくクライミング、MTBなどハードなアクティビティにも対応する新しいスタイルでのウルトラライトスタイルを発信している。雨が多く、森林限界下でブッシュ茂るトレイルも多い環境下で誕生しただけあり、防水性能にこだわったつくりで、日本の気候にもしっかりマッチ。今後が期待されるガレージメーカーだ。”
デイブレイク
2016年ナショナルジオグラフィックのギア・オブザイヤーに輝いた名品。\29,800
国:アメリカ 創業年:1973年
世界に影響を与える「革新と環境」への視線
環境を優先した物作り
“高品質な製品と革新的な企業姿勢で、世界中にコアなファンを持つ会社が、パタゴニアだ。
創業者はクライマーとしても名高いイヴォン・シュイナード10代のころからクライミング・ギアを自作していたイヴォンは1950~70年代にかけて、登攀具を中心とするシュイナード・イクイップメント社を設立。その後、ラグビージャージの輸入の成功などを踏まえ、1973年にはオリジナルのウエアを販売する会社としてパタゴニアを設立し、事業を拡大する。
その後、大胆な発想で作られた高機能ウェアはアウトドアファンから絶大な支持を集め、いまやアウトドア界をリードする存在だ。登山用に加え、サーフィンやフィッシングなどの分野にも注目すべき製品が多い。
新素材の開発にも積極的で、パタゴニアの歴史には、パイル地の保温着から発想を得たシンチラ、今も同社の主力製品となっているキャプリーンなど、同社の代名詞となるような革新的素材の名前が随所に見られる。なかでもペットボトルをリサイクルして作ったフリースはアウトドア業界を越えて注目を浴び、機能と環境への配慮を両立させた企業姿勢は環境意識が高い人たちの共感を集めた。”
メンズ・スーパー・アルパイン・ジャケット
強靭なゴアテックスプロシェルを使った積雪期向き。細部にいたるまで徹底的に無駄をそぎ落とし、動きやすさと軽量化を実現。\75,000
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国:アメリカ 創業年:2001年
快適なキャンピングライフを提案する新鋭ブランド
寝袋とマットレスから
“「キャンプは楽しい」そんな思いを胸に、快適なキャンピング・ライフを提案するため、2001年に誕生したのがコロラド州の自然豊かな街スチームボート・スプリングスに本拠地を構えるビッグアグネスである。
彼らの最初の製品は、寝袋とマットレスを組み合わせてセットにして使うというものだった。
通常体重をかけてしまうと背中側の寝袋は潰れてしまうことから、温かな空気をため込むことができなくなってしまう。ならば、不要な背中側の中綿をなくしてしまえとばかりに、これを排除して、その代わりにスリーブをつけて中にマットレスを入れ込むようにしてしまったのだ。これにより寝袋は軽く、よりコンパクトに収納できるようになり、さらにマットがずれないので快適とあって、ビッグアグネスのスリーピング・システムは密かな人気となった。
その後、家族や友人たちとの楽しいひと時を過ごすためのキャンプ・バックパッキング用テントの開発も始めるのだが、近年では軽量テントが注目される存在となっている。1人用のダブルウォール仕様で、992gと驚くほどの軽量化を果たした「フライクリークUL1」の人気はとくに高い。
同時に、寝袋やマットレスのラインアップも増え、枕や座椅子キットなどのアクセサリー類、内部に保温素材プリマロフト・エコを入れたエアマットレスなどのユニークな製品も誕生している。将来が楽しみなブランドへと成長するとともに、いま最も元気のあるアウトドアメーカーのひとつといえるだろう。”
フライクリークUL2
超軽量テント・シリーズ、フライクリークの2人用モデル。3季用ダブルウォール仕様ながら、重さはわずか1,192g。\43,000
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国:アメリカ 創業年:1994年
誰もが使いやすい雪崩対策アイテム
世界初のデジタルビーコン
“ロッキー山脈で有名なアメリカ・コロラドのボルダーに位置し、アルパイントレッカーの開発からスタートした「バックカントリーアクセス(bca)」は、製品開発だけではなく「人命を守ること」が使命だという。
1分1秒、その一瞬の行動が生死を分けるバックカントリーで、命を預けるには、安心安全な製品でなければならない。そこで開発したのが、世界初のデジタルビーコン、トラッカーDTSだ。それまでのビーコンは、熟練の技術が必要なため捜索救助隊しか使用できなかった。こうした製品の開発、進歩のため、bcaは膨大なリサーチや研究を続けている。”
アバランチエアバック フロート
2011年、日本に初上陸したアバランチエアバック。雪崩発生直後に状況を変えうる期待の新商品。\110,200
国:アメリカ 創業年:1985年
ロッククライマーから絶大な信頼を勝ち取ったシューズブランド
世界を魅了するシューズ
“ファイブテン=「5・10」は、主にクライミングシューズを取り扱っているブランドだ。名前の由来はヨセミテのロッククライミングで難易度を示すデシマルシステムからつけられている。「5・10」は難易度的にいえばいまや高難度ではないが、能力や勇気などのひとつの目安として充分な意味を持っている。
ブランドを語るうえで絶対的に外せないのはステルスソール。強力なグリップ力とフリクション性は他の追随を許さない抜きん出た存在であり、ブランドの象徴でもある。さらに、2004年には代表作「ステルスC4」の約4倍もの摩擦力を誇る「ステルスHF」を開発。また特徴が細分化され、ニーズに合った「ステルスS1」「アクアステルス」などを次々と開発しており、常にトップを目指した商品開発を続けている。
ファイブテニーもファイブテンを象徴する一足だ。アプローチに必要な機能を備えたアプローチシューズは瞬く間にブームとなり、ファイブテニー神話として語り継がれている。”
ブラックウィング
ベルクロ着脱式のハイエンドモデル。強力なグリップを生み出すステルスHF ソールを採用。軽量化も施されている。\17,000
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国:アメリカ 創業年:1989年
クライマーによる、クライマーのための信頼ギア
破産法申告からの再生
“とある悲劇から始まったブラックダイヤモンドの歴史は、あまりに有名だ。そもそもの成り立ちは、パタゴニアの創始者として知られるイヴォン・シュイナードによって始められた、ピトンやカラビナなどの鍛造製のクライミング道具の製作を行なうシュイナード・イクイップメントが前身となっている。
だが不運なことに、このシュイナード社製のハーネスを使っていたガイド登山に参加中のクライマーが岩場から転落して、死亡してしまうという事故が起こった。事故はハーネスの取り付け方を誤っていたことが原因であり、会社側にはまったく過失はない。しかし、遺族たちは本来の責任者である登山ガイドに支払い能力がないと判断すると、その矛先を同社に向けて、多額の慰謝料を要求した。これにより同社は米国の破産法に申告して解散、衣料部門であったパタゴニアを独立させる。一方で、1989年に社員たちとともに現社長のピーター・メトカーフがクライミング道具作りのノウハウやスタッフといった資産を引き継ぎ、再スタートを切ったのがブラックダイヤモンドというわけだ。
現在の同社は、米国西部ユタ州ソルトレイク・シティに本拠地を構え、カラビナやクランポンなどは本社工場内でいまも作り続け、「クライマーによる、クライマーのための信頼できるギアを作る」という創業以来のポリシーを守り続けている。”
アポロ
2008年、発売と同時に大きな話題となったLEDランタン。現在は電池残量メーターが装備され、さらに魅力的に。\5000
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国:アメリカ 創業年:1996年
水からワインまで液体を持ち歩く、クルクル丸める水筒
水を運ぶ概念を変えた
“1996年5月、MSRやサーマレストを取り扱うカスケード・デザイン社の傘下となったトラベリングライト社が開発したプラティパス。これまで水筒といえば、ポリエチレン製のいわゆるポリタンクが主流だった。飲み干してもかさばり、重く、水にポリエチレンの匂いがつくこともあった。
このプラティパスは、クルクルと丸められ、容量2ℓで36gと軽く、水に容器の匂いがつきにくい。瞬く間に革命的なヒット商品となった。またワイン専用容器やハイドレーションシステムの開発にも携わり「液体を持つ」ことに関して、プロフェッショナルなブランドだ。”
プラティパス2
とくに縦走登山には欠かせない折りたためる水筒は、当ブランドの顔となるアイテム。サイズは0.5~2ℓまでさまざま。\1500
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国:アメリカ 創業年:1975年
比類なき防水性と高い信頼性で信頼される「タフネスなスポーツライト」
危険区域での高い安全性
“プリンストンテックの始まりは、「スキューバダイビングをもっと安全なスポーツにしたい」という創業者ビル・ステファンの思いがきっかけ。1975年、ニュージャージーにあるダイビング用品店のバックルームで開発をスタートして以来、さまざまなハイスペックスポーツライトを提供し続けている。
その特徴は、なんといっても高い防水性と機能性にある。現在は、アウトドア、ダイビング、バイクの3カテゴリーをカバーし、幅広いラインアップをそろえている。なかでもアウトドアシーンで注目を集めたのがEOSなどのヘッドライトシリーズ。
EOSはUSアーミーを始め、多くの州警察、電力会社、鉄道、水道局、ガス会社などで正式採用されているが、その理由は揮発油や可燃性ガス、発火しやすいガスを保管するような危険区域での安全使用を可能としているからだ。同社の多くの商品がULマーク(米国安全規格保障マーク)を取得していることからも、そのクオリティの高さがうかがい知れる。
そしてこのEOSシリーズの経験を生かし、さらにパワフルな光や機能性、耐久性が求められる環境での使用を考慮した製品がAPEXシリーズ。LEDを用いて200ルーメンという光量もさることながら、たった4本の単3電池で駆動され、しかも電池寿命が150時間というからすごい。”
EOS
プリンストンテック社の定番モデル。光量を維持するバッテリー回路や耐久性の高いボディが特徴。\6000
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国:アメリカ 創業年:2010年
「日常的に使用できるバックパック」を集中開発
デザインへの思いから
“無駄を極限まで省き、スマートかつスタイリッシュなバックパックを世に送り出す「ボレアス」は、米国サンフランシスコで2010年に創業した新しいブランドだ。
アウトドアグッズの未来に関して同じビジョンを持ったデザイナーが集まり、このブランドを立ち上げた動機は、「ゆっくりと時間をかけてデザインし、何度も手を加え磨き上げながら、最高のデザインを追求していく場を持ちたい」という思いだった。デザインの良し悪しはブランドの有名、無名には左右されない。「時間と、テストと、集中力を傾けることでのみ、最高のデザインを生みだすことができる」という強いポリシーを持っている。そんな思いを形にするために選んだのは、アウトドア業界のなかでもあまり注目されていない、「日常的にも使用できるアウトドア・バックパック」だった。
本格的なアウトドアシーンで使用するには、軽量で、多彩な収納スペースなどの機能性が要求される。しかし収納を増やすと、デザインは野卑なものになりがち。それを解決したのが「取り外し機能」だ。自分のプランに合わせて自由に重量設定ができる。また重心をセンターに寄せることで、荷物をスタイリッシュに効率的に運べるようになった。こうして洗練された美しさと機能性を兼ね備えた製品が生まれた。デザイン性も優れ、自転車通勤、バックパッキング、トレイルランニングなどの用途に対応するボレアスのバックパックは、価格も魅力的。”
Lost Coast 60
ボアレスを代表する製品のニューモデル。ジグザグにカットされたバックパネルは通気性が高い。バックフレームとトップリッドが簡単に取り外せるなど多彩なギミックも魅力。
国:アメリカ 創業年:1979年
最高の実用性と耐久性を求め、ギアの開発を続ける
デイパックとウエストバッグの融合
“マウンテンスミスは、ロッキー山脈の厳しい自然でも耐えうる実用性と耐久性を備えたギアの必要性のもと、アウトドアをこよなく愛するパトリック・スミスによって生み出された。
特徴的なのは、1980年代前半に開発されたランバーパック。これはデイパックとウエストバッグを融合させたもので、デイパック同等の収納力を備えながら、従来のウェストバッグにはない快適で安全なサスペンションを有している。”
GRANDTOUR CLASSIC
90年代の人気モデルの復刻版。スミスならではの抜群のフィット感を誇る。32ℓ、1030g。\17,000
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国:アメリカ 創業年:1993年
常識にとらわれない先鋭的な発想が、新しいスタンダードを生み出す
設立からわずか90日で新製品発表
“マウンテンハードウェアは、最先端の素材や技術をいち早く製品化し、常に業界をリードするトップブランドとして知られている。
創業は1993年。創業スタッフの中心は、業界で長年の経歴を持ち、自らも熱心にアウトドアスポーツに取り組んできた4人のメンバー。会社設立からわずか90日でふたつの製品を発表したと聞けば、彼らがいかにエネルギッシュな精鋭だったか想像できるだろう。最初の製品であるエクスポジャーパーカとサブゼロジャケットは、ロングセラーとなった。
物作りの理念は「Radical Thinking(先鋭の発想)」。それまでの常識にとらわれない柔軟な発想で数々の名作を生み出し、新たなスタンダードを作り出してきた。アイテムはウエアを始め、バックパック、テント、寝袋と多岐にわたる。
最新のトピックは、独自に開発した防水透湿テクノロジー、ドライのだ。防水性、透湿性に加えて通気性も備えるこの技術により、ウエアを着た瞬間から透湿が開始されるという。既存の素材に満足しない、新たな挑戦の始まりだ。スタートからいままで、新しいものを生み出そうとする情熱は、まったく衰えることを知らない。”
ドライステインジャケット
独自の新防水透湿テクノロジー「ドライQ」を採用するジャケットは登場したばかり。今後の展開に注目が集まる。\60,000
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国:アメリカ 創業年:1974年
「生還するためのプロダクト」にこだわる信頼あるアルパインブランド
極限下で命を守るギア
“1971年、当時大学生だったエリック・レイノルズとデイヴ・ハントリーのふたりは、学校授業で開催されたアラスカ氷河研究プロジェクトで知り合った。彼らは氷上の授業で快適に過ごすには、どのようなウェアがあればいいか語り合う。この出来事が後に作られるマーモットの作品第1号、ダウン製品の誕生につながったといえる。
1973年、ふたりは寄宿舎を工房代わりに、3つのダウンウエアとマイナス45℃まで使用可能なスリーピングバッグを作製。翌年、友人のトム・ボイスを招き、3人でコロラド州グランドジャンクションにマーモットを創設した。
1976年、彼らはゴアテックスという画期的なマテリアルと出会う。さっそくその素材を使ったスリーピングバッグを製作し、過酷な状況下を想定した防寒・防水テストを行なった。食肉用冷凍庫に7連泊、消防用スプリンクラーな。どを使ったハードなーテストの末、満足いく結果が得られたため、すぐさまその素材を大量購入し、ウエアやスリーピングバッグに取り入れていく。現在、ゴアテックスはあらゆるウエアに使われている。が、アウトドア界でいちばん初めに採用したのはマーモットだ。
いまや世界四カ国で展開する一大ブランドに成長したが、創業以来から持ち続けているフィロソフィーは変わらない。それは「FOR LIFE」という、生命を守り、生還できるプロダクトを作り続けること。マーモットは今日も極限下に向かう人々をサポートし続けている。”
8000Mパーカ
8,000m級高峰へ挑戦する人をサポートする、命を守り、生還すらための製品の象徴モデル。\80,000
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国:アメリカ 創業年:2000年
新しい技術や素材を取り入れ、革新的デザインの斬新なパックを生産
背負いやすさの徹底追求
“創業者のグリーソン氏は、パックブランド「デイナ・デザイン」の創業者でもある。1995年にK2社にデイナ・デザインが買収された後、さらに腕を磨くため、またパック職人でありたいという思いから、ミステリーランチを創設した。
そのデザイン哲学は「抜群の使い心地と、並外れた耐久性のパックを作る」ということ。各分野のプロフェッショナルに最高のパックを送り出すため、通常使用では過剰とも思えるほどの堅牢さ、フィッティングや使い勝手の追求など、細部にまでこだわった製品作りをボーズマンの自社工場で行なっている。
前面の縦型ツインポケットが特徴的な「グレイシャー」は、グリーソン氏が最初に手がけた大型パックのデザインを継承。長年の経験で培った信頼あるフレームシーステムや、伸縮自在のショルダーパッドシステムを採用。”
グレイシャー
テント泊縦走に適した68.8ℓのパック。背中に沿って荷重を伝達させ、快適な背負い心地を提供するガイドライトフレームを採用。\100,000
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国:アメリカ 創業年:1981年
靴職人の腕試しが30年間愛される靴を生んだ
生みの親は腕利き職人
“ちょうど30年前、アメリカのアウトドア雑誌『バックパッカー』に、「北米で最も機能的で快適な靴」として、ある靴職人が誌面を飾った。彼はカウボーイブーツの職人で、腕試しに作り始めたハイキングブーツが、素晴らしいというものだった。偶然その記事を見つけたクラーク・マティスとジョン・シュバイツァー。ふたりは勤めていたスキーメーカーからの独立を視野に、優秀なハイキングブーツ職人を探しているところだった。これぞ渡りに船、すぐにその職人に連絡を取りつけた。職人の名前はランディ・メレル。間)なくして「メレル」は産声を上げることとなった。
物作りに妥協を許さない職人気質のメレル、製品化に向けて生産過程のバランスをとるマティスとシュバイツァー。3人の努力が実り、のちに名作となる「ウィルダネス」は、このとき誕生した。また元オリンピック選手というマティスの実績を活かし、スキー板やブーツも手がけ、メレルは着実に大きなブランドへと成長していった。
そして、1990年代末からジャングルモックやカメレオンを発表、不動の人気を得る。履き手を限定しない自由な靴。多様化する2000年代のアウトドアライフをいち早くとらえたメレルの展開は、他の追随を許さなかったといえるだろう。誕生から30年、この先20年も決して目が離せないブランドだ。”
ウィルダネス
名品は色あせない…。継承される人気モデル。メレルの原点ともいえる「ウィルダネス」。レザーの重厚なブーツだ。現在のラインナップは、イタリアの靴職人がていねいに仕上げている。
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国:アメリカ 創業年:1997年
軽量でフィット感に優れる新世代シューズは、トレランから始まった
80万人の足型を解析
“1988年、モントレイルの前身、ワンスポーツが誕生した。彼らが目指したのは、当時主流だった重く硬いブーツを、より快適に作り換えること。1996年には、トレイルランニングシューズの元祖といわれるヴィテッセをリリースする。ヴィテッセはモントレイルに引き継がれ、最初のエポックとなった。
1997年には社名をモントレイルに改称。同年、インテグラフィット技術を考案する。これは、80万人以上におよぶ男女の足型をデジタルスキャン技術で解析し、そのデータをもとに開発した独自のラスト(足型)テクノロジー。こうして生み出される一足はフィット感に優れ、軽く、速く走れるシューズとして瞬く間に全米で評判となった。
その後はトレイルランニングからアドベンチャーレース、バックパッキングにも対応するさまざまなモデルを開発。従来の登山靴とは一線を画す、新時代のシューズを手がけるメーカーへと成長を遂げた。”
バッドロックミッド アウトドライ
新防水透湿技術、アウトドライを採用。アッパーとメンブレインは接着してあり、水分を含むことによる重量増や透湿性低下を防ぐ。\18,000
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国:アメリカ 創業年:1971年
コンパクトで安全にキャンプシーンに炎の灯りを持ち込む
テント場に温かい灯を
“1971年よりキャンピングギアの製造を続ける会社「インダストリアル・レボリューション」の1ブランドとして生まれたUCO。スキーブーツのバックルから製造を始め、最初にヒットした商品がこのオリジナルキャンドルランタンであった。
それまで登山に持っていくキャンドルといえば、非常用の裸ろうそくのみ。このキャンドルランタンの登場で、コンパクトにかつ安全に炎を持ち運べるようになった。重量は110~180gで、装備に加えるのを迷わない軽さもウリだ。
また、キャンドルランタンのほかに、コンパクトなLEDランタンや水に濡れても着火するマッチなど、キャンプシーンを明るく照らし出すアイテムを中心に展開している。”
キャンドル ランタン
内蔵されたスプリングがキャンドルを底上げし最後まで使える定番のキャンドルランタン。重量180g。\3000
国:アメリカ 創業年:1895年
オートキャンプの普及に貢献した老舗ブランド
高所登山から・オートキャンプまで
“1885年、ニューヨーク州で荷馬車用の幌メーカーとして創業。アウトドアレジャーが興隆する1940年頃からキャンピングテントの製造を開始した。1960年代からは数々のヒマラヤ遠征隊をサポートし、1970年代には自然回帰の旅を求めるバックパッカーが愛用。バックパッキングブームがピークを越えた1980年代後半、日本ではオートキャンプブームが到来しつつあった。大型ドームテントが日本にほとんどなかった当時、「ウィンドリバー」は居住性や耐風性の高さ、設営のしやすさで多くのキャンパーに歓迎され、オートキャンプの普及に大きく貢献した。
「ヨーレイカ」とは、ギリシャの数学者アルキメデスが金の純度を測定する方法を発見したときに叫んだ言葉。「わかった! 見つけた!」という意味で、同社の製品を手にしたユーザーの心境を表すものだとブランド名に採用された。”
ティンバーライン2
世界中でベストセラーを誇る、同社の代表的Aフレームテント。高いベンチレーション性能を持つ。\20,000
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国:アメリカ 創業年:1978年
「命を守る」ためにプロの視点から開発
プロ御用達、実戦ギア
“バックカントリーのフィールドで、いかに安全に、実用的に使用できるか。その視点を開発のポイントとし、バックカントリースキーのメッカ、アメリカのワイオミング州ジャクソンホールで活」動していたスキーパトロール隊により、1978年に設立されたのがライフリンクというスノーギアの会社だ。
つまり、開発者自身が過酷なフィールドで人間の命を守るプロ中のプロ。それだけに、試行錯誤で開発された数々のギアは登山家やガイドから熱烈な支持を受け、多くの人たちを雪山での遭難から救い出してきた。
例えば、ブランド創立後のベストセラーであり、力を入れて持ちやすいDグリップと強度とともに面積の大きいブレードを持つピットボスショベル。ハードなバックカントリーで何度)繰り返し試しては改良されており、その流れを汲む現在のガイドショベルというモデルもプロの間で非常に人気が高い。”
カーボンプロ
シャフトはアルミとカーボンを組み合わせ、剛性と軽量性を両立。プローブとしても使用できる仕組みで雪山で便利。\15,000
国:アメリカ 創業年:2005年
必要なものがすぐ取り出せる便利なフロントパック
フロントパックの先進形
“登山中にザックをいちいち下ろさなくても、物を取り出せるのがフロントパックの便利さ。かといって、腰周りにつけるポーチタイプだと、容量が小さすぎたり、大容量の物は腰周りの動きにくさやうっとうしさが気になって敬遠する人が多くいる。
そんなフロントパックの悩みを解決したのがリブズのフロントパックだ。ストラップが肩がけタイプなので体に密着させることができ、その位置胸と腰の中間に保持できるから、腰周りの動きにくさは感じない。そして収容部が左右に別れているので、正面の出っ張り感も軽減される。しかも大きいタイプは容量が14ℓもあり、行動中の必要品ならだいたい収まってしまうというわけだ。
1998年から7年間をかけて試作品を制作、2005年にブランドを立ち上げた。北カリフォルニアの山岳ガイドや釣り師など、プロの意見を取り入れ商品化されたもの。まだまだ進化し続けるフロントパックの先進形のブランドだ。”
フロントパック GREEN(背面ストラップX型)
背面X型の新定番。ストラップ周りが改善され、さらにフィット感がアップしている。
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国:アメリカ 創業年:1975年
必要な工具を収納し、アクシデントにも素早く対応できるマルチツール
経験から生まれたツール
“ブランド名の由来ともなった創業者、ティム・レザーマンが、ヨーロッパを旅行していたときのこと。移動手段は粗悪な中古車だったため、旅先でのトラブルは日常茶飯事。そのたびに修理を繰り返すうちに技術者だったティムは考えた。「プライヤー付きのコンパクトなナイフがあればもっと便利ではないだろうか」。そして生まれたのがレザーマンのマルチツールだった。
いかにも重厚で機械的なシルエットをした本体にはモデルによってラジオペンチやナイフ、ハサミ、ときにはヤスリやのこぎりなど5~19種類のツールがコンパクトに内蔵されている。また、シルバー一色以外のカラーバリエーションも増えている。
現在、100カ国以上で販売されており、その信頼性は世界中が知るところとなった。それは高品質で耐久性のある構造、精密で繊細に扱うことにこだわっているからこそ。アウトドアでもギアが壊れることがまれにある。応急処置できるようマルチツールがあると便利だろう。”
ウェーブ
最もポピュラーなモデル。ベーシックであり、機能的な17種類のツールが収納されている。\16,000
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国:アメリカ 創業年:1967年
ロウ3兄弟の自宅ガレージから始まった、革新的バックパックブランド
輝かしき歴史の始まり
“それは、米コロラド州ボールダーにあった、ジェフ、マイク、グレッグのロウ3兄弟の住んでいた自宅ガレージから始まった。幼い頃から父親に連れられて、登山に親しんでいった彼らは、それぞれが優秀な登山家となっていた。起業のきっかけとなったのは、グレッグとマイクのふたりが計画した米国西部の名峰グランド・ティトンの北壁冬期登山のためのクライミングパック「エクスペディション」を開発したことにある。
それまで米国で主流となっていたのは、フレームがむき出しになったエクスターナル・フレームパックと呼ばれる類のものだ。開発を先導したグレッグはこれを改良して、ミレーを始めとした1950年代に作られた欧州製パックを見本に、フレームをパック内部に内蔵することを考えつく。さらに、バックルを使って背面長を調節可能にしたほか、現在ではあらゆる製品の標準仕様になっている両サイドから荷物を押さえ込むサイド・コンプレッションなども世界で初めて採用していった。
同社設立時には、すでに世界的なアルパインクライマーとして知られていた三男のジェフ・ロウも加わり、その後の製品にはプラスチック・バックルやチェストストラップ、さらに最近ではヒップベルトに空気を入れてフィット感を高めるなど技術革新に余念がない。”
TFX エクスペディション75:95
最大で容量95ℓまでに対応する遠征向けながら、重量2.25kgと軽量化を計ったモデル。伝統の背面調整機能も装備。\60,000
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国:アメリカ 創業年:1981年
ライト&ファストの源流を生み出した軽量パック・ブランド
クライミングギアの新潮流
“米国北東部ニューハンプシャー州ノースコンウェイ。この田舎町に住んでいたマリー・ミューニエールは、シャモニで山岳ガイドを行なってきた家系に生まれ育った根っからの登山家であった。クライミング道具作りにも注力していた彼女は、「アンディニスタ」という、現在のライト&ファストの源流ともいえる軽量パックを生み出す。
取り外し可能なウェストベルト、フォーム製フレームを引き出すとマットレスになるなどの工夫が、軽量化を求めるアルパイン・クライマーのあいだで話題となった。そして、一躍注目のメーカーとなっていったというわけだ。”
フーデッド・プリマロフトジャケット
軽量で温かく、水濡れに強いプリマロフト素材を採用したインシュレーション・ジャケット。リバーシブル仕様でもある。\36,000
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国:日本 創業年:1988年
素材にこだわった温故知新のマウンテンウェア
国産ブランドの矜持
“アクシーズクイン。その耳慣れない名称は、荒野に指す光のように、ブランドのとるべき進路を指し示している。「5つ(QUIN)の軸(AXES)」。その軸とは、ユーザーの立場にあること(CORE)、素材の選定(SOIL)、クオリティチェック(STRENGTH)、ファッション性(BREATH)、使用目的の明確化(FUTURE)。この理念にもとづき、アクシーズクインは独自の、そして日本の山岳環境にそった商品を開発し続けている。
1988年、登山家・小西政継の協力を受けてブランドが生まれると、当時の市場に存在しなかった女性用のウエアをリリース。また、パーテックスやゴアテックス・パックライトといった新素材をいち早く採用。いまでは当たり前となった巻きスカート、ポンチョスーツなどを製作・販売している。
そんななかで生まれたベストセラーのひとつがサンシェードジャケット。このモデルは海外生まれのナイロン・ウインドブレイカーでは蒸れてしまう日本の夏山、低山に合わせて開発。通気性と肌触りのよさを重視しながらほどよい防風性を加味したこの商品は、多くの人に愛されている。
既成の概念や海外の潮流にとらわれず、現場感覚を重視した小回りのきく物作り、その姿勢は今日にも受け継がれている。昨年は「純毛衣服シリーズ」を発表。日本の山岳気象、風土を見つめ直し、それらを知り抜いたマタギや杣人の衣服など伝統意匠に着目。さらには素材にこだわり、紡績、染色、縫製のすべてを国内で行なった温故知新の意欲作。「日本の山を登る」という楽しみ、考え方に一石を投じている。”
スーパーフライレインスモック
ゴアテックス・パックライトをいち早く採用したアクシーズクイン。その経験を集約したプルオーバー。\23,625
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国:日本 創業年:1965年
「熟練」した職人業があればこそ、生まれえた山の快適空間
山岳用テントの職人
“アライテントの創業者、新井睦が生まれたのは1935年のこと。小学校4年生当時、終戦を疎開先の栃木県佐野市で迎えた。成人後いくつかの仕事を経て、8歳のときに両親が仕事上の関係があった東京中野の江古田テントに就職。この江古田テントとの出会いが、同氏を登山用具の世界へと誘っていく。キスリング、サブザック、ウインドヤッケにテントなどさまざまなものの製造方法を学び、自身、ミシンを踏んだ。
1965年。江古田テントの廃業をきっかけに、アライテントを創業。コマクサ印ブランドで自社製品の製造販売をするほか、ICI石井スポーツ、IBS石井スポーツのオリジナル商品のOEM生産をしていた。この頃の代表的なテントは、軽量型のウィンパーテント、ダイヤモンドテンドだった。1969年になると、現在のツェルトの原型となる底つきツェルトを発表。このツェルトが、じつはエアライズへとつながっていく原点である。アライテントではテントのフロアサイズを、このツエルトサイズをもとに人数の増減を勘案しつつ算出しているという。間口18×奥行200kmが基本比率で、型を同じにすることでオプションパーツやリペアパーツを共有できるような工夫がなされているのである。
アライテントの自社ブランドライペンが誕生したのは1982年のこと。1984年には、自立式ドーム型ツェルトとしてライズ1を、翌1985年には最初のゴアテックス製ドーム型テント、ゴアライズーを続けて発表している。ただ、ライズもゴアライズ3フライのいらないシングルウォールだったこともあり、前室があったほうが便利だという声に応えてく年にはエアライズを作っている。このときは、「1」と「2」の2サイズを発表した。こうして、日本の山岳テントを代表する工アライズが世に生み出されていったのである。”
エアライズ2
アライテントの「顔」とも言える山岳用スタンダードモデル。建てやすさ、居住性、携帯性、どれをとっても日本の山岳事情に合致した作りに。日本を代表するテントといっても過言ではない。 / \41,790
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国:日本 創業年:1972年
超軽量ナイロンの採用で、「軽い・小さい・暖かい」を実現
スペシャリストの安心感
“専門ブランドならではの一筋で手堅い物作り、ユーザーにもわかりやすい商品群。そんな奇をてらわない安心感を持っているのが、日本のシュラフブランド、イスカだ。イスカは1972年に創業。初めは国内外の大手メーカーや、販売店の製造工程をメインに請け負っていた。そのなかで生産者として納得のいく物作り、理想にかなった物作りを目指すようになっていく。ノウハウを活かして、ついにオリジナルブランドの開発に着手、現在のイスカが誕生した。
いまでは定番となったエアシリーズ。当時、最も軽量であった東レのナイロン素材をいち早く製品に採用し商品化した。同シリーズは2001年春の発売以来、不動の人気を誇っている。とくに「エア280」のシュラフは500ccのペットボトル程度の重量で日本の3000mの夏山に対応するタイプ、イスカが謳う「かるい・ちいさい・あたたかい」の象徴モデル。秋には同素材使用の300gを切るダウンジャケット「エアーダウンセーター」を発表した。昨年から新たにXシリーズとして、重量、保温性、耐久性など、さらに改良が加えられた。
外国ブランドに比べて派手さは少ない。しかし、1年経っても、2年経っても変わらず、いつまでも快適な眠りを提供してくれるイスカ。基本に忠実に、心を込めた物作りはスペシャリストと呼ぶにふさわしい仕事だ。”
軽量モデルのエアシリーズ
「軽い・小さい・暖かい」2001年の発売以来、人気のシリーズ。エア450X(上)\33,000、エア280X(下)\27,000
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国:日本 創業年:2004年
クライミング時の動きやすさはもちろん、リラックスウェアとしても人気
小山田大完全プロデュース
“フリークライミングでポイントとなるのはパンツ。股を大きく開くことも多いクライミングにおいて、重さと動きやすさにクライマーたちは敏感だ。
インガは2004年にスタートしたクライミングウェアのブランド。プロクライマー小山田大自身が、フィールド使用時のリアルな意見をフィードバックし、製品の開発に活かしていることで信頼感を持たせている。
2011年に登場したゴシップパンツは、薄手のリップストップポリエステルを使用し、わずか200gしかない。そして小山田は、このパンツで数々の世界的難関ルートや課題を攻略してきた。が、意外なことにキャンプのリラックスパンツとしても人気となっている。2012年モデルはさらに軽量化して、165gになる予定だという。
パンツ以外で人気なのが、ニットキャップ。リサイクルシルクを使用しており、天然素材のような質感が魅力だ。”
MUDRA PANT
インガの定番人気モデルをリニューアル。ヘンプ混紡素材を採用し強度が飛躍的にアップした。\14,000
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国:日本 創業年:1998年
ありそうでなかった便利ギアを発信する開拓者
隙間産業的な小物が得意
“備長炭を練り込んだ繊維を使い、アンダーウエア、ソックス、サポーターなどを開発し、「エアモンテ」と名づけたのがブランドの始まり。なかでも「ドラロントレッキングソックス」は広く市場に浸透。ブランド名の認知度が上がるきっかけになり、以後、さまざまなアウトドア用品にもエアモンテの名をつけるようになる。
フィールドで役立つ、ありそうでなかった隙間商品ともいえる製品を探し、ときには開発。ポンチョとしても使えるツェルトテント「ヴィータ」も一押しの自信作。ユニークな品をスタンダードにする開拓者的な存在といえる。”
ヴィータ
天井部分の2ヵ所をロープかポールで固定すればテントに。ベンチレーションから顔を出せば雨具として使用できる。\5,985
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国:日本 創業年:1970年
シンプルなクロスフレームで、美しいフォルムを追求
日本初のドーム型テント
エスパースの創業当時、冬山テントといえばウインパー型とカマボコ型が主流で、設営に手間取り、自立せず、重く収納性のないものだった。そこでスピーディに設営でき、自立し、軽量コンパクトを目指し、日本初のドーム型テント「エスパース」は生まれた。
その後、東レのパラシューートクロスとイーストンのポールを採用し、史上最軽量のマキシムが誕生した。
エスパース デュオ
設営しやすく、軽量・コンパクトを追求したモデル。「フルコネクテッドポールスリーブ」を採用。\50,000
国:日本 創業年:1923年
伝統と信頼、質実剛健を受け継ぐ日本の老舗ブランド
日本の登山界を支え続けて
“1923年3月、台東区蔵前に金属運動具製造販売卸として、前身である「増新商店」が創業。当時の運動会ではスタートの合図に村田銃が使われていたが、創業者の岩井新蔵は花火にヒントを得てスタート用信号器(ピストル)を初めて開発、ヒット商品とする。「EVERNEW」とは、「いつも新しい何かを追い求める」ことを目指した岩井が掲げた商標で、1965年に社名となった。
エバニューの代名詞といえばクッカーだろう。登山用クッカーの製造を始めたのは1940年で、まさに登山ブランドとしての同社を象徴するものといえる。1950年代から1960年代の一大登山ブーム時にはピッケルを数多く製造。当時、登山用品といえばヨーロッパブランドが主流だったが、1ドル360円の時代にそれらのギアは高嶺の花であり、またヨーロッパと日本の山や登山スタイルが違うため、日本の登山者にとっては決して使いやすいものばかりではなかった。エバニューは日本の山に合った登山用品を意識して製造を始める。幸い社員には登山やアウトドアのエキスパートがおり、彼らの経験をもとに、フレームパックやステッキなど、さまざまなオリジナル製品を開発していく。
世界で初めてクッカーにチタンを用いたのはエバニューであり、現在も同社の主力商品となっている。「いつも新しい何か」を追求する情熱と日本の自然への眼差しが、これからも日本の登山者を支えて続けていくのだろう。
”
チタンクッカーセット
チタンクッカーセット Mセラミック(\12,000:上)は、焦げ付きにくく耐久性を高めるセラミック樹脂をコーティング。チタンポールセット(\5,250:下)は、個人クッカーとして使いやすい。
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国:日本 創業年:1914年
国産テントのパイオニア。50年に及ぶこだわりのモノポールテント
日本の気候風土を見据えて
“欧米メーカーが多機能かつ軽量化にこだわるなか、「小川キャンパル」のテント作りの最大の特徴は、日本の気候風土を見据えたうえでの商品開発。季節による寒暖に大きな差があり、かつ多雨多湿な気象条件の下で、フルシーズン快適に使えるテント作りを行なっている。文字通り異色な「黒色テント」や伝統のモノポールへのこだわりは、日本のキャンプ環境で快適に過ごすための機能を研究し、素材を吟味していった結果なのだ。
この「小川キャンパル」、同社の歴史は長く、前身となる「小川テント」は1914年の創業。重布メーカーとしてスタートし、戦前は軍用テント、戦後は山岳テントや野営テントによく用いられた三角テントを製造した。しかし、諸外国ではレジャーとしてのキャンプが盛んであるという情報をつかむと、それまで日本で行なわれていた教育的要素の強い学習活動のキャンプから、「レジャーキャンプ」という新しいフィールドでのチャレンジを開始する。
まず、テント作りの経験を生かして1961年に「オーナーロッジ」を発売。最初の400張を売り切るのに3年かかったといわれるが、これを契機に同社は日本のレジャーテントの先駆けとなった。
また「小川キャンパル」を語るうえで外せないのがモノポールテント(1930年代から販売)。このタイプは立てやすく、アクティブなイメージとともにユニークな形状が注目され、最近再び流行の兆しを見せている。そこで同社では「遊び心」をメインコンセプトに、快適な機能や使いやすいアイディアを伝統のモノポールテントに新たに盛り込んだ。老舗の地位に甘んずることなく、まだまだ挑戦を続けている。”
モノポールテント「ピルツ5」
伝統のピルツシリーズにブラックモデルが登場。黒色は寒い時期、日差しの吸収で内部を暖めるだけでなく、暑い季節は遮光性により濃い日陰を作り出す。\40,000
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国:日本 創業年:1961年
スキーポール発祥の信頼度の高い日本ブランド
安心・安全の国産ブランド
“トレッキングやウォーキング向けのポールを数多く手がけるキザキは、もともとスキーポールの老舗ブランド。日本屈指のスノーリゾート、長野県に本社を置く。創設者の木崎満男はスキー関連のメーカーに勤めていたが、同社が倒産したのを機にスキーポールの製造会社を立ち上げた。後にスキー全盛期が到来することを見据えての独立だ。
設立当初のブランド名はKIZ(キッズ)。OEMによる受注生産も行なっていた。1972年に屋号をキザキに変更し、以後、ブランド名リキザキに。当初のスキーポールの原料は佐渡竹、九州竹、滋賀竹など日本産の竹が主流だったが、木崎は、より強度の高い合竹、スチール、アルミ、カーボンといった素材にいち早く注目し、シャフト素材に取り入れていった。
1987年、アウトドアシーンにトレッキングポールが登場すると、スキーポールで培った丸管アルミ素材の加工技術を生かし、新製品を開発。また、近年流行のノルディックウォーキング用のポールも手がけている。”
KTAB-103BW
木製素材のレトロ調だが、最新技術を搭載するニューモデル。オープン価格
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国:日本 創業年:1976年
アメリカのようなスタイルを日本でも
“金物の町として有名な新潟県三条市を拠点にする「パール金属株式会社」のアウトドア部門としてスタートした。大型のグリルでバーベキューを楽しむアメリカの家族を見て、「このスタイルを日本でも再現したい」と持ち運びに便利な「ジャンボバーベキューコンロA型」を開発し1976年に発売した。
現在はブランドの原点であるバーベキューコンロに加え、テントやシュラフ、キャンプ用品全般を取り扱っている。自然のなかで頼りになる牡鹿(スタッグ)のリーダーのような存在になりたいという願いを込めてキャプテンスタッグと名づけた。”
CS ブラックラベル アルミ背付ベンチ
2人掛けベンチ。焚き火をゆったり楽しめるよう設計されたロースタイルで同ブランドらしい意匠。\7,700
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国:日本 創業年:1954年
軽登山靴から生まれた日本の老舗ブランド
キャラバンからC-1へ
“近年、登山ブームの牽引役となっている富士登山でよく見られるのがキャラバンの軽登山靴、C1-02。日本メーカーならではの緻密さや日本人の足に合った設計など、登山入門者向けに作られているため履き心地もよく人気のモデルだ。
じつはキャラバンの社名は、このC-1の前身であるキャラバンシューズから名づけられたもの。日本人によるマナスル初登頂を目指す際にアプローチシューズとして履かれた軽登山靴のことを、隊員たちが「キャラバンシューズ」と呼んだことがきっかけだ。その当時の社名は「晴れ渡る山」と書いて山晴社だったが、1971年に改名。日本の登山靴メーカーとして確かな製品作りを今日まで続けている。
しかし、2006年にキャラバンシューズは時代の変化とともに廃版となる。ここで一度キャラバンシューズは終わりを迎えるわけだが、その2年後の2008年には現代版キャラバンシューズとなるC1が復活。その後はマイナーチェンジをし、カラーバリエーションを増やしたり、スペシャルモデルのC1・SPなどをリリースしたりと怒濤の勢いでシェアを広げ、日本の登山シーンに再び浸透。
登山靴以外にも渓流シューズやレインウエア、スパッツなどのウェア類から小物まで幅広く展開。さらにはガルモントやカンプ、シートゥサミットなど海外の人気ブランドを展開するなど、代理店としてアウトドア業界全体に進出している。”
C1-02
2009年に発売された、登山初心者に最適なモデル。キャラバンシューズの流れを受け継ぐモデルで、低価格でありながら機能性にも優れており、人気が高い1足。\14000
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国:日本 創業年:1973年
数多くの登山家が信頼する職人製法×オーダーメイドの登山靴
足周りこそオーダーメイド
“登山靴を他人と貸し借りをすることはない。足型は百人百様、しかも自分の足でさえ、左右の大きさや甲の高さが違ったりするからだ。つまり、左右同一サイズで売られている既製品の靴が合わないのは当たり前で、みな、我慢を強いられているのが実情。一度オーダーーメイドの靴を作ると、リピーターになる人が多いのは、自分の足にフィットした靴の快適さが忘れられないからだ。
ゴローではまず、足の緻密な採寸をする。甲周りや踵の形状なども調べ、「カルテ=個人データ」が作られる。だから外反母趾の人も安心できるのだ。_1973年に東京巣鴨に店を開いた森本勇夫は、革靴職人だった父・五郎のもとで職人技を学び、植村直己ら数多くの先進登山家の靴を作って評判を高めた。客の足の綿密な採寸はもちろん、作った後の微妙な修正なども引き受ける誠実な姿勢で、多くの顧客を抱え、今や日本の登山靴職人でも随一の評判。
その技は若い職人にも引き継がれ、重登山靴やチロリアンだけでなく、街歩きの革靴のオーダーメイドも引き受ける。”
ゴロー S-8
革製登山靴のよさを訴える、ゴローを代表するエスハチ。スリーシーズン~冬山入門用。オーダーで深型も可。\35,000~\55,000
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国:日本 創業年:1983年(誕生年)
アウトドアへの女性進出に応えるために生まれたブランド
アウトドアはもちろん街でも
1970年代半ばにアメリカから本格的なアウトドア文化が上陸すると、まさに「アウトドアブーム」とでも呼ぶべきものが起こった。初めは流行に敏感な若者、それも男性が中心だったが、1980年代になると年代も幅が広がり、女性もアウトドアスポーツに進出するようになった。
そうした要請に応えるため、男性をターゲットにしたタラスブルバとは別に、ジェーンリバーが誕生した。
スポーツウールジップシャツ
素材にポリエステルとウールを使ったスポーツウールを採用。高い吸汗速乾性能によって、スポーツで汗をかいてもすみやかに大気中に放出する。\10,000
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国:日本 創業年:1946年
長年培われたスキーポール製造のノウハウを、トレッキングポールに
日本人の手になじむ技術
“スキーポールの世界では、圧倒的なシェアを誇る「シナノ」。ブランド名は、本社のある長野県の別名「信濃の国」に由来する。創業以来の事業であるスキーポール製造の技術とノウハウを活かし、トレッキングポールの製造に着手。国内メーカーとして、日本人と日本の自然をべースにした安全で使いやすい商品を提案し続けている。
トレッキングポールに参入した「シナノ」は、ピッケルの形状をヒントにして作られた1字型グリップのダブルストックタイプに力を入れた。両手にポールを持つことにより4点支持で安定して歩くことができるからだ。また、日本人の手になじむフィット感、収納しやすいサイズ、そして疲れにくい形状にもこだわる。使う人の体型によって、ワンタッチで簡単にサイズ調節でき、確実に固定する「ファストロック」を開発、搭載して話題となっている。”
サントレースト Fast-125
ファストロック式ポール。ロック部は流線型でパックへの出し入れに便利。最長125cm、3段階調節。\18,000
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国:日本 創業年:2008年
町工場から生まれたガレージブランド
“板金業を営む高久笑一は、あるとき板金で出た端材を利用して小さな焚き火台を自作。キャンプ仲間の間でも評判がよく、ブランドを立ち上げることに。
その後’12年の夏には米国開催のトレードショーに出展し、日本の精巧な板金技術から生まれた耐久性の高い焚き火グリルを海外へ発信。現在は、アルミやチタン製の軽量かつコンパクトに収納できるテーブルも作っている。”
B-GO
テスト販売で即完売しレギュラー化した、B5サイズに収納できる焚き火グリル。\6,500
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国:日本 創業年:1993年
イタリアの職人が日本人のために作る登山靴
フィット感のよさが身上
“前身は、イタリア・アンロ社創業時から同社のブーツを扱う日本の代理店だった。社長の花香昌男は、さらにそれ以前より、長らくイタリア製ハイキングブーツと関わってきた。「日本人の足に合う靴を、イタリアの製靴技術で作りたい」、それが創業のきっかけである。
理想の靴を作るにはさまざまな制約があったが、長年の経験で作り上げたネットワークを生かし、イタリアの製靴技術者、デザイナー、木型屋、皮革メーカー、ソールメーカーを始め、日本のオピニオンリーダーまでが一丸となってシリオは誕生した。欧米の靴を日本人向けにアレンジしたのではない、最初から日本人のために作られた日伊共同開発の一足である。
モデルによってはサイズと別に3種類のワイズを用意し、甲高広といわれる足にもぴったりとフィット。中級クラス以上の靴は、修理対応を前提とする。快適で長くつき合える靴、それがシリオの魅力である。”
P.F.662-GTX
基準は、日本人の半数以上になる縦と横の比率が10:4の足。現在の旗艦は6シリーズ。3種のワイズが揃う。\40,000
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国:日本 創業年:2009年
着圧を利用した高機能タイツ
一般医療機器のお墨付き
“高い運動機能性と優れた快適機能性を合わせ持つコンプレッションウエアとして2009年にデビューしたC3fit。製品は、血液の循環を促して体の疲れを軽減する「パフォーマンス」系と、テーピング効果で筋肉の動きを助け、膝や腰を守る「サポート」系に大別され、使う人の求める効果によって選べる。
特筆すべきは「パフォーマンス」系のタイツ商品には「一般医療機器」として非常に効果的な血行促進効果を持つものが含まれていること。それだけに足を通じて体全体のコンディションを向上させる機能は強いが、正しい着用が必要だ。
日本人の体に合ったシルエットには無駄がなく、心地よい使用感。タイツ以外にアームカバー、ゲイター、半・長袖のトップスなどのバリエーションも多く、機能系ウエアとして業界を牽引する存在だ。”
パフォーマンス ロングタイツ
筋肉の無駄な振動を抑えつつ、足首から太ももまでかかる圧力を段階的に変え、血行促進効果を発揮。\10,000
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国:日本 創業年:1991年
今や当たり前になった高機能アンダーのパイオニア
体型補正下着を応用
“CW-Xを手がけるのは大手下着メーカー、ワコール。1980年後期、同社の研究所関係者がスキーで膝の靭帯を痛め、テーピングで保護したことが開発のヒントになった。すでに社内では、体型補正下着の圧力を健康維持に役立てる研究が行なわれおり、先ほどのケガによるヒントをきっかけに、テーピング効果を組み込んだウエアの開発がスタートした。
下着製造で培ったノウハウがあるため、伸縮性素材の扱いは得意分野。学術機関の協力も仰ぎ、運動時の筋電変化のモニタリングなど、2年の歳月を経て新商品を作り上げた。
1991年に初めて発売したモデルは女性向けのサポートタイツ。翌年にメンズ|用も販売し、各部位のサポート性能をアップ。以後、次々と新モデルが登場している。”
レボリューションモデル
最新モデルは、縫い目を無くすことでさらに快適な着用感を実現。サポート機能も充実し、デザインも数タイプある。\18,000
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国:日本 創業年:1958年
町工場の金物職人の技が集結する、世界が認めたメイド・イン・ジャパンブランド
創業者の山井幸雄は谷川岳に足を運ぶクライマーだった
“1950年代後半、市場に流通していたクライミングギアに不満を覚えた山井は、町の金属加工工場にアイゼンやハンマー、ハーケンなどを自ら注文し、それらを山に持ち込んで試行錯誤を繰り返した。その完成度の高いギアを市場に流通させたのがスノーピークの起源だ。
スノーピークが本社を置く新潟県中央に位置する三条市は、腕のいい金物職人を抱える日本有数の金物の町。会社設立以来、その職人たちの技と「野遊びのプロ集団」が切磋琢磨し合い、革新的なギアをいくつも世に送り出すことになる。
現社長の山井太が入社してからは、車を使ったオートキャンプ指向が強くなった。しかし、軽くて、コンパクトで高品質のギア作りは、先代のパイオニア精神を受け継いで、もちろん続けられている。
その代表となるギアが1998年、世界最小、最軽量のストーブとして世界を驚かせた「ギガパワーストーブ地」だ。地場産業の地盤があるスノーピークは金物、とくに加工が難しいチタン製品が充実している。例えば、コッヘル、シエラカップ、カトラリーなど誰でもひとつは持っているだろう。
昨年、積雪が2mにもなる丘陵地にキャンプ場を併設した本社を構えた。隣のキャンプ場と開発室を行き来しながら新しいギアが育っている。そして、今年あっと驚く登山道具を発表する予定だという。”
ギガパワー ストーブ他
「ポケットに入るストーブ」というコンセプトのもとに開発された世界最小・最軽量(当時)ストーブ。かつ高出力を維持するとして、1999年、米国「バックパッカー」誌エディターズチョイスを受賞。\5,000
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国:日本 創業年:1992年
品質と斬新な発想で高い評価を受ける国内ブランド
安全性=高品質
“工業用の燃焼器具メーカーとして1978年に新富士バーナーが創業し、アウトドアブランド、ソトが誕生したのは、それから14年後の1992年のこと。きっかけは、ブランド誕生の2年前、1990年。当初、工作用ツールとして開発された手のひらサイズの耐風バーナー「ポケトーチ」が反響を呼んだ。
勢いよく燃える炎は風が吹いてもすぐに消えることがなく、アウトドア業界という思わいところで支持を受けた。これをきっかけにアウトドア業界に進出し、ソトブランドの立ち上げとなった。
その後はキャンプを対象としたストーブやランタンなどを開発し、着々と実績を積み上げていくなかで、登山用ストーブへと進出していくことになる。その足がかりとなったのが、カセットガスを燃料とした「レギュレーターストーブ」だった。気温の影響を受けやすいアウトドアフィールドにおいて、力セットガスは安定した火力に難があった。しかし、マイクロレギュレーターと呼ばれる独自の構造により問題を解消。さらにストーブ本体の小型化にも成功し、低山ハイキングに対応するストーブが生まれることとなった。
近年はアウトドア缶を使った「マイクロレギュレーターストープ」が軽量コンパクトさと高い性能で一気に火がつき、プレヒート不要のガソリン燃料を使った「MUKAストーブ」が話題になるなど立て続けにヒット。製品すべてが国内で製造され、安全性=最高の品質と考え、細部にいたるまでこだわりと自信をうかがわせる。
斬新な発想と、それを具現化する高い技術は、今後もあっと驚かせる商品を生み出すだろう。”
MUKAストーブ
予熱不要のガソリンストーブは、米国「バックパッカー」誌エディターチョイス スノー2011を受賞。\18,000
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国:日本 創業年:1976年(誕生年)
アメリカのアウトドア文化を日本に普及させた立役者
日本になかったアウトドア
“日本初期のアウトドアブランド、タラスブルバの誕生は1976年だが、その前年の1975年は日本のアウトドアにとって重要なターニングポイントに当たる。その年発行された雑誌『MadeinU.S.A』がワークブーツ、ジーンズ、ナイフなどのアメリカ文化を日本に紹介。同時にそれまで日本にはなかった「アウトドア」という概念も上陸させた。例えばそれは、登山ではなく草原を歩くトレッキングであり、漁ではなくスポーツフィッシングという概念だった。
こうして本格的なアウトドア文化日本上陸の翌年創業したタラスブルバは若者たちから圧倒的な支持を受ける。当初は5店舗でのスタートだったが、翌々年には一気に50店舗に拡大するほど、その人気は絶大なものだった。
アウトドア文化の普及とともに、ファッションとしてのアウトドアウエアも一気に広まり、街にはスーツの上にマウンテンパーカを羽織る20代、30代の男性であふれたという。まさに、日本のアウトドア文化とアウトドアウエアはともには、タラスブルバによって広められたといっても過言ではないだろう。”
ショーラーコールド ブラックパンツ
吸水撥水性の素材を使用し、表面は撥水加工が施されている。伸縮性があるので、アウトドアでの動きを妨げにくい。\23,000
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国:日本 創業年:1971年
ヒマラヤで鍛えた吊り下げ式ドームテントの発明者
名テント職人の魂が宿る
“タイヤメーカーとして絶大な知名度を持つダンロップだが、アウトドア用品を「副業」などと思ったら評価を誤る。登山用テントのスタンダードである吊下式ドームテントの第1号は、ダンロップ製なのだ。
神戸の山岳テント職人・友光幸二の発明に、住友ゴム(ダンロップの親会社)に勤務していた日本山岳会の平林克敏(植村直己・松浦照夫に続くエベレスト第2次アタック隊登頂者)が着目し、製品化が実現。高次元で実現された耐久性と安全性は、ヒマラヤで鍛えられたものなのだ。”
カラコルムテント
画期的発明となった「カラコルムテント」。オレンジ色は、雪崩で埋まっても発見しやすいように決めた。
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国:日本 創業年:2008年
ジャクソンホール発、ニセコ育ち。現場ベース開発のアウトドアクロージング
着用時のストレスを可能な限り排除
“ティートンブロスのアイテムはシンプルで機能的。軽量化の一環に採用された細いシームテープやアナトミカルなカッティングは、オーダーメイドの高級スーツのような最高の着用感を生む。特徴的な機能としては、ヘルメット着用時もかぶることのできるフード、寒気の進入を防ぐ高めの襟、そしてグローブをしたままつかみやすいジッパープルなど。ウエア着用時のストレスをできる限り排除するために、実際にフィールドに出て機能的であるかどうかのテストを欠かさない。
このブランドの歴史はまだ始まったばかり。アウトドアの聖地、ワイオミング州ジャクソンホールに魅了された創設者が、彼の地での経験にもとづき、アウトドア活動の素晴らしさを日本に伝えるべく2008年から行動開始。「日本に合う本物のアウトドアクロージングを作りたい」との思いから多くの仲間たちと開発改良を繰り返した。そして最初のモデル、「TBJacket」が2009年に完成した。
このモデルを今年はさらに進化させ、次世代素材と呼ばれる「ネオシェル」使用のジャケットを発売。通気性は従来の最高レベルの生地の2倍以上、過酷な条件での使用に心強いパートナーとなっている。”
TB NEO SHELL JACKET
ソフトシェルの通気性・換気性を維持し、ハードシェルの防水機能を兼備する防水透湿素材を使用した次世代ウェア。\60,000
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国:日本 創業年:1984年
町の鍛冶屋と登山家が一緒に作った「ハーケン」が出発点
クライマーのブランド
“ナチュラルスピリットは、MSRやサーマレストなどを国内で輸入販売する代理店モチヅキのオリジナルブランドだ。「創業者の望月亮は、谷川岳に通うトップクライマーだった。市販のクライミングギアに不満を感じ、町の鍛冶職人に話を持ち込んで自分が納得いくハーケンやカラビナ、アイゼンなどを作らせた。そのクライミングギアを関東圏の登山用品店に卸したことが、ナチュラルスピリット、モチヅキの原点だ。
金物の町として栄えた新潟県三条市に本社を構えるモチヅキは、地場産業の地盤を活かしナイフやコッヘルなどの優れた金属製品を世に送り出している。”
軟鉄ウェーブハーケン
強度に優れるクロモリ銅製のモデルのなかでも最も頑丈なタイプ。このハーケンにこだわるクライマーはまだ数多くいる。\800
国:日本 創業年:1995年
長年培われた羽毛使用の技術による「最高品質の国産シェラフ」
修理費永久無料の自信
“ダウンの品質に定評がある「ナンガ」は、1941年に創設された布団屋から始まった。羽毛布団の縫製を経て、シュラフやダウンジャケットの縫製に携わるようになった。アウトドア用品を扱うメーカー「ナンガ」としての創業は1995年だ。
羽毛布団からスタートした「ナンガ」のこだわりは、もちろんダウンの品質。欧州から輸入した羽毛を国内工場で徹底して除塵、除菌、殺虫する。国内生産にこだわり、熟練した職人によってひとつひとつていねいに作られている。高度な縫製技術は期待以上の軽量・コンパクト化を実現。代表的な冬山用でも収納サイズは18×41cm、重量も1150gになるという。また自慢の縫製技術と表地の防水加工により、家庭での洗濯が可能となっている。
「ナンガ」のシュラフは、修理費用無料の永久保証。このようなことができるのも、永年にわたる生産を通じて得た独自のノウハウと自信から。シュラフはすべての修理や仕立て直しなどの希望にも対応している。”
オーロラ 900SPDX
表生地に透湿防水素材オーロラテックスを使用し、シェラフカバーなしで使える。保温性も優れている。\80,000
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国:日本 創業年:1968年
道具に精通した登山専門店が送り出すオリジナルブランド
登山店の目線で製品開発
“1968年、ショップのスタッフが南米チリのパイネ山群に遠征を行なったことから名づけられた、石井スポーツグループのオリジナルブランド。石井スポーツは登山専門店で、道具に関する豊富な知識に加え、ユーザーの声を直接聞くことのできる立場にある。それゆえ、他ブランドの利点を活かしつつ欠点を改良する、といった製品開発が行なわれている。
そのアイテムは、ウエアを始め、テーント、バックパックク、スリーピングバッグ、ポール、グローブなどのアクセサリーと多岐にわたる。なかでも、ゴアテックスを使用したシングルウォールテント「ゴアライトテント」は、その性能と軽量・コンパクトさで高い評価を得た。現在は、ゴアテックスよりも透湿性が1%向上した防水透湿性素材「X-TREK」を使用した後継モデル「G-LIGHTテント」や「GLIGHTXテント」が販売されている。
ウエアでは、現在発売されている「ゴアテックスインスパイアXレインスーツ」がパイネを代表する製品といえる。アウトドアの専門家に支持されている「ゴアテックス・プロシェルストレッチ」を、世界で初めてレインウエアに採用したモデルだ。この素材は、最高レベルの防水透湿性と、身体の動きに追随するストレッチ性に優れるので、雨天時も快適に行動できる。フィールドで安心の耐久性を備え、携帯性を考慮し軽量化(600グラム)も図られている。カラー展開の異なるレディスモデルもある。”
ゴアテックス インスパイアX レインスーツ
最先端素材「ゴアテックス・プロシェルストレッチ」を使用したレインスーツ。雨天時の快適さと動きやすさを徹底的に追求している。フロントポケットとサイドポケットには止水ジッパーを使用し、使いやすさと軽量化を実現。\40,000
国:日本 創業年:2011年
誰もがフィールドに出たくなるようなアイディアと機能性
デザインも機能性も進化
“アウトドア各誌でもおなじみ、ホーボージュンの弟、プロダクトデザイナー齋藤徹が、2003年に立ち上げたブランドが「ホーボーグレートワークス」。2011年、ブランド名を「パーゴワークス」に変更し、よりトレッキングユースに適した商品開発を目指す。
モットーは、日本発信のアウトドアブランドとして、ユニークかつ実践的な商品作り。斉藤は普段自らがトレッキングで使用していた手作りのマップスをもとに、元祖チェストバッグ、パスファインダーを開発した。さらなる試作とテストを繰り返し、大幅モデルチェンジしたバッグは、「パーゴワークス」の代名詞として進化を続ける。
徹底したフィールドテストによる機能性を持たせながら、デザイン面では愛着を持って長く使えるように、カスタムや修理が容易にできる合理的な構造を追及している。”
パスファインダー チェストバッグM
チェスト、ショルダー、ウエストとして使える3WAYバッグ。新モデルは軽量化と防水性の向上を達成。\6500
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国:日本 創業年:2004年
エキスパートが納得するもの“だけ”を作るために生まれた気鋭ブランド
偶然、出会ったふたりのプロフェッショナル
“ファイントラックというブランドが誕生したのは“偶然の出会い”がきっかけだった。クライミングやカヤックなど多くのアウトドアスポーツを経験した金山洋太郎と、スキーカヤックのエキスパーである橋本剛は、とある川で頻繁に出会うようになる。四季を通じてアウトドアを楽しむふたりは、自然と意気投合し、一緒に出かけるようになっていった。
当時、金山は国内の大手アウトドアメーカーで企画開発の責任者だったが、会社が大きくなるに連れて、「真のヘビーユーザーが満足できるものを作れているか?」というジレンマを感じるようになっていた。一方、外資系企業で戦略マーケティングを担当していた橋本は、「アウトドア業界で仕事がしたい」と考えていた。そんなふたりが出した答えが、「自分が働きたい会社を自分たちで作る」といことだった。
豊富な繊維の知識とコネクションのある金山と、外資系の緻密な戦略マーケティングを知る橋本。ふたりのシナジー効果により創り出される商品は、上級者になるほど真価を実感できる。”
フラッドラッシュ ジップネック
ポリエステル繊維をかさ高構造で織り、耐久撥水加工を施すことで水中での保温性と通気性を両立。水に濡れるアクティビティに画期的な快適性を実現。\13,000
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国:日本 創業年:1952年
オリンピック選手が持ち帰った一着、スキーウェアメーカーの挑戦
絶え間ないチャレンジ
“創業者である田島一男は、とても好奇心旺盛な人物だった。例えば、スキージャンプに熱中して全国大会に出場したり、カヌーの激流下りに挑戦したり、ハンググライダーを試作してみたりと、あふれるアウトドアマインドの持ち主。その精神が堅実な物作りにも活かされてきた。
創業当時、アメリカに留学していた猪谷千春(冬季五輪メダリスト)が帰国した際、ナイロン製のジャケットを持参してきた。それを手にした田島は、軽さと高い防風性に驚き、「これからはナイロン素材だ!」と確信する。そのころ田島は大正時代からあまり進化のないスキーウエアに着目。これは最適な素材だと先見したのだった。
さっそくナイロンを唯一扱っていた東洋レーヨンに生地の開発を持ちかけ、製品化に結びっけた。その後、ゴルフやトレーニングウエアを発表、スポーツメーカーとしてのデビューを果たす。なかでもスキー用ジャケットの「スラローム・ヤッケ」は好評を博し、フェニックスといえばスポーツウエアという信頼感寺周知されるようになった。
1978年には、ダウラギリ遠征隊にウエアを提供。ノウハウを活かし、ヒマラヤに対応できるダウンウエアを日本で初めて製作した。そして、一昨年に発表された「体温を奪わないレインウエア」のエピックエクストリームジャケットは、完全防水に加え、雨を徹底的に撥水し表面に水を留まらせない仕組み。そのため気化熱による体温低下を防ぎ、「体温を奪わない」。まさにレインウェアの本質を突いた画期的なものだった。
創業時の物作り気質はいまも変わらずに受け継がれている。日本人による日本人のための、誇るべきニッポンブランドだ。”
体温を奪わないレインウェア
協力撥水で仕上げた「エピックエクストリームジャケット」。山岳条件を考慮した次世代レインウェアになっている。
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国:日本 創業年:1982年
日本の気候と日本人の体型に合ったクロージングを追求
日本の気候に合う国産品
“フォックスファイヤーはルアー&フライフィッシングギアの輸入販売を手がける、ティムコから生まれた国産ブランド。同社はアメリカ製のフィッシングギアを日本に紹介してきたが、その一方で、日本に合ったフィッシング・クロージングを開発したいという情熱にも駆られていた。当時、フライフィッシング用のベストといえば数少ない海外製品があるのみで、どれも使いやすいとはいい難い物だったからだ。
日本ならではのフィールドと日本人の体型に合ったベストを作るプロジェクトはフォックスファイヤーと名づけられ、これがそのままブランド名になった。日本の渓流を釣り歩いてフィールドテストを重ね、1982年に日本初のフライフィッシング向けアウトドア・クロージング・ブランドとしてフォックスファイヤーが本格始動。初期モデルは「マウンテンストリームベスト」など、4型のフライフィッシングベストだった。
ベストの裏地にオリジナルの細かなカモフラージュパターンを採用したのは、神経質な魚がいた際に、裏返しに着て身を隠すため。水中の魚から見たとき周囲の自然に溶け込むよう考えられており、実際に水に潜って魚眼レンズで撮影する。など開発工程はとてことんこだわった。ベストのパーツは、約100種類。縫製工場を見つけて量産を始めるのも難儀した。しかし、このとき誕生したベストは時代の流れに合わせてマイナーチェンジを加え、現在も販売されている。
現在、フォックスファイヤーは、トレッキング、フィッシング、フォトといったアウトドア全般のアイテムを幅広く展開しているが、自然から学んだ知恵を形にし、基本機能がしっかり備わったプロダクツを生み出すという開発理念は、すべてのアウトドア・クロージング作りにいきわたっている。”
オーロラジャケット
極寒地対応の3WAYジャケット。収納性抜群の機能的なポケットは、フライフィッシングベスト作りのノウハウを応用。\79,800
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国:日本 創業年:2008年
立体裁断よりも進んだ「四次元動体裁断」で体の動きを完璧アシスト
人体に優しく勝負に強い
“スポーツ・健康用品メーカー「ゼノア」は、機能サポートタイツというアイテムが確立されていない時代に、ボディバランスとスポーツ障害対策の機能を追求したタイツを企画した。
機能系衣服デザインの権威・中沢愈の皮膚解剖分析から、人体の皮膚と同じ機能を衣服に持たせることができる「四次元動体裁断法」を開発。国内素材メーカーとの共同開発により、皮膚に近い伸縮を持つ高機能素材の製品化に成功した。これにより「4DM」が誕生した。
伸びる素材と伸びない素材を組み合わせ、運動時に負担のかかりやすい膝や靭帯などを理想的にサポート。高いプロテクション効果を発揮する製品は、2011年には、マラソンのトップ選手に着用され、2時間9分台の記録を初めて作ったタイツとなった。購入後の修理など、アフターケアの充実も見逃せない。”
4DMC0600P-BLOCK
ランニング時のポテンシャルを引き出し、体軸のブレの抑制、動作性能のアップ、などの動きをアシスト。\18,000
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国:日本 創業年:1957年
小さなボディに日本の採鉱技術がつまった「山で使える本格時計」
時計というより山道具
“プロトレックは、デジタルカメラ・時計・携帯電話など多岐にわたる電気製品を扱う大手メーカー、カシオ計算機のブランドのひとつ。「ツールコンセプト」の思想のもとに、アウトドアフィールドで活用できる本物の道具として開発され、LSI技術(大規模集積回路)、高密度実装技術、センサー技術(方位、気圧/温度、高度計測)など、カシオの技術の推移が小さなボディにつまっている。
アナログとデジタルのコンボで時間表示し、蓄光塗料を使うことで暗い場所でも視認が可能。ボタンを押すと秒針が北を示し、秒針とデジタル画面の組み合わせで気圧/温度、高度の数値もわかる、まさに山で使える強い味方だ。
極限状態でも耐えうるよう、8000m峰登頂日本人最多記録をもつ登山家・竹内洋岳ほか、多分野のプロに着用してもらい、次期モデルの開発に反映。「マナスル PRX2500T」は、電波ソーラー、タイドグラフ、20気圧防水など、最高峰技術を盛り込んだ最新モデルだ。”
PRG-40
2000年に登場した「PRG-40」から初めて計測専用ボタンと視認性に優れた大画面2層液晶を採用。愛用者も多かった名品。
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国:日本 創業年:2005年
日本人と日本のフィールドのために立ち上げられた新進ブランド
沢登り用品も得意とする
“ブランド名は、「ピュア・マウンテン」に由来。日本人と日本のフィールドに特化した商品&サイズを特徴とし、沢登り用品も展開する。日本で初めて、レインウエアに股下・着丈・袖丈が修正できるセミオーダーシステムを導入したがその場で購入できないという欠点があり、同システムは間もなく廃止。
代わりに12サイズ(ウェスト4サイズ×股下3サイズ)から選択できるワイドバリエーションを誇る。「VLシリーズ」テントはダンロップの最軽量モデルがルーツ。”
VLシリーズテント VL-34
贅沢な広さより使いやすさを追求。撥水性ポリエステルを使用し、濡れてもすぐ乾き、重くなりにくい。\45,000
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国:日本 創業年:1981年
徹底した使いやすさとストレスのない着心地を追求
カモシカオリジナルから
カモシカスポーツのオーナー、高橋和之はエスパーステントを始め、数々の優れたカモシカオリジナル製品を生み出した。そうしたオリジナル製品を地方のショップに販売するため、製造販売部門としてヘリテイジを創業した。
「数ある製品のなかで、30デニールナイロンリップストップ、ゴアテックスを使った「スーパーレーイン」は、軽量レインウエアの先駆けといえる。
サガルマータ ロングスパッツ・ネオプレンフィックス
耐久性があり着脱が容易というコンセプトで開発。ステンレスワイヤーを採用し、耐久性に優れている。
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国:日本 創業年:1977年
日本人クライマーのための国内登山用バックパックを製造
耐久性が高くシンプルで背負いやすいパック
“創業した1977年当時、登山用具のほとんどは海外製のものだった。しかし、海外製の道具は西欧人向けに作られているので、日本人の体格に合わないものが多い。バックパックでいえば、ショルダーの間隔が広い、バックパネルの幅が大きい、といったことが挙げられる。小柄な日本人がこうしたバックパックを背負えば、当然ながらバランスを崩しやすくなるため、危険な状況を招きかねない。こうした状況に疑問を感じていた半谷氏が会社を設立。自分自身が納得のいくバックパックを開発することとなった。
創業以前から、山岳ガイドたちのためにバックパック、ハーネス、テントなどを手作りして、遠征資金を稼いでいたという半谷氏。山岳ガイドとの関わりは深く、現在にいたるまでガイドとのパートナーシップのもと、製品開発が続けられている。親友でもあった登山家の故長谷川恒男氏が、ヨーロッパアルプス冬季三大北壁登頂に挑む際には、使用する道具のサポート開発を行なった。
マウンテンダックスが製品開発でこだわるのは、日本人の体型と日本特有の厳しい自然環境に適したものを作る、ということ。無駄を省き可能な限りシンプルな構造にしたデザインながら、目につきにくい部分の縫製や細部にいたるパーツなどにも妥協はなく、高い耐久性を考えた製品が作られている。
現行製品で同社を代表するバックパック「ピラー3」は、クライミングパックに必要な機能を、可能な限りシンプルなカタチで表現している。メイン素材にナイロン630デニール、コンビ素材にナイロン420デニールを使用し、高い耐久性を持たせている。厳冬期の使用も想定しているため、バックパネルは降雪時にも雪が進入しないように設計されている。”
ピラー30
ダックスを代表するアルパインクライミングパック。新開発のウエストハーネスは、身体への追従性が高くスムーズな動作が可能。\18,000
国:日本 創業年:1984年
濡れても暖かいメリノウールグラブは、雪山の頼もしいパートナー
果てのない頂上を目指す
“創業者の国井治が隊長を務めた1983年のナンガパルパット遠征隊。そこに画期的なテントが持ち込まれた。7000mを超える稜線でも使える2人用小型テントで、重さは1.58kg。当時では考えられない超軽量。ひとりでも1分でテントが立つように、ポールスリーブの天井をつなげ、その末端を袋とじするという工夫が一施されていた。
製作したのは誰あろう国井治だった。このことがきっかけで、1984年に「アルパインテント」を発売。シンプルなデザインで天井が高く、居住性がよいと評判になった。ヒマラヤだけではなく1997年、大場満郎の北極圏単独徒歩横断行でもフルに使われた。
創業者本人がトップクライマーとして培った経験から、激しいアルパインクライミングと厳冬期の登山に堪えられる本物を求めて、「よりよい登山用具の開発」に努めている。実際に山に向かう人たちをサポートする用具開発をしたいという思いから、同社の製品は、シンプルなデザインのなかにひと工夫が施されている。
同社にはクライミングやパウダースノーに通じているスタッフが多く、その現場感覚が製品開発に活かされる機会は多いはず。さらに、山野井泰史をアドバイザーに迎えており、トップクライマーの意見が反映されることも、信頼感を持たせることになっている。
スコットランドの民話にある、「頂上のない山・マジックマウンテン」に登るように、努力を続けるのに違いない。”
ベアーパーム
ウールで編んだ手袋の裏を起毛し、空気層を確保しているので保湿力は高い。ヨーロッパ産の、柔らかい鹿皮で指先や手のひら上部のグリップを補強。\4,000
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国:日本 創業年:1950年代後半
日本の第一次登山ブームから生まれた「画期的なストーブ」
ジャパンメイドの誇り
“1953年のエベレスト初登頂、さらに1956年の日本人によるマナスル峰登頂をきっかけに、日本での第一次登山ブームが到来した20年代。その時代、登山用のストーブは輸入品しか流通しておらず、価格と輸入量の絶対数の不足から、一般の登山者にとっては容易に手の届く存在ではなかった。そこで、もっと手頃で手に入れやすいものを、という発想のもと生まれたのがマナスルのストーブだ。
戦後の気配が残る当時の日本。金型の製作や材料の調達には今では考えられないほどの苦労があったに違いない。それでも、すべての部品を国内自社工場で生産するという徹底ぶり。それはいまでも変らない。”
マナスル121
創業当時から展開するロングセラーモデル。タンク底の溶接などの機械化できる部分も、創設当時の手作業に従い、すべて手作業。\18,000
国:日本 創業年:1906年
汗を味方に変えた、まったく新しい発熱システム
国民的ブランドの新技術
“日本人ならば「一度も使ったことがない」そんな人はいないのではというほど、ミズノは説明不要の国民的ブランド。とはいえ、体育などのアスレチック用品としての顔のほうが身近だったため、登山用品においては後発ブランドととらえている人も少なくないかもしれない。百年を誇るミズノ史の半分以上遡るほど、じつは登山用品には長い歴史を持っている。
ミズノの登山用品は戦前には始まっていた。1958年に登山用品ラインの「ベルグ」ブランドがスタート。ちょうどその頃は、日本隊によるマナスル初登頂が達成され、人々の関心が山に集まり、老若男女が山にあふれていた。空前の登山ブームを迎えた、正にそんな時代だった。バックパックやシュラフなどを展開。後発どころか半世紀、老舗登山ブランドだ。
後発的な印象の背景には、ブレスサーモの登場が記憶に新しいからかもしれない。「発熱するからあたたかい」というキャッチフレーズは斬新だった。汗は体温調整のためにあるものだが、気温差の著しい山中では、気化熱によって汗冷えがおき、たいてい体を冷やし過ぎてしまう。しかし、その体から発せられる汗をもとに、ウエアが発熱してくれるとは! 画期的だった。ミズノといえばブレスサーそ、そんな印象を多くの登山愛好家たちに与えた。
ブレスサーモの綿は繊細で糸にする。その繊維に仕上げるまで2年半以上を費やしたという。1992年に開発に着手し、ようやくブレスサーモとして発表、リレハンメルオリンピックのスキーウエアに採用された。1997年、アウトドアアンダーウエアとして展開が始まり、登山用として定着した。誕生から約2年が経ったいまも、過酷な山の環境の研究が続くブレスサーモ。技術革新に終わりはなさそうだ。”
ブレスサーモ
新発想“発熱するウェア”。ミズノアウトドアの看板商品、ブレスサーモ。写真はさらに厚みを増した冬季用。\5,000
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国:日本 創業年:2001年(誕生年)
タラスブルバのDNAを受け継いだ若者向けのアウトドアウェア
カラーリングを重視
2001年に誕生したメスカリートは、機能面ではタラスブルバを引き継ぎながら、次世代の若者をターゲットにアウトドアウエアを提供している。そのため、アウトドアの現場ではもちろん、デイリーユースのためにデザインやカラーリングを重視している。
もちろん、アウトドアでの性能も手を抜かない。創業当時に日本のトップクライマーと共同開発したパンツは、高い性能で好評を得、現在も改良が続けられている。
プリンテッド ルビア ジャケット
マルチカラーは、街中でも人目を引くこと請け合い。デザインだけでなく、各種ドローコードを備え、縫い目の目止めが施されるなど、アウトドア用の性能も充分。\18,900
国:日本 創業年:1975年
世界有数の商品数、日本トップの総合メーカー
日本から、いまや世界へ
“モンベルが日本一のアウトドアメーカーであることには、誰も異論がないだろう。1975年のブランド設立以来、数々のベストセラー、ロングセラー製品を生み出し、いまや全国の直営店だけでなく、アメリカやスイス、ネパールなどにも直営店を展開。登山のみならず、自転車や釣りなどにも広がるアウトドアウエアやギアの数は、数え切れないほどで、これほどの商品展開のバリエーションと品数を見せるメーカーは、世界的にも類がない。
創立者は現在の会長、辰野勇と仲間たち。クライマーとしていくつもの記録を打ち立てていた辰野は、雨が多い日本に適した寝袋とレインウエアの開発に取り組んでいった。このふたつの製品は、今でもモンベルの顔ともいうべき存在だ。
初代モデルでは化繊の中綿を使っていた寝袋は、その後にダウンの製品も加わり、2000年には「スーパーストレッチダウンハガー」が登場。それ以降リニューアルを重ね、現在では縫い糸に伸縮性を持たせつつ、さらに斜めに縫製することで自在に伸縮する「スパイラルダウンハガー」シリーズに進化。内部で体を自由に動かせる心地よい寝袋として有名だ。
1982年誕生の「ストームクルーザー」も、日本の気候に適合した大定番のレインウエアとして知られる。現在はより過酷な雪山にも対応するハードシェル類にも力をいれ、超軽量なダイナアクションパーカなどの商品を生んでいる。
だがそれらはモンベルの一面に過ぎない。「ないものがない」ほどの圧倒的商品群は、まさにアウトドアの総合ブランドなのである。”
ダイナ アクションパーカ
現在のモンベルを代表するハードシェル。雪山用を想定しながらも、軽量なので幅広く使える。各部に立体裁断技術を使い、動きにストレスがない。\35,000
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国:日本 創業年:1985年
ほしい機能がしっかりとあるキャンプシーンのパートナー
こだわりは国内生産
“ユニフレームといえば、ダッチオーブンやスモーカー、ランタン、クッカー、コッヘル、マグなど、キャンプシーンで役立つあらゆるアイテムを手がけるブランド。その特徴は、シンプルでありながらほしい機能がついている使い勝手のよさだろう。それもそのはず、ユニフレームは日本のキャンプシーンを熟知する純国産のブランド。そもそもユニフレームは、使いやすいキャンプ用のガス器具を作ろうという思いから出発した。
1970~800年代初頭、国産のキャンプ用品はまだ数少なく、ツインバーナーの燃料といえばガソリン式が主流であった。このタイプのバーナーはキャンプ初心者には扱いが難しく、着火に手間取ることが多かった。
創設者はもともと、調理器具や金属加工品の製造販売会社に勤務しており、1985年に社内でカセットボンベ事業を立ち上げることになる。そして、より快適にオートキャンプを楽しんでもらうため、日本製のガス器具を開発。それがユニフレーム最初のツインバーナー「US-2400」だ。本体にカセットボンベを装着して着火するため、使い方はいたって簡単。さらに、クオリティの高さにもこだわった。
製造工程ではなるべく手作業を組み入れ、細部の仕上げまで配慮。効率的にスタッキングでき、折りたたんでコンパクトに収納できる実用性も国産ブランドならではだ。そして、「ユーザーの笑顔を想像しながら物作りに取り組む」というモットーも、いかにも日本人気質らしい。”
古今のツインバーナー
ユニフレーム初期のツインバーナー「US-2400」(下)。カセットボンベ式なので燃料のボンベが手軽に手に入り、コストも安く済むと評判を得た。そして最新のツインバーナー「US-1900」(左:\18,000)はアルミボディの軽量設計。小さく収納できるうえ、本体の重量は約3.9kgと驚異的な軽さ。火力のパワーもアップした。
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国:日本 創業年:1955年
医工学理論にもとづいたスポーツパフォーマンス支援アイテム
戦う人の体を守る
“山やスキー、トレイルランニングなどの不整地での運動は足首や膝、腰などを痛めやすい。また、足首、膝、腰の痛みは、クセになりやすいのも事実。そうした障害の予防に役立つのが、リガードの高機能サポーターーやテーピングだ。
1955年の創業以来、医療用ギプスやサポーター、皮膚保護材等を開発してきた総合医療福祉技術開発企業のアルケアが、1998年長野オリンピック開催の年に、スポーツ&セルフケア用品ブランドとして立ち上げたのがリガード。独自の医工学研究所を持ち、医学と生体工学、ふたつの視点からの研究に裏打ちされた商品開発は、いまやアスリートたちの絶大な信頼を勝ち取っている。
重荷を背負って歩く山登りなどでは、サポーターの着用が疲れを減少させ、ケガを予防する。支援具の役割を果たす。疲れにくいC&Gソックスなど、見逃せない。”
ランバーガード
適度な柔軟性と支持性を持った2本のステーが、しっかり腰を固定。これにより大幹を補強し、腰へのストレスを軽減してくれる。\7,000
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国:日本 創業年:1925年
創業、大正14年。国内生産にこだわり続ける「老舗コンパス・ブランド」
東京都台東区で80年
“方位磁石・コンパス機器の専門メーカーとして、国内生産にこだわり続ける同社の歴史は、横山喜三郎が真鍮製の方位磁石を作ったことをきっかけに始まっている。
当時製作していたのは、乾式のドライコンパスであったが、南極観測船「宗谷」に搭載する作業車両のための方位計製作を依頼され、より正確なオイルコンパスを開発することになった。
3代目となる横山晃久が会社を引き継ぐ現在は、最盛期ほどの生産量はないものの、すべての行程を熟練職人によって生産することができるようになったという。確かな品質は、陸上自衛隊にも認められ長年にわたり製品を納入し続けている。”
No.9000L
より正確な方位計測を行うためのレンザティック・コンパス。陸上自衛隊も採用する。\5,500
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国:スウェーデン 創業年:1974年
「芸術と登山を一体化させたい」。そんな思いで始まったパックメーカー
オーダーメイドからの出発
“1977年、カリフォルニア州サンタクルーズにて創設され、世界的パックメーカーとなったオスプレー。その起業のきっかけとなったのは、美術大学で絵画を専攻していた創始者マイケル・プフォテンハウアーが、芸術と自分の趣味である登山を一体化させ、実用的な製品を作りたいという思いにあった。
同社の製品は当初、友人や知人を通じて知り合った登山者のためにひとつひとつ手作りで作ったオーダーメイド製品である。しかし、次第にその品質や機能性の高さが話題となり始めると、注文に生産が追いつかなくなっていく。そこで彼は、妻のダイアンとともに会社をコロラド州の小さな街ドロレスに移し、一般小売店でも販売するための生産体制を作っていった。この街の人口は、わずか850人ほど。先住民族ナバホの居住区内にあり、民芸品などを作っていたことから手先が器用であることが知られており、マイクは彼らとともにさらに高みを目指してパック作りに挑み始めた。
現在では米国本国を始め、アジア、欧州など世界各国で人気を博するようにまで成長し、とくに近年では軽量化を推し進めた製品に定評がある。また、生産はベトナム工場へと切り替えられているが、よりよいパック作りのノウハウを伝授するためにマイクは長年にわたり現地に住み込むなど、創業以来一貫する妥協のない物作りは続けられている。”
アルゴン70
週末から1週間程度の縦走登山などに最適な大型パックであり、伝統の背負い心地はさすがのひと言。\38,000
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国:スウェーデン 創業年:1899年
北欧で生まれ100年以上も愛される人気ストーブ
独自の風合いが特徴
“発明家CRニバーグが加圧式のブロートーチを開発したことをきっかけに、同様の方式を採用した灯油ストーブの製造が盛んになった1880年代。そのなかで多くの人に知られるようになったのがオプティマスだ。
「モデル123」はマックスシェルバート社によって1800年代後半に紹介され、以来、モデルチェンジすることなく、現在にまでいたる。誰もが手軽に使うことができ、あらゆる環境下でその価値を見出せるストーブ。100年以上も同じ構造で生産され続け、使い込むほどに独自の風合いを出す美しいソリッドブラスのボディは、コレクター心をくすぐる名品だ。”
オプティマスNo.85 ノヴァプラス
ブランドの定番モデル。100年以上も同じ構造で製造され、心安らぐ力強い炎が特徴。長く使えば使うほど、愛着がわいてくる。\18,000
国:スウェーデン 創業年:1984年
高機能と環境性能を融合。北欧が誇るクラフトマンシップ
機能と美学
“唯一無二の意匠が目を引くクレッタルムーセン。それらは創始者であり、いまも自らデザインを手がけているピーター・アスクルフの哲学から生まれている。クレッタルムーセンの特徴はリスクマネジメントと環境意識の高さにある。冷え込みの厳しい環境下で破損する恐れのある樹脂パーツやジッパーなどは極力排し、万一の場合でも対応できるようD環とトグルなどを配置。また、すべての防水ジャケットにはコンパスとホイッスル、レコが装備されている。
そして、1995年からは環境負荷の低いオーガニックコットンやリサイクル素材を積極的に採用している。同時に、自然に還ることのないゴアテックスを始めとしたフッ素系の透湿素材は使用していない。これは、降雨がないほど冷え込む北欧の気象にも起因している。氷点下においてアウターに求められる機能は、完全な防水性より適度な防風性と高い透湿性。
そうした環境で生まれたのが、コットン素材の「eta-proof」だ。これによって凍結や結露を防ぐアウターを作り上げている。さらには製品のリサイクル率を明記し、回収システムを確立。売り上げの寄付先をユーザー投票に委ねる仕組みをも整えている。2009年には、世界初となる100%リサイクルナイロンを使用したバックパックを発表。従来のナイロンよりも軽量でタフ、防水性に優れ、生産時の環境負荷を大幅に軽減している。
斬新なデザインは、独自の美学から生まれている。”
ガングナー(骨で背負うパック)
人間工学にもとづいたバックパックは、血流を妨げず筋肉疲労を抑えてくれる。写真は定番モデルのグングナー。
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国:スウェーデン 創業年:1932年
世界中の登山家、探検家、レンジャー等に愛用される逸品
プレートコンパスの元祖
“ラテン語で「森」を意味する「シルバ」。創業者のシェルストロム3兄弟は有名なオリエンティアだったが、当時は直径3~5cmほどの原始的なコンパスしか存在せず、磁針が左右に揺れ動くため手に持った状態で正確な方角を知ることはできなかった。コンパスを地面に置いて「針よ止まれ!」とにらみきかすことだけが唯一正確な方向を知る方法だったという。
彼らは透明なプレートにオイルを充てんしたカプセルを付けたコンパスを開発。カプセル内の磁針はオイルが制動剤となって動きが安定し、走りながらでも正確に方向を読めるようになった。さらに、分度器、定規、磁石をひとつにまとめた「プロトラクター・コンパス」を世界で初めて製造。オリエンテーリング競技で連勝し、世界的にその名を知らしめた。それは現在主流を占めるプレートコンパスの原型であり、いまなお多くの登山家や探検家を支えている。”
シルバRANGER No.3
使い勝手のいいコンパうとして最も人気の高い、シルバを代表するロングセラーモデル。\3,500
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国:スウェーデン 創業年:1925年
アルコールバーナーの代名詞
システマチックの極意
“1925年、北欧はスウェーデンで誕生したトランギア。ブランド名は生まれた町の名前、トラングスヴィッケンに由来しており、ロゴマークは鍋と蓋がTの字にデザインされている。鍋と蓋が現しているもの。それはクックウエアである。そもそもトランギアは、家庭用クックウエアを生産するメーカーであった。その後、キャンピング用品を数多く取り扱うようになっていく。
トランギアの代表モデルは第一に1951年に発売されたアルコールバーナーだろう。当初は、火力調節の蓋がなかったものの、それ以外の変更点はなくいまもまったく同じ構造となっている。そして第二にストームクッカーである。アルコールバーナーの熱効率を最大限に高めるシステマチックなクッカーは、同じく5年に発売された。こちらは改良を加えられながらより効率のよいギアとして、さまざまなバージ」ョンが生み出されている。”
ストームクッカーL ULハードアノダイズド
1951年の誕生以降、改良を続けてきたストームクッカーの現代版。このモデルはウルトラライトで、耐食処理を施したもの。\22,000
国:スウェーデン 創業年:1973年
強くて軽い、荒野の我が家
あくなき探求心
“軽さと強度。およそアウトドアで使われるすべての製品に求められる相反する要素を、高度に融合させているのがヒルバーグのテントだ。
創始者のボウ・ヒルバーグは林業従事者のための簡易小屋を扱っていた。より安全で寒さ強風に耐えうるシェルター作りはテントにいきつき、1971年に「ヒルバーグ・ザ・テントメーカー」を創業。2年後には世界初となるインナーテントとフライが一体となった「ケブ」が誕生する。さらに2年後、通常のナイロン素材に比べて約7倍高い引き裂き強度を持つ「ケルロン」をフライに採用する。このケルロンはリップストップナイロンにシリコンを含有させたもので、経年劣化がほとんどなく、防水性に優れた軽量素材。これに出合うことで、ヒルバーグは「軽さと強度の両立」その第一歩を踏み出した。
ヒルバーグのテントは扱いやすさにも優れている。それは、「最悪の天候下、グローブをしたままひとりで素早く設営できること」を念頭に置いているから。空力学を取り入れたデザインが、風の抵抗を均等に分散。ベンチレーションにもこだわっており、最も効果的な場所に換気口をとり、空気の流れを生んで結露を抑えている。製品化した後も改善点をチェックし続け、試作品を作ってはフィールドテストを繰り返し、フィードバックする。このあくなき追求が「厳しい環境下でも快適に過ごせる安心空間」を生み出す下地になっている。
なみいる極地遠征隊や特殊部隊がヒルバーグを選ぶ秘密は、ここにある。”
ナロ(トンネル型テントの名作)
過酷な風雪に耐えうる2人用モデル。前室も広く、停滞時も快適。一般のテント素材より4倍高い引き裂き強度を誇るケルロン1200を採用しながら、重量2095g!。\78,000
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国:スウェーデン 創業年:1986年
厳しいフィールドテストの積み重ねから、極限の機能美を実現
必要な機能はすべて備え、一切の無駄を排除する
“「ほしいものがないのであれば、自分たちで作ろう」1986年、プロスキーヤー、雑誌の編集長、アートディレクターの3人が、スウェーデン北部の街オーレの山の上で約束を交わした。以来、世界の名だたるアスリートからフィードバックを受け、3人が心からほしかった、「必要な機能はすべて備え、一切の無駄を排除する」商品の開発を目指してきた。
そのために高機能素材をふんだんに使い、スポーツにおける人間工学と北欧独自のデザインとの融合を図った。また、リサイクル素材やエコロジーコットン等を積極的に採用し、環境への配慮に力を注いだ。
こうした企業理念をもとに開発された製品は、プロのアスリートだけでなく、極上のライフスタイルを追求する人たちにも支持され、世界屈指のアウトドア・ウエアブランドの一翼を担う存在となっている。高機能とスタイリッシュなデザインを標榜するピークパフォーマンスには、スキー、アドベンチャー、トレーニングなどのラインナップがあるが“Black Lights”コレクションは、過酷な自然のなかでも快適な運動性を保証する高機能ウェアとして、ブランドの旗頭となる人気シリーズだ。
評判のアルパインジャケットでは、可動性が要求される部分にストレッチ性の高い素材、その他の部分は強度と軽量化に重点が置かれた特徴の違う2種類のゴアテックスプロシェル3レイヤーを使い分け、ポケットの大きさや位置などをきめ細く計算している。有名ガイドによるフィールドテストの結果が反映された作りには、「ほしいものを自分たちで作る」という哲学が生きているのだ。”
Black Light 4S Jacket
ポケットやドローコードを始め、全体の構造がハーネスやギアなどを装着しても干渉しないように設計。ウエスト周りがすっきりし、デザインと機能性を兼備している。\80,000
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国:スウェーデン 創業年:1960年
すべては森に魅せられた少年の好奇心から始まった
母国愛あふれる物作り
“スウェーデンの大自然に生まれ育った少年オッケ・ノルディンは、いつしか深い森のとりことなった。みるみるアウトドアライフに夢中になり、そこで使う道具までも自作するまでになっていく。少年が初めて作ったのは、背負子。背負子は、昔からスウェーデンで使われていた伝統的な運搬器具だった。自然の中で培ったアイディアを盛り込んで、ついに木製の背負子を完成させた。それはハイカーやハンターの間でたちまち話題となり、やがて本格的な製造へと発展。地道な製作活動は実を結び、やがてアウトドアメーカーとして歩んでいくこととなる。
フェールラーベンオフィシャルショップには、青地に黄色十字のスウェーデン国旗が冠してある。物作りの発想、展開、すべての原点は母国にあるというブランドの誇りを感じる。
1978年に発売され、ブランドの顔ともいえるカンケンバッグ。当時、主に使われていたのは片肩がけタイプのもの。特に学生は重い参考書などをこれに詰めていたため、背中への負担は大きいものだったという。そこでフェールラーベンは、背負子を連想させる両肩がけの力ンケンバッグを開発した。背負いやすさとシンプルなデザインは人気を集め、スクールバッグにも採用。学生から中高年まで幅広い年代層が使うようになった。かつて、オッケ少年が魅せられた森を再現したような自然色が製品全体に使われ、祖国と自然を愛する心が伝わってくる。”
カンケンバッグ
ブランドの代名詞でもあるロングセラーのバッグ。電話帳をモチーフにして作られたというもので、スクールバッグとしても採用されている。20色以上展開されている不動の人気モデル。
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国:スウェーデン 創業年:1892年
世界を代表する燃焼機器ブランド「プリムス」
「最上」のストーブ
“「PRIMUS」とは、ラテン語で「最上」を意味する言葉である。スウェーデンに生まれたフランス・ウィルヘルム・リンドクヴィストは、1892年に加圧式のパラフィン(灯油)ストーブを開発している。当時、家庭用に使われていたコンロは薪や石炭を燃料としていたために灰や煤が発生しやすく、とても扱いにくいものだった。それを解決するべく研究を続けていた彼は、ポンプの活用を思いつく。これは当時、国内のマックス・シーベルト社で製造されていた工業用トーチの仕組みにヒントを得たもので、液体燃料にポンプを使って圧力をかけ、一気に噴出させることでガス燃焼を起こすというものだった。そして仲間のJ・V・スヴェンソンとともに工場を立ち上げ、自身の発明に最上の名を与えて生産を開始する。一方、販売については流通路を持っていたB・A・ヨート社に委託。性能の高さは瞬く間に評判となった。これがプリムスの誕生物語である。
家庭用ストーブの製造から始まったプリムスであったが、その性能は台所だけでは収まらなかった。携行性もよく、寒冷下での使用にも耐え得たプリムスは、極地探検にもよく使われるようになっていく。ナンセンとアムンゼンが両極でプリムス使い、1953年のヒラリーによるエベレスト初登頂時にもプリムスが携行されていた。
時代が進み、世の中にLPガスが登場すると、1938年にはガス専用器具の開発に着手する。そして1953年にはLPガス器具製品の販売を開始。同時にプリムス製品は各国に輸出され、そのブランド名を世界中に知らしめていった。こうして揺るぎない地位を築き上げたプリムスは100年以上の歴史とともに、燃焼器具のトップメーカーとしていまも走り続けている。”
2243バーナー
伝説をいまに受け継いだ名品。1985年、プリムスが日本市場に進出するために岩谷産業と合併会社「イワタニ・プリムス」を設立。当時に発表され、人気を博した2243バーナーは、いまなお現役。\6,000
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国:スウェーデン 創業年:1993年
魔法のような着心地……ブランド名はマジシャンの名前
創業者はクライマー
“クライマーのロッタはある日岩を登っていると、登ることも後戻りもできない危険な状態に陥った。そのとき彼女はなぜか伝説的脱出マジシャン「フーディーニ」の名前を叫んだ。すると奇跡的にもその状況から脱出し、生還した。この出来事をきっかけに1993年、マジックのような着心地を求め、いかなる状況でも体の動きを妨げないウェアの開発をスタートさせた。
その代表モデルが、この伸縮素材を用いたベースレイヤー。開発から、テスト、製造まですべての工程をヨーロッパ圏で行なうこだわりっぷり。いよいよ来年から日本でも本格始動する。”
メンズ ハイロフト フーディ
通常よりも伸縮性に優れたポーラーテックを用いる。登山に特化しないデザインで、ランやバイクでも活躍する人気フリース。\28,000
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国:スウェーデン 創業年:1936年
スタートはきこり職人のための革製グローブ
高い耐久性を持つグローブ
“ヘストラとは、スウェーデン南西部にある小さな街の名前だ。1936年、この街に住むマーチン・マグヌソンは木こりが使う皮製グローブを製造する会社ヘストラを立ち上げた。
この頃、スウェーデン全土でスキーが大流行していた。そのスキーヤーを見たマーチンは彼らにも自分が作っているような丈夫なグローブが必要だとひらめき、スキー用のグローブ作りに挑戦し始めた。最初に手がけたスキーグローブは彼の最愛の息子のものだったという。
創業から75年。マーチンのチャレンジ精神と皮革素材を形作る伝統技術はヘストラグローブの根幹として生き続けている。”
3191 オムニ GTX フルレザー
ボックス形状により操作性と快適性を高めたロングセラー。ゴアテックスを内蔵し高い耐久性と防水透湿性を実現。\18,000
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国:スウェーデン 創業年:1914年
北極圏で生まれたシンプルな機能美×北欧No.1アウトドア総合ブランド
デザインと機能性の融合
“ホグロフスの誕生は今から約100年前の1914年にさかぼる。スウェーデン人ヴィクトル・ホグロフは、パラシューとのキャンバス生地と、町いちばんの鍛冶屋がこしらえた金具を用いて自らの手でバッグを作り上げた。これこそがホグロフスの製品第一号だ。
「可能な限り良い製品アイデア、可能な限り高品質の素材」という概念のもと、製造されたバッグは瞬く間に好評を得た。さらに、ヴィクトルの「よりよいモノを作る」という探究心をバッグ作りの縫製技術が後押しし、アパレル製品の製造も手がけるようになった。
ホグロフス商品第一号が誕生してから一世紀が経過しようとしている今日、ホグロフスはウエア類に留まらず、シューズ、シュラフ、アクセサリーまで製造する総合アウトドアブランドとなった。余計な装飾などを排し、ムダのない機能を追求した結果、自然と表れる機能美は、ホグロフス・プロダクツの真骨頂だ。
また、スウェーデン国土の北部は、ツンドラの荒野や氷河を抱いた山々が広がる北極圏で過酷な自然環境下にある。この北極圏の山道を舞台に商品をテストし、幾度も改良を重ね、信頼ある商品が生まれていく。こうしてホグロフスは欧州全土、また日本で愛されるアウトドアブランドとなった。”
エンドー ジャケット
ゴアテックス「アクティブシェル」の最新モデル。短時間の激しい運動に適し、透湿性を向上させたシンプルなシェル。\40,000
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国:スウェーデン 創業年:2000年
優れたデザイン性で人気を博す、アウトドアアクセサリーブランド
カトラリーだけではない
“ライトマイファイヤーといえばスポークが頭に浮かぶ人は多いだろう。スプーンとフォーク、ナイフが一体となったスポークは機能的であり実用的、そして軽い。また、デザイン性も秀逸だ。ゆるやかにカーブしたよどみない流線型のフォルムは機能性を損なうことなく、美しいラインを形成している。年々増えるカラーバリエーションもかわいらしいポップな色を採用し、デザイン性アップ。世界で最も歴史のあるデザイン協会が主宰したエクセレント・スエディッシュ・デザイン賞を受賞するなど世界中にも認められている。
ライトマイファイヤーの発端となったアイテムはファイヤースターターだ。創業者のマイケルがグアテマラで、燃焼性に優れた天然素材、マヤスティックに出会ったのがきっかけ。それをヒントに改良・発展させて作ったのがファイアースチールというわけだ。その後、マグネシウムを採用し、改良したのが現在のモデルとなった。”
ファイヤースチール
ブランドの創業とともに生まれたファイヤースターター。天候に左右されずに火をつけられる。
国:フィンランド 創業年:1969年
極寒の地「北欧フィンランド」で鍛えられたアウトドアジャケット
高級素材が保証する品質
“フィンランドの高級アウトドアメーカー「サスタ」は、2011年、日本に本格上陸。
創業者は、家族が営む洋品店で自らのために特注したハンティング服が評判となったため、このビジネスを始めたという。以来、約1年間、最高品質のゴアテックスを使用したジャケット、ポーラテックを使用したフリースなどを、小ロットでひとつひとつこだわって製造。多くの人々に愛されてきた。
「サスタ」のモットーは、「高品質」であること。同時にそれが実証されていなければならない。製品テストはグリーンランドや南極といった、非常に過酷な自然の中で行なわれている。”
The Poleジャケット
その品質の高さで専門誌で最優秀賞を受賞した、サスタの最高傑作ジャケット。\75,000
国:フィンランド 創業年:1936年
洗練されたデザインを融合した精密機械。北欧のスポーツコンピューター
フィールド情報を手元に
“スントの誕生は1936年。オリエンテーリングの選手だったトーマス・ヴォロホネンは、妻が愛用していた化粧材のワセリンをコンパスケースに封入すると、磁針が安定し、正確な方位を示すことを発見。それはその後、雪や氷、深い森に覆われるフィンランドで、第二次世界大戦中の軍隊が所在地を把握するために欠かせな一い溶液充填コンパスとして、世に送り出されることになる。
1970年代には、水中でも一般的なコンパスを手首に巻き付けて現在位置を割り出していたダイバーに向け、方角と深さを確認できるダイビング機器(アナログ)を発表。さらにコンピューターが登場した幼年代には、スント初のダイビングコンピューターが開発され、ダイビングの事故を劇的に減らしたプロダクトとして認知されるようになる。
そのような歴史のなかで、スントをスポーツコンピューターの分野へ確実に押し上げたのが、1998年に誕生した代表作「ヴェクター」の存在だろう。高度や気圧変化、気温、時間、方角などの情報表示ができる「リストップコンピューター」と呼ばれ、発売以来ハイカーやアドベンチャーレーサーといったアウトドア愛好家、アスリートや軍人にいたるまで、多くのユーザーにフィールドの情報を提供し続けてきている。
日の出/日の入り表示や10mまでの水深計測機能を備えた「コア」、運動中の身体の動きを記録する「t6」など、その後発表されたプロダクトも新機能を次々と搭載。もちろん、手元を彩る腕時計として「洗練されたフィンランドデザインであること」も、ブランド発足当時から変わらないスントの強いこだわりである。”
ベクター
高度計や温度計、気圧計、電子コンパス、ストップウォッチといった機能を搭載したスントの代表作。毎年数量限定の特別カラーも発表される。\32,000
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国:フィンランド 創業年:1977年
トレーニングを根底から変えたワイヤレス心拍数測定装置
今やアスリートの必需品
“運動中の心拍数を測ることは、効率的なトレーニングに欠かせない。しかし、それが広く定着したのはここ30年のこと。なぜならそれ以前には心拍数を正確に測定する方法が存在しなかったからだ。
ポラールは1979年に無線心拍数測定装置の特許を出願し、1982年に世界初の着用式無線心拍数モニターを発売、トップメーカーの地位を築いた。”
RS800CX N
トレーニングの適正強度を示してくれるポラールのフラッグシップモデル。\48,000
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国:ノルウェー 創業年:1977年
北海の荒波から生まれた機能性
寒冷な海のマリンウエア
“北海、ノルウェー海、そして北極海と、世界でもとくに寒冷で荒れる海に面したノルウェーその国の北西部にあたるモスという街で、元船長のヘリー・ジュエル・ハンセンが1877年に設立したのがヘリーハンセンだ。彼は海水を浴びるたびに濡れて重くなってしまう当時のマリンウエアを改良しようと、亜麻仁油を染み込ませたキャンバス地のコートを開発。これがブランド創業のきっかけだ。
ブランド設立の翌年に開催されたパリ万博には早くも防水衣料のコレクションを展開し、船乗り用のコートは最優秀賞を受賞。当時としては画期的な防水衣料の登場で、1シーズンで3セット必要だったマリンウエアが、3シーズンに1セットで充分になったといわれている。
さらに1920年代には、油のつきが少ない防水素材リノックスを開発し、1949年にはヘロックスという極薄シートを縫いこんだ防水素材も登場。このレインコートは月産3万着を記録する大ヒット商品となり、その後3年以上も続くベストセラーとなっている。
海とのつき合いから始まったブランドだけに、防水性の向上には常に力を入れているヘリーハンセンは、現在でもヘリーテックなどの独自の防水素材開発に余念がない。最近はその防水性へのこだわりを生かしたアウトドア用ウエアが続々と生まれており、改めて注目されている。”
スカンザライト ジャケット
マリンが原点であるヘリーハンセンらしいボーダー柄のレインウェア。独自開発の透湿防水素材を使い、野外以外に街使いにも。\14,000
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国:ノルウェー 創業年:1980年
フレーム付きザックのパイオニア
アウトドア愛好家でハンターでもあったオーレF・ベルガンは、世界初のフレーム付きザックを発明。特許を取得したベルガンスのザックは、20世紀初頭に活躍した極地探検家ロアール・アムンセンのお墨付きを得て、多くの探検家、登山家に愛用されるようになった。
現在本国ではテントや寝袋、アパレルなどもリリースされ総合ブランドに成長。日本ではテントが人気だ。
ウィグロLT4
ティピー型テントにポールを3本プラスして居住性を高めた、日本での人気モデル。
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国:デンマーク 創業年:1901年
北欧の風土に育まれた、高機能かつユニークデザインのテント
シンプル&機能的な製品
“質素なのにお洒落でモダン、シンプルなのに機能的。北欧発信のプロダクツやデザインには、その気候風土によるせいか、北欧スタイルとも呼べるようなある種の方向性が見てとれる。スカンジナビア三国の一角を成すデンマークで生まれたノルディスクの製品からも、そうした北欧の空気が随所に感じられる。「ノルディスク」とは、ずばり北欧を意味する言葉だ。それを社名に冠する同社のルーツは1901年にまで遡ることができる。
アウトドアシーンにおける各種のプロダクツを長年にわたって開発し続け、ノルディスクという社名になったのは1991年から。取扱品目はスリーピングバッグ、マット、テント、バックパック、カトラリーや調理器具、アウトドア用テーブル&チェアなど多岐にわたるが、2005年には高品質なダウン製品で知られるイエティ社を買収し、ラインナップをさらに充実させた。
現在、同社製品のなかでの話題は、スー(SIOUX)と呼ばれるティピー型の円錐形テント。ティピーとはネイティブアメリカンが使っていた移動用住居のことで、製品名のスーラネイティブアメリカンの「スー族」からきている。
ティピーは天幕のトップが開い、ているの内部で火を使い、煮炊きや暖をとることができる。また、構造が簡単なわりに対候性が高く、小型でも多人数の収容が可能。まさにシンプルなのに機能的なのだ。それがスカンジナビア人の魂の琴線に触れたのだろうか。古くから北米で培われた人々の知恵が、モダンな北欧スタイルにみごとに昇華している。”
ワンポールティピーテント SIOUX(スー)
テントの新しいスタイル。調節可能な天井部の通気口により、内部で火を炊くことができる。10~12人収容可能で、それでいて12kgという軽さを実現。\100,000
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国:ドイツ 創業年:1949年
世界のあらゆるポー津シーンで愛されるグローバルブランド
アスリートに捧げた製品
“ブランド名は創設者の愛称であるアディ・ダスラーからとったもの。創設は1948年だが、アディが初めてシューズを作ったのは1920年、3歳のとき。戦後混乱期の物資不足の中、限られた素材から彼が選んだのはキャンバス地だった。
自身も情熱的なアスリートであった彼は、すべてのアスリートに競技内容に合った最高のフットウエアを提供したいと考え、まず歴史ある陸上競技種目に着目。1930年代半ばまでに1種のスポーツ用に30種類以上のシューズを製造。1949年にアディダスという社名にし、翌年にブランドシンボルともいえるスリーストライプスマークを商標登録し、創業した。
アディダス初のトレッキングシューズが生まれたのは1978年。ラインホルト・メスナーがエベレスト無酸素登頂に挑戦する際、ベースキャンプまでのアプローチシューズをアディダスと共同開発したのがきっかけだ。軽さとスピードを求めるメスナーの要望に応え、ランニングシューズのソールをベースに登山靴のアッパーを吊り込んだモデルが誕生した。
「すべてのアスリートを支える」というアディの情熱は、現在3アディダスの開発基本理念として受け継がれ、アウトドアのみならず、すべてのスポーツシーンでアディダス製品は愛用されている。”
テレックス ファスト X FM MID GTX
最新のテレックスシリーズは軽さとスピードを追求した本格ハイキングシューズ。目標地により早く移動するための機能満載。\19,950
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国:ドイツ 創業年:1983年
世界最軽量&コンパクトなハイエンドダウン
グレープフルーツほどのコンパクト
“近年、登山やアウトドア関連ギアの軽量化が著しい。自己完結を志とする行動派にとって、背中の荷物が軽くなるのはうれしいことだ。そうした各種軽量グッズのなかでも、イエティが送り出すダウンウエアやスリーピングバッグの軽さときたら、もう驚異的といってもいいくらい。しかもファッショナブルなデザインで、ダウンウエアはアウトドアブランドの垣根を越えて女性からの人気も高い。
そのイエティは1983年、ベルリンがまだ東西に分断されていたときに東ドイツ側で創業された。共産主義国家ゆえに民間企業としての活動が許されていたわけではないが、それでもいいものを世に送り出そうという志で作られる良質なアウトドア用ダウン製品を支持する人は徐々に増えていった。
1990年に東西ドイツが統一されると、イエティの評判はヨーロッパ中に広まり、数々の遠征登山に用いられるようになる。そして2005年にデンマークのノルディスク社に買収されてイエティ/ノルディスクとなると、欧州アウトドア市場におけるハイエンド企業のひとつと目されるまでに成長した。
イエティのダウン製品は、素材にポーランドダウンと東レの生地を採用している。最高品質のダウンと、日本テクノロジーのコラボレーションが、現在のハイレベルな製品を実現した。生地の肌触りはシルクのように心地よく、折りたためばポケットに軽く収まってしまうほどコンパクト。
それはウエアのみならず、通常ならかさばるようなスリーピングバッグでも同様だ。PASSIONと呼ばれるシリーズは、最軽量なモデルともなれば、たったの265g。そして、折りたたむとグレープフルーツ程度の大きさになってしまうというからスゴイ!
軽量・コンパクトなだけでなく、熱損失防止やベンチレーション機能などにさまざまなアイディアが盛り込まれ、保温性・快適性は高い。耐久性も数々のハードな遠征で実証済み。イエティの日本正式デビューは昨年10月。知る人ぞ知る名品が、ずいぶん手に入れやすくなった。”
Passion One
上質、かつ超軽量な羽毛シェラフ。重量は驚異の265g。足首までジッパーがあるので、ブランケットとしての使用も可能。\50,000
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国:ドイツ 創業年:1936年
素早く手軽にクッキングできるアウトドアの必需品
固形燃料とコンロの老舗
“エスビットの綴りのESは、創設者で固形燃料を発明したドイツ人、エーリッヒ・シュンの頭文字を取ったもの。れっきとした商標だが、今や固形燃料といえばみなそう呼ばれてしまうほど一般化している。携帯に便利なこの固形燃料は西欧諸国の軍隊で採用され製造が始まった。
1949年にこれを製造販売する会社「エスビット」が設立された。以来約75年間にわたり、固形燃料だけでなく、アウトドア使用に適した調理器具のメーカーとして業界を牽引。世界初の折りたたみ式のポケットストーブは、大きめの板チョコほどのサイズに収まっている。”
985ml クックセット
ハードアルマイト加工された超軽量。アルコールバーナーと固形燃料が付属され2通りに使える。\5500
国:ドイツ 創業年:1976年
スマートアンテナ技術で、素早く雪崩にあった人の位置を探索
“バックカントリーの必需品
“
“雪崩などの発生時に、埋もれた人を電波によって位置確認するビーコン。使わないに越したことはないが、持たずに登ることはあまりにもリスキーだ。
1980年頃は重量も大きく、ビーコン市場にふたつの異なる周波数が混在、救出が遅れることがあったが、オルトボックスは複数周波数型のビーコンを開発し、多くの命を救った。
軽量化も進み、200gと負担は小さくなっている。最新モデルでは3つのアンテナを搭載し、自動的に最適の送信アンテナに切り替わるようになっているから、埋没者の位置確認の精度や発見までのスピードも格段に上がっている。”
3+(スリープラス)
最新のアンテナテクノロジー搭載。単3乾電池1本使用。捜索中に別の雪崩に埋まっても大丈夫なように、自動で送信モードにも切り替わる。\45,000
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国:ドイツ 創業年:1904年
“割れない魔法びん”革新をもたらしたニッポンの技術
20世紀史に刻まれる逸品
“場所を選ばず、山の中でも、熱いものはアツアツのまま、冷たいものはキンキンのまま口に運びたい。コンビニなどなかった時代、そんなささやかな願いを叶えてくれたのが魔法びんだった。そして1978年、日本ならずとも世界が驚く出来事が起こる。それは「割れない魔法びん」の誕生だった。当時、魔法びんといえば、内部はガラス製、なぜ割れないのか。「割れない」という斬新なフレーズに世間の人々は首をかしげた。
その世界初の画期的な魔法びんを世に送り出したのがサーモスだ。サーモスは1904年に創業。変動の時代とともに様変わりする庶民の生活を支えてきた。百年前にはすでにサーモスの魔法びんが日本に輸入されていたというから、日本人とのつき合いはとても長い。
さて、割れない魔法びん。その正体はステンレス。もういガラスの代わりに強いステンレスを採用。実現に貢献したのは、誇るべき日本企業の技術だった。山頂でのティータイム。技術者の労に思いを馳せると、一層味わい深いものとなる。”
初代割れない魔法びん
1978年に発売。世間が大注目した初の高真空ステンレス魔法びん。
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国:ドイツ 創業年:1981年
ブランド名に宿る事故から学んだ自然への畏敬の念
“創立者であるウーリッヒ・ダウズィンは、1979年にブランドの前身となるバックパッカー向けの専門店「ズィネ」を立ち上げる。主に北欧のアウトドアグッズを輸入販売するとともに、製造販売も手がけ、わずか2年で13店舗展開をはたす。
そんな矢先、ユーコンをカヌーで旅したときにグリズリーに襲われ大けがを負う。現地で療養するなか、自然へのリスペクトとしてオオカミを思い浮かべ、そのとき持っていた作家ジャックロンドンの名前を冠し「ジャックウルフスキン」が誕生した。”
カラーバーストジャケット
100%リサイクル素材で作る防水透湿素材の製品に力を入れている。\25,000
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国:ドイツ 創業年:1994年
素材選びから縫製まで貫かれるドイツならではの職人気質
ドイツらしい生真面目さ
“ブランド名の「TATONKA」とは、ネイティブインディアンの言葉でバイソンの意味。その名の通り、製品からは質実剛健とした作りが伝わってくる。「高品質、安全性、耐久性」「ユーザー視点の製品開発」「リーズナブルな価格」。これらはタトンカが掲げる3つの製品哲学だ。どれも当たり前のことのようだが、そこはドイツのブランドらしく、具体的なビジョンを持って実践している。
例えば高品質という点では、見えないところまで縫製や加工処理にこだわり、強度と耐久性を追求。素材についても新素材を含めた数多くの生地を使い分けている。また、製造はSA8000と呼ばれる国際労働規格の認証を受けたベトナム工場で行ない、労働環境に配慮しながら高い品質管理とコスト削減を両立させている。
製品ラインナップは、大型パックからデイパックまでバックパック各種、トラベル関係の小物、ゲイター類など幅広くそろっている。なかでも、中~大型パック「タトンカアクシス」シリーズは、2003年の登場以来、マイナーチェンジを続けながら今も高い人気を誇るロングセラーモデル。一方、近年はTリップライトに代表される薄く軽量な生地を使ったライトシリーズが充実した展開を見せている。ライト&ファストを目指すトレッカーはもちろん、女性やシニア層からの支持も高い。”
バイソン75 EXP
EXPシリーズはタントカのプレミアムライン。素材選びから製造まで一切の妥協を許さない。最大容量のこのモデルは、身体への負担を軽減するキャリーシステムを採用。\35,000
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国:ドイツ 創業年:1898年
背面構造に高き信頼があるバックパックの老舗
始まりは郵便物
“1898年、創業者ハンズ・ドイターは郵便袋などの製造注文を得たことで、ドイツのアウグスブルグに小さいながらも物作りの会社を立ち上げた。それから数年後には同国南部のバーバリア郵便局から郵袋の独占製造権を任され、本格的な事業を開始する。1905年にはセイル、リネン素材、ブランケットなどの各種製品)生産する機械化工場に成長し、同時にテントのレンタル事業も行なっていた。
ドイターが大きく業績を伸ばしたのは、主に軍用製品を手がけるようになった第一次世界大戦当時のこと。大戦の後、ドイターのバック部門は株式会社化するに至っている。
1930年になると、名高き「タウエルン」を作り上げる。このバックパックは、背中と荷物の間に隙間を設けることで背面の通気性を確保した優れもの。いわゆる現在のドイターの顔ともなっている「エアコンフォートシステム」へとつながっていく最初の一歩だった。同様のシステムは、いまやドイターのほぼすべてのモデルに装備されている。”
フューチュラ32
エアコンフォーとシステムを使った代表的なモデル。背面には、アーチ状のフレームにメッシュパネルを張り込んでいる。\15,000
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国:ドイツ 創業年:1926年
船舶用精密計器から生まれた多機能時計
海の知識を山に活用
“バリゴが生まれたのは、1926年のこと。ドイツのシュツットガルトに気圧計の製造メーカーとして誕生している。現在の本社は、スイス国境に近いフィリンゲン・シュヴェニンゲン。もともとは船舶用の精密計器を専門にしており、いまでもこの方面における信頼度の高さは最上級クラス。とくに気圧計と高度計については世界レベルにあり、長年培ってきたその知識をもとに、2004年には登山用の高精度なデジタル高度計/コンパス、24ハンドイン・アルチメーターコンパスを発表している。
その翌年の2005年、いまやバリゴの多機能ウォッチを代表するモデル、No.46リストオンが発売されている。アクティブシーレベルセッティングという、同高度に留まっている間の小さな気圧の変化による高度のズレを抑える特殊な機能を兼ね備えている。また、ドイツらしい落ち着いた7色のカラー展開も魅力のひとつ。デザイン性、機能性ともに多くの人に受け入れられている信頼の時計である。”
No.44ハンドイン・アルチメーターコンパス
2004年二発売されたハンドインタイプのデジタル高度計/コンパス。ドイツで定評のあるデザイン賞、レッドドットデザインアワードを受賞したモデル。\25200
国:ドイツ 創業年:1921年
長い歴史と職人技に支えられたドイツの名門ブーツブランド
兄弟が最大のライバル
“ハンワグ社は、ドイツでの年以上の歴史を誇る名門ブーツメーカーである。創業者のハンス・ワグナーは、もともとは整形外科靴制作の国家資格を持つ靴職人だった。地元住民の靴を修理しながら、数名の職人とともに二重縫い底の登山靴を手がけたのが始まりである。
その当時、ドイツ南部・バイエルン地方に二重縫いの靴を量産できる会社は少なく、上質の登山靴を待ちわびていた顧客の注文が殺到して、会社は順調に成長を遂げた。
同社の登山靴は、堅牢性と耐久性、そしてフィット感に定評がある。歴史を代表するモデルがラングコッフェルだ。人間の身体でもとくに複雑な構造を持つ足に革靴をフィットさせるには、甲皮の裁断は複雑になり、縫い目も多くなる。製法の難しさと複雑な工程は効率的ではないが、これを真摯に追求した名作だった。手入れをすることで長く愛用できる革靴ゆえ、絶版となったいまも愛用者は多い。
ちなみに、同じくドイツの名門ローバー社の創業者ローレンツ・ワグナーは、ハンス・ワグナーの兄弟である。ローバーにはチベッタという革製二重縫い靴の名作があり、ラングコッフェルはチベッタと対をなすモデルとして登場。市場でも双璧をなす最高峰モデルとして見られていた。兄弟こそが最大のライバルだったわけである。お互いの切磋琢磨は、いまも変わらず続いている。”
クラック GTX
人気モデル、クラックセーフティGTXの後継。アッパー全体で足を包む構造や調整を楽にするフックなど、フィッティングへのこだわりは変わらない。\45,000
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国:ドイツ 創業年:詳細不明(第二次世界大戦中)
ドイツの家族経営の工場が作り続けるウールソックス
ドイツ生まれの正統派
“ロゴマークもなければ派手な装飾もない。しかし手に取れば高い質感にはっとさせられ、履くと安心感をともなうクッション性と暖かさに包まれる。それがファイスのウールソックスだ。
会社の歴史は第二次世界大戦中にファイス一族の祖母が手袋とスカーフを編み始めたことに始まる。戦後、購入したドイツ南部の町イスニーの家(工場)とイギリス製の自動靴下編み機は今も現役。「山で暮らす人間が山で使う商品を作る」をモットーに、三代にわたる家族的経営でトレッキングソックスを専門に編み続けている。
原料となるウールはオーストラリア産のメリノウール。高い品質と優れた耐久性は、リーズナブルな大量生産品が流通する現代でも、多くのアルピニストに愛され支持されていることが証明している。”
トレッキングソックス厚手
クッション性に優れた足裏のパイルと伸縮性の高い甲の部分が、靴の中で安定感と心地よさをもたらす。\3,800
国:ドイツ 創業年:1974年
原点は「使いやすい道具」一方で環境にも配慮した物作りを追求
堅牢なパック作り
“創設者ドゥウィッツは登山愛好家で、数々の登山用具を使用していた。しかし、彼の欲求を100%満たす道具に巡り合うことができず、既存の用具に自ら改良を加えていくうちに、いつしかブランドを立ち上げることを思い立った。場所はドイツ・ティットナム。ブランド名は、彼のイニシャルV・Dの発音(ファウデ)に由来する。
製品開発で重要視しているのは、いかに自然環境に配慮するかということ。素材の選択から製造過程で発生する二酸化炭素排出規制など、エコフレンドリーカンパニーを目指している。「ツアー10」はファウデの基盤となるパックで、何年にもわたる数々の改良を加えロングセラーとなった。現行モデルの「ウィザードエア30+4」には5段階の背面長調節システムなど先端技術が注ぎ込まれている。”
ツアー40
発売以来、改良を重ねるごとに使い勝手が向上した人気モデル。2~3泊程度の山行にぴったりで使いまわしもしやすい。
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国:ドイツ 創業年:1975年
山登りをサポートするトレッキングポールのパイオニア
秀逸な機能で業界を牽引
“トレッキングポールのパイオニア、レキはアルミ製スキーポールを世界で初めて生産し、今日では常識となっているシャフトの分割、長さ調節などのシステムを開発したことでも知られる。トレッキングポールの役割や重要性を周知させることに貢献し、いまや多くの登山者がその効果を実感している。
最近では軽くてさまざまな握りを可能にしたエルゴングリップや、レバーを操作することでスムーズかつスピーディにシャフトの調節ができるスピードロックシステムなど、さらなる使いやすさを求め進化している。
機能性だけでなく、レキが重要視しているのが安全性だ。ときに過酷な環境下で使用することを想定して、自社での検査だけでなく、ドイツにある第三者試験認定機関「テュフ」の検査も受けてその基準をクリアしており、安全性も高い。
ポール専門ブランドならではのこだわりに触れ、職人気質のドイツブランドを感じたい。”
SPDカーボンライトAS
スーパーロックシステムとスピードロックシステムを併用したハイブリッドモデル。\29,000
国:ドイツ 創業年:1993年
ボディー内に、照らすための先進技術を満載する
“歴史は浅いが、高輝度LEDライトの開発力はライト業界トップ。“安定した輝きと、均一な照射領域”が開発コンセプトだ。レンズと反射鏡を組み合わせた、革新的構造のアドバンスフォーカスシステムを開発し、真円の照射パターンを実現させたほか、明暗のムラを抑えた集光調整も可能にした。
要となるLEDはアメリカの専門メーカー、クリー社へ別注。入荷した全LEDを検査して自社基準に合致したものを使う徹底ぶり。さらに電池のパワーを引き出す、専用回路の設計力に関しても目を見張るものがある。”
P5R
小型で明るさは強烈。専用充電池を搭載し、USBケーブルと磁力式充電器が付属。\12,000
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国:ドイツ 創業年:1923年
伝統の技術と近代整形学の融合で、ブーツはさらに進化する
歴史的登頂を支えた一足
“LOWAの名は、創業者ローレンツ・ワグナー(Lorenz Wagner)の名前にちなむ。多くの名ブランド同様、ローバーもまた、自宅とつながる工房でその歴史をスタートさせた。
その名を不動のものにしたのは、オーストリアの登山家、ヘルマン・ブールによるナンガパルパット初登頂だった。1957年のことである。ブールが履いていたのは、ローバーが作る二重靴ホッホツーリストの同型モデル。このモデルはその後、改良を重ね、三重靴のトリプレックスへと進化する。トリプレックスは日年、ドイツ人登山家、トニー・ヒベラーがアイガー北壁冬期初登頂を成し遂げたときにその足下を支え、「最高の登山靴」と絶賛された。
長年にわたって培われた確かな技術は、近代の理論的な整形学の裏付けを得てさらに進化している。同社の靴は日本でも人気が高いが、その秘密は研究の末に開発した日本人向けの木型にある。ゆとりある甲の高さと理想的な足幅を備えるWXL木型をもとに作られた現在のベストセラーが、タホープロGTXだ。優れたフィット感と軽やかな履き心地を実現している。
ローバーを今日の発展へと導いた二代目社長ョゼフ・レーダラーは「市場での占有率を高めることが目的ではない。あくまでも品質である」と話す。頑固なまでの品質第一主義は、昔もいまも変わらない。”
タホープロ GTX WXL
バックパッキングシリーズの上位モデル。縦走登山から残雪期の山まで対応。\40,000
国:フランス 創業年:1981年
フランスのアルプスであらゆる雪面を想定したスノーシューを開発
スノーシュー普及に一役
“フランスのアラヴィスバレーのスキー場で、スキー学校のインストラクターをしていた創設者のゲリー。雪上の楽しみはスキーでだけではないと考えていた彼は、子どもたちがスキー講習の合間にスノーシュー(西洋カンジキ)で遊ぶ姿を見て、これを広めたいと思い立った。当時、移動やハンティング目的で使用されていたスノーシューをレジャースポーツにするべく、地元のプラスチック加工会社を買い取り、TSL社を設立した。
入門者が容易に使えるスノーシューとして開発された「TSL701オールラウンド」は、軽量なポリプロピレンフレーム、あらゆるシューズに対応できるラバーバインディングを採用。これにより、スキー場でのレンタル対応が可能となり、スノーシューイングは広く普及することとなった。
現在60種類以上の特許を取得しており、フレーム、ビンディーング、ポールにいたるまで、その商品開発は、多岐にわたる。”
TSL226ランド
スノーハイク用のベストセラーモデル。軽量フレームとマルチバイディングを組み合わせている。クライミングサポート装備。\22,000
国:フランス 創業年:1980年
厳選したダウンのみを用いて酷寒の環境でも使用できるダウン製品を開発
最高品質ダウンのみを選別
“繊維技術者だったファンブッテ氏が、地元フレンチアルパインクラブの会長の依頼を受け、無酸素高所用装備の開発を始めたのが創業のきっかけとなった。
ヴァランドでは、ダウンを使用したウェアとスリーピングバッグを開発しているが、ダウンの品質に対してはとくに厳しい目を持っている。南フランスで飼育されているグレーグースを使用しているが、最も品質のいい孵化21週目のグースの羽のみを刈っている。そして、人一の手でフェザーが一除去され、保温性の高いダウンのみが選別されている。この最高品質のダウンに、着心地や使用感のいい立体裁断を施したデザインを組み合わせ、極地や高所でも使用できる製品を世に送り出している。
代表モデル「ベーリング」は、対応温度マイナス35℃の極地・高所対応モデル。ダウンの封入量は500gで、その品質は850フィルパワーを越える。”
ベーリング
極地・高所用モデル。フロントジッパーが二重に設けられており、ヒートロスを防ぐ構造になっている。-35℃まで対応。\120,000
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国:フランス 創業年:1853年
ラバーブーツ作りからお洒落なライフスタイルアウトドアブランドに
世界初の長靴が始まり
“エーグルの歴史は、1850年、アメリカ人のヒラム・ハッチンソンとチャールズ・グッドイヤーの出会いから始まる。彼らはゴムの木に興味を抱き、チャールズがバルカナイズ製法という、ゴムを強化して防水する方法を発明。その特許をヒラムが買い取り、靴やブーツ作りに役立てようと考えた。
1853年、ヒラムはフランスに渡ってロワール地方モンタルジにゴム工場を設立し、防水靴やブーツ、衣料の大量生産にとりかかる。そして、アメリカの国鳥である「鷲」に敬意を表し、「AL’Aigle」の商標を登録した。ゴームは雨から足元を守る靴に最適な素材。屋外で過ごす人々が多ければ需要も必然的に高くなる。ヒラムは、人口の約90%が地方に在住するフランスは、有望な市場だと確信していた。
また、ミニスカートが流行ると女性向けのラバーブーツ「ベニーズ」を発売。ファッションアイテムとしてのラバーブーツは流行に敏感なパリの女性を了した。この頃からアパレル門にも注力し、ゴム製品のレインコートも開発。以後、ワーングからアウトドアフィールド向けのフットギア、バッグ、ウエアなど幅広いアイテムを発信し、世界で知られるブランドへと成長していく。
実用性・機能性がありながらスタイルの美しさも大切にし、美意識へのこだわりは今日のアイテムからもうかがえる。”
エーグランティーヌ
最新ラバーブーツは現代風の洗練されたシェイプになり履き心地も向上。\16,590
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国:フランス 創業年:1947年
ウインタースポーツの技術を活かし、マウンテンスポーツブランドへ
分野を飛び越え躍進
“サロモン誕生は、世界のどこにもスキーメーカーが存在しなかった1947年。フランス東南部の小さな町アネシーで、スキーのブレードとエッジを削る工場を開業した一家がいた。第二次世界大戦が終わり、レジャーに注目が集まるようになり始めたころ、サンモリッツで冬期オリンピックが開催されたのをきっかけにスキーが話題へ上るようになり、サロモン一家の町工場にも仕事が舞い込んでくるようになる。
高まる一方のスキー人気に後押しされ、1952年に工場はオートメーション化。量産体制を整え、3年後となる1955年には業界の革命となったトゥ・ビースビンディングの開発に成功した。シェアNo.1のビンディングメーカーへ成長したのちは、個人差のある足型に対応するスキーブーツ「SXシリーズ」やスキー板の生産へ進出。ウインタースポーツブランドとして大きな飛躍を遂げることとなった。
満を持して、1993年にサマースポーツの分野へと進出。ウインタースポーツで培った技術を活かし、トレイルランニングやトレッキングなど、アウトドア業界へと裾野を広げ、サロモンを冠スポンサーとした世界的なアドベンチャーレースも開催されるようになった。いまでは定番だが、ストラップを引くだけでシューレースの締め上げが可能な「クイックレース」システムは、サロモンのシューズから誕生した機能である。
スノーボードギアやバックパック、ウエア….と、手がけている分野は多岐にわたり、現在もマウンテンスポーツカンパニーとして躍進中である。”
XA PRO 3D MID ULTRA2 GTX
トレイルランニングシューズのベンチマークとなるベストセラーモデル。ハイキングからトレイルランニングまで対応。GORE-TEX採用。\18,000
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国:フランス 創業年:1860年
高い金属加工技術から生み出される信頼のクライミングギア
冒険家と登山家を支えたシモン兄弟
“創業当時、フランス・モンブランではスモーククリスタルなど多くの鉱物は自由に採取されることが許されていた。シモン兄弟は優れた金属鍛造技術を持っていたため、こうした鉱物を求めて山に入る冒険家たちから、道具を作る依頼を受けるようになる。以降、シャモニの登山家たちに支持されるともに、彼らからのフィードバックを活かした製品を生み続けている。
工場は、創業以来シャモニのモンブランバリーで操業しているが、ここはISO9001を認定された初めてのクライミングギアファクトリーでもある。デザインや品質に対するヨーロッパの厳しい検査基準をクリアした、安全な製品が作られているひとつの証明でもある。”
アナコンダカップピッケル
軽量でバランスのいいアイスクライミングツール。ヘッドとピッケルがシャフトに直接組み込まれた特徴的なデザイン。\40,000
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国:フランス 創業年:1975年
ケイビングの革新的道具が登山の世界をも変えた
より便利に、より安全に
“一般にヘッドランプやクライミングギアのイメージが強いペツルだが、元々ケイビングの道具から始まったことはあまり知られていない。1930年代初頭、創業者のフェルナンド・ペツルは7歳でケイビングと出会い洞窟の「通過できなかった難所を征服する」ために友人のピエール・シェヴァリエと道具の考案・制作を始める。
暗い洞窟で両手を使えるようヘッドバンドに光源をつけ、ヘッドランプが生まれた。またそれまで常識だったハシゴではなく、ナイロンロープを使うために登高器やビレイデバイスが生み出された。ケイビングのための便利で安全な道具は、当然ながら登山でもその威力を発揮する。フェルナンド・ペツルはふたりの息子、ピエールとポールとともに登山用品の生産を始め、「ペツル」というブランドが生まれた。
ペツルは道具の品質と信頼性にこだわり、常に業界を牽引するギアを作り続けている。”
グリグリ2
世界初、ブレーキアシスト機能を付けたビレイデバイスの最新版。グリグリの登場によりビレイが飛躍的に安全かつ簡単になった。\10,000
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国:フランス 創業年:1921年
アルプスの誇り、山岳世界に輝くミレーの歴史
MOUNTAIN BY EXPERIENCE
“山を熟知した経験。ミレーのロゴに添えられた「MOUNTAIN BY EXPERIENCE」という言葉を翻訳すれば、こんな意味になる。この言葉こそミレーの存在を象徴するもので、90年もの間、山岳世界にミレーの名を刻み続けたひとつの理由といえる。その製品作りのスタンスは「TRUE PRODUCTS, REALPEOPLE」。名立たる岳人をアドバイザーに迎え、彼らの意見をもとにアルプスでの製品テストを繰り返し、いまもなお、物作りに邁進し続けている。
記憶に刻まれるべきは、1950年のアンナプルナ初登攀でモーリス・エルゾーグとルイ・ラシュナルに背負われたバックパックであろう。この登攀の事実をきっかけに、ミレーはマウンテニアリングに適したバックパックの製造に本腰を入れていくことになる。
創業以来はや90年。ミレーはいまや、アパレル、ブーツ、ギアをも扱う登山用具の総合メーカーへと成長している。”
L.T.K.ゴアテックス ジャケット
ゴアテックスのアクティブシェルを使用した最新モデル。いまや、ミレーはマウンテンギアを幅広く扱う総合ブランドに。\48,000
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国:フランス 創業年:1930年
メタルフレームから生まれた、バックパックとアウトドアファニチャー
フランスらしさが魅力
“1930年、フランス東部の町アネロン。ラフマの創業者はヴィクトール、アルフレッド、ガブリエルの3兄弟。製革と馬具製造の技術者であった彼らが町の人向けにバックパックを作り始めたことがきっかけだった。1936年にはラフマの名を世に知らしめた「タイロリエンバック」を開発。メタルフレームを使った世界初のモデルである。
戦後、ラフマはメタルフレームの技術を生かし、もうひとつの顔となるアウトドアファニチャーの開発に着手する。当時、ファニチャーを野外に持ち出すという行為は、人と自然の距離を近くするという意味で、人々のライフスタイルにもおおいに影響を与えたという。”
RSX リクライニングチェア
発売前に予約で売切れてしまうこともあるほどに、人気の高いリクライニングチェア。その座り心地、眠りの心地はとびきり。\27,000
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国:スペイン 創業年:1995年
スペインバスク地方発、本格的登山ウェアからカジュアルウェアまでラインナップ
地元で愛されるブランド
“スペイン北部の「バスク・カントリー」と呼ばれる山岳地帯で誕生したブランド。ブランドのロゴにクジラの尾がデザインされているが、これはこの地に住む人たちが新しい土地を開拓しながら捕鯨も行なった、という歴史を物語っている。
商品開発のテーマは「eco friendly(環境への優しさ)」。できるだけ環境への負荷が少ない素材を利用するように心がけている。オーガニックコットンやメリノウールといった天然素材のほか、リサイクル素材でかつ機能性に優れる「ポーラテックパワードライeco」や「プリマロフトeco」などを積極的に取り入れ、徹底した品質管理のもと、数々の商品を世に送り出している。
定評のあるアウトドア用のパンツは、その高い機能性とデザイン性から、バスク地方の人々の間では仕事や遊び、普段着として広く愛用されている。”
ディープ ウォーター
3層のゴアテックスを使用した軽量の防水透湿性ジャケット。両脇にベンチレーションジッパー、袖口にインナーゲーターを備える。\60,000
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国:スペイン 創業年:1975年
スペインから送り出される、確かな品質を備えた登山靴
理想的な靴作りのために
“手工芸品を地域の伝統文化として大切に育んできたスペイン南東部に位置するバレンシア州ブレーナ。この街で、靴の生産を行なう工場長として従事していたヘシウス・ガルシアが、自身の思い描く理想の登山靴を作ろうと独立して誕生したのが同社の始まりである。当初は丹念な靴作りを地道に続けていたが、クライミングシューズとアルパインシューズの機能を兼ね備えた「フィーレ」を1980年に発表すると、一気に名前が知れ渡っていく。このモデルは一世を風靡、ベテラン登山者であればみなが知るところであろう。
以来、クライミングシューズのトップメーカーとなり、さまざまな革新的技術を取り入れてきた。現在では、足首の柔軟性を妨げずに、軽快な歩行を促す登山靴「スーパーラトック」や、国内厳冬期から海外の遠征登山まで対応する二重靴ながら抜群の軽さを誇る「ジー・ワン」などを送り出し、常に高い評価を受けている。”
セロトーレ
靴紐の通し方を変えると、足首が自由なクライミングモード、しっりした歩行モードに。これにより、アイスにも、ミックスにも、アプローチもこなす。\36750
国:スペイン 創業年:1912年
一体成形アルミボトルのパイオニア
アルミボトル100年
“スペインのムルシアに生まれたグレゴリオ・M・マルチネスは、12歳のときに仕事を求めてフランスへと渡った。アルミニウム加工工場で働いていた彼はアルミの持つ魅力に惹かれ、近い将来にアルミが一般に広く使われるようになることを予見した。
1910年、彼はムルシアに戻り、ラーケンの前身となる会社で主に軍隊向けの携帯水筒作りを始めている。その2年後、マルチネスはラーケンを創設。安く、堅牢、金型を使って引き抜き製造ができるなど多くの利点を持ったアルミに正面から向き合うことになる。
まず手がけたのはクラシカというモデル。これはマルチネス自身がデザインした水筒で、現在はロンドンのデザイン博物館に収蔵されている。そして登山用にアレンジしたクアドラーダを的年に発表。このモデルは、山の世界に一種の水筒革命を起こしたほどの人気商品となった。”
PL-33 クラシック1ℓ
33.5mmの広口スクリューキャップ式モデル。氷なども入れやすい。\3,000
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国:ニュージーランド 創業年:1995年
汗をかいても暖かい。ニュージーランド産高級メリノウール
NZの自然が育むウール
“汗で濡れても寒さを感じにくく、また長期間着ても化繊のような嫌な匂いを発することがない――メリノウールの優れた特性は、すでに多くの媒体で紹介されている通り。だが、アイスブレーカーのメリノウールは、そこからさらにいくつもの特徴がプラスされる。シルクのようなきめの細かさとソフトな風合い、高い断熱性、家庭用洗濯機もOKのイージーケア、あるいは簡単に毛玉ができたりしないタフネスさ、などなど。
原料となるのは100%ニュージーランド産メリノウール。標高2000mを超える山岳地帯に放牧されたメリノ羊は豊かな自然環境の中で卓越した品質の羊毛を生み出す。それは全世界の生産量のわずか1%強という貴重なものであり、そのなかからミクロン単位の直径や長さ、強度、純度、色などの検査をクリアしたものだけが、アイスブレーカーの製品となる。
ラインナップは、アンダーウエアからアウターまで幅広い。なかでも代表的といえるのがべースレイヤーのGTシリーズとボディフィットシリーズだ。GTシリーズはメリノウールにライクラを巻いた糸を使用したテクニカルウエアで、優れた伸縮性と密着性、速乾性を兼ね備えている。激しい動きにもストレスなく対応できるアスレチック仕様といえる。
一方、ボディフィットシリーズはハイキングやウインタースポーツなどアウトドア全般に幅広く適し、カラーやデザインも豊富にそろっている。”
L/S ベース クルー
GTシリーズを代表する一着。伸縮性や速乾性を重視するアクティブなスポーツに最適。ジップタイプもあり。\13,650
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国:ニュージーランド 創業年:不明
体にかかる負担を軽減させた次世代ボディバッグ
負担軽減のバッグ
“某ザックメーカーのデザイナーだったアーン・テートが独立し、独自のコンセプトで始めた「アーン」。重いザックは背負うと前かがみになり、腰に負担がかかり、実際の重量より体感重度は増す。そこで彼は、頭の上に重い荷物を乗せ楽々と運ぶアフリカ女性にヒントを得て、体の中心に荷重がかかるようなデザインを考案。
独自のフレーム構造で、荷物を詰め込んでも背中が丸くならないパックを登場させた。「重い荷物をいかに少ないエネルギーで運搬するか」にこだわる彼の研究はこれからも続く。”
ナチュラルバランス
横幅がスリムなので、荷物を詰め込んでも背中が丸くならず、荷重は常に体の中心に。ドライライナー装備。\33,600
国:ニュージーランド 創業年:1973年
質実剛健を象徴するタフな存在
質実剛健をNZから
“マックパックはニュージーランド南島の街クライストチャーチで1973年に生まれた。創設者はブルース・マッキンタイヤー。当時はまだ19歳の若者ながら、借金をして近所のバック製作者からバックパックのパターンとミシンを買い取り、当初はそのパターンを元に試行錯誤で手作りのバックパックをひとりで作っていたという。
工夫を凝らしたバックパックは人気を集め、次第に業務は順調になっていくなか、大きな転機が訪れる。オーストラリアの繊維工場と共同で開発した強靭かつ防水性に優れる素材アズテックの導入だ。
これは腐食に強いポリエステルと耐久性に優れたコットンを混紡し、ワックスと樹脂をミックスさせた特殊液を浸透させることで、防水性を向上させた特殊な素材。しかも水に濡れると表面のコットンが膨張して生地がより密になり、ますます防水性能が高まっていく。日本と似て雨が多いNZの気象条件に適した素材として評判を呼び、マックパックは国民的アウトドアブランドとしての名声を得た。
1980年代後半にはヨーロッパへの輸出を開始し、その後、日本やアメリカへ。南半球の島国生まれのブランドは世界で認められる企業へと成長を遂げた。
現在のマックパックは同社の伝統ともいえるアズテックを使った大小のバックパックに加え、超薄手ナイロンを使ってアドベンチャーレースなどに適したモデルを製作するなど、幅広い製品を生み出している。日本ではバックパックを中心に展開されているが、いまや本国ではウェアや寝袋でも人気を博する総合的アウトドアメーカーだ。”
カスケード75FL
アズテックを使用した75ℓの大型。クラシカルな外観ですが各所に最新のアイディアを導入。\45,000
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国:イギリス 創業年:1961年
安全で高機能なガスストーブはイギリス生まれの日本育ち
1994年からは国産
“ロンドンから北へ300km、EPIガスは、中世の面影が残るストックポートの街でスタートした。社名は「Euro Pleasure International」の頭文字をとったもので、安全性が高いレジャー用のガスストーブやランタンの製造がその出発点である。
最初のエポックは1973年、世界に先駆けてセルフ・シーリング・セーフティ・バルブを開発したこと。これによってカートリッジに直接バーナーヘッドを取り付け、カートリッジそのものを基台とすることが可能となった。このバルブを採用し、1974年に登場したのがバックパッカーストーブだ。軽量でコンパクトに設計されたバックパッカーストーブはそれまでの概念を一新し、各国の登山家や冒険家の賞賛を得てベストセラーとなる。シンプルで完成度が高いこのストーブは、モデルチェンジを受けながらBPSAの名で今も続くロングセラーである。
1994年からは日本国内での製造を開始。2003年に登場したREVO3500は特殊なバーナーヘッドを採用し、コンパクトながらも高い火力と耐風性を備えた革命的モデルとして評価が高い。メイド・イン・ジャパンだから実現できる高い安全性と機能性。それがEPIの最大の魅力である。”
REVO-3700ストーブ
REVO-3500の後継モデル。バーナーヘッドは特殊な加工を施した髪の毛よりも細い金属繊維で作られる。これによってバーナーヘッド表面の燃焼が可能になり、耐風性にも優れる。\10,000
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国:イギリス 創業年:1968年
山岳レースから生まれたブランド
“’68年に初開催されたマウンテンマラソンレースをきっかけとして誕生した、山岳レース用ウルトラライトギアのブランド。創設者はOMMレースのイベントディレクターであったジェリーチャン。
本国では、2017年をブランド誕生50年目として祝っており、記念ロゴ入りコンパスやマグ、Tシャツは昨年発売され、記念レースも開催された。”
ハロースモック
防水透湿素材を使用した超軽量シェルパーカ。その軽さはなんとわずか95g!。\17,000
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国:イギリス 創業年:1946年
近代クライミング・バッグの基礎を作った、英国の名門バックパックブランド
登山家たちが惚れた逸品
“英国の北西部に位置する産業革命の発祥地マンチェスター。ここに、一軒の自転車屋業を営むチャールズとメアリー・パーソン夫婦がいた。夫妻が店を営み始めた1940年代という時代は、まだ自動車の普及率はそれほど高くなく、一般の人々の主な手段は自転車であった。このため、商売はたいへんに繁盛していたという。
しかしある日、溶接作業をしていたチャールズの目に火花が入り、視力低下とともに強い光りを見ることができなくなった。そこで彼は、通勤通学に使うためのサイクルバッグを製作することを思い立つ。
同社が現在のようにクライミング・パックを作り始めるのは50年代、ふたりの息子マイク・パーソンが事業を引き継いでからのことになる。登山家らにバックパック製作を依頼されたことをきっかけに、ジョー・ブラウンやドン・ウィランスといった高名な登山家たちの注目を集め、次第に依頼を受けるようになっていく。
マイクの作る製品は、キスリングザックに代表される、それまでの大きくて体から張り出してしまうものとは異なり、細身で、急峻な岩場で激しい動作を行なっても身体に吸いつくような背負いやすいものであった。
加えて、オレンジや紫色といった鮮やかなカラーリングも話題となり、登山道具に「彩色」という概念も定着させ、た。当時はまだ、帆布やウール素材などが主流で、色といっても茶色やカーキに色づけされていればいいくらいだったのだ。無論、カーリマーは機能的な飛躍もさまざま達成し、仏ミレー、独ドイターら。とともに、登山の歴史」を築き上げていった。”
アルピニステ 45+10
ハストンらが愛したモデルを、現在の素材とデザインにアレンジした歴史的逸品。\21,000
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国:イギリス 創業年:1977年
NATO軍も正式採用の、超過酷な条件に耐えうる最強防寒ジャケット
始まりは新素材の寝袋
“ウエアに始まり、テント、寝袋、バックパックなどを幅広く扱う「スナグパック」は英国ウエストヨークシャー生まれ。
1977年、油田掘削施設の修理をする深海ダイバーだった創設者ブレット・ハリスは、アメリカの同業者が着用しているダウンベストを見てアメリカ製品とのレベルの差を痛感。一念発起し、独学で縫製の技術を磨き、手作りの製品の生産を始めた。自らマーケットで販売するなど努力の末、大型サイズが当たり前だった当時に、軽量でコンパクトに収納できる寝袋を開発。一方、技術面での知識を活かし、業界に画期的なオートメーション化をもたらした。
1980年代前半、一般的だった合成繊維の寝袋とはまったく違う「ソフティー」という先駆的な断熱素材の中綿を使用した商品の生産を開始した。自然のままの繊維に、異なった形に縮毛加工した繊維をバランスよく細かく絡めることで、ダウンよりも高い保温性を実現。これが評価され、アウトドア市場で揺るぎない地位を確立した。
また、優れた性能を持つ寝袋や断熱生地を使用した各種アイテムは世界中の軍隊からも注目を集め、NATO軍や英国軍などで正式採用されている。その業績から2009年にイギリスを代表する企業に贈られるエリザベス女王賞を受賞した。”
サスカッチ ジャケット
NATO軍正式採用。スナグパック製品のなかでも最強の防寒ジャケット。快適温度は驚異の-10℃!。\38,000
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国:イギリス 創業年:1993年
ギネスブックにも登録される、英国発の世界最軽量テントブランド
テント部門からの独立
“同社の歴史を遡ると、英国人登山家マーク・ヴァランスの始めた「ワイルドカントリー」というクライミングギア・メーカーにたどり着く。
1972年、南極での遠征登山に挑んでいたマークは、すべての行程を終えると務めていた世界的な野外学校アウトワードバウンドの授業のために米国コロラド州へと向かった。そこで、その後の人生を変えることとなる人物と出会う。その人物とは、レイ・ジャーダイン。いまやウルトラライト・バックパッキングの導師として世界的に知られる登山家である。
70年代にヨセミテなどで活躍したジャーダインは、「フレンズ」と呼ぶロッククライミング用の確保器具を試作しており、これに感銘を受けたマークはレイとともに英国でフレンズの製作を始める。そして、英国で会社を興こすことになるのだが、このワイルドカントリーのテント部門として始まり、その後に独立したメーカーとなったのがテラノヴァというわけだ。
193年に、事業を引き継いだアンディとキャロリン・オティン夫妻は同社創設者として、現在もユニークなアイディアを製品に注ぎ、近年では世界最軽量の1人用テントとしてギネスブックにも登録されている「レーサーウルトラー」といった製品がおおいに注目されている。
同時に、同社が最も得意とするのは、遠征向けの製品であり、それらの製品は英国内にある自社工場内で手作りされるなど、品質に対する熱意は並々ならぬものだ。”
レーサーウルトラ1
ヨットの帆などに使われるセイルクロスを採用して、本体とフライシート、ポールで重さ495gという超軽量テント。\80,000
国:イギリス 創業年:1966年
内部フレームのバックパックを考案したイノベーター
小売店で生まれた新技術
“バーグハウス発祥の地はイギリス北東部にあるニューキャッスル。創設者はふたりのイギリス人登山家で、彼らは1966年にアウトドア専門店をオープンしたが、既成品では満足できずに店で売るための製品を独自研究して作り始めた。これがバーグハウスの始まりだ。
ブランドとして最初に手がけたギアはバックパックだった。そして1972年、世界で初めて内部フレームを有する「サイクロプス」が誕生した。このバックパックに盛り込まれた革新的な技術は世界中から高く評価され、現在はこの「内部フレーム」という概念がバックパックの定番スタイルになっている。また、1977年にヨーロッパブランドとしては初のゴアテックス採用のジャケットも発表。
バーグハウスの製品は、専属アスリートが極限のアクティビティシーンで使用し、機能性をテストしている。これまで世界各国の一流登山家、クライマー、冒険家たちがバーグハウスの製品を身につけ、新たな試みや苛酷な自然への挑戦を可能にしてきた。その実績がバーグハウスの信頼にそのまま直結している。_2006年にエリザベス女王陛下より「the Queen’s Award for innovation(革新的企業賞)」を授与。これからも新たな歴史を刻む、アウトドアシーンを牽引するブランドをいえる。”
フリーフロー30+6
1996年に発表した「フリーフロー」シリーズの最新モデル。パックと身体の間の通気性を促すシステムを導入し、背負っていても涼しく感じる。\13,650
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国:イギリス 創業年:1910年
独自の技術が快適さと耐久性を発揮するアウトドアソックス
ウールと化繊の融合
“歴史をさかのぼると、イギリス軍のニットセーターの製造を手がけていた会社にいきつくとか。1910年から北アイルランドのニュートナーズで靴下を編み続け、ブリッジデールの名はその後ソックス部門を買収した農場名に由来している。
ブリッジデールのソックスは、独自の技術「ウールフュージョン」を採用している。これは吸水性や脱臭性、保温性といったウールのメリットと、速乾性に優れた化学繊維(クールマックスやエンデュロフィル)のメリットを融合させたもの。保温が必要なときは暖かく、湿度が高く暑いときは水分を外に逃がすのが特徴だ。
代表的製品であるエンデュランストレッカーは、ウールフュージョンに加えてYヒールと呼ばれるかかとの滑りを防止する構造)備えている。しっかりとしたフィット感は長時間使用しても足に負担がかかりにくく、ロングセラーを続けている。”
エンデュランストレッカー
クッション性と保湿性に優れ、ヘビートレッキングに最適なソックス。
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国:イギリス 創業年:1961年
ヒマラヤ登山史を彩る「山岳道具」の華
先鋭クライマーとともに
“1960年代初め、イギリス・マンチェスターのクライマーは、ある仲間が手作りしたダウンスーツ、ダウンシュラフを愛用していた。その輪は次第に広がり、誰からともなく「マウンテン・イクィップメント」と呼ばれ始めた製品は、ふたつの伝説を通して、世界中の猛者が競って求める逸品となる。
そのひとつが世界に14ある8000m峰のうち、8座の初登頂(未登峰ルートを含む)に使われていたということ。もうひとつは1975年、エベレスト南西壁初登頂の裏話。ダグ・スコット、ドゥーガル・ハストンのふたりは下山中、8763mという超高所でのビバークを余儀なくされる。しかし、彼らはそんな死の淵から指一本失うことなく生還。この一夜を支えたのも、MEのダウン製品だった。
農場の納屋で作り始めたというピーターは、当初から才能を発揮していた。そのひとつが「ボックスウォール構造」を発案したということ。仕切りによってダウンの偏りを防ぐこの機構は、およそすべてのダウン製品に採用されている。そして現在、MEでは5つのバッフル構造を必要に応じて駆使している。
前述のように、MEはヒマラヤ黄金期に数々の名クライマーに愛用され、それらの経験を惜しみなく製品に反映してきた。8年の蓄積は「質実剛健」という名の信頼となり、ME製品のなかを脈々と流れている。”
アンナブルナジャケット
40年をかけて、幾多の改良を加えた現行モデル。MEが誇る究極の一着。\50,000
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国:イギリス 創業年:1981年
登山家たちを魅了する、過酷な環境下で活躍するダウン製品
パタゴニアでの失敗から
“英国の自社工場内で高品質なダウン製寝袋などを作り続ける同社の歴史は、英国人登山家ロバートラブキャリントンのちょっとしたハプニングから始まった。
1973年、彼は友人クライマーらとともに、パタゴニアでのクライミングを計画した。だが現地に行ってみると船便で送ったはずの登山道具が届かない。英国の港の労働者たちがストライキを起こし、荷物は発送さえされていなかったのだ。そうしたとき、知人を通じてダウン製品を作る工場を営む人物を紹介され、高品質なダウンの見分け方や製品作りを学ぶ。
この経験を活かして、1981年に自宅の屋根裏部屋を改造して、寝袋作りを始めたのがラブの始まりというわけだ。今年で創立30年を迎えた同社では、「世界で最も苛酷な環境下で使われる製品」を信条として製品開発が行なわれ、ダウン製品だけでなく、アウトドアウエア全般を扱うまでに成長した。また、創業当時からパーテックスを始めとした新素材を導入するなど、技術や素材革新にも意欲的に取り組んでいる。
近年、日本でも徐々に知名度を上がってきており、いま最も注目したいメーカーのひとつといえるだろう。”
インフィニティ ジャケット
最高級の北欧産850FP グースダウンを贅沢に使い、軽量なパーテックス・クワンタムGL素材で包んだ、とても温かな一着。
国:イタリア 創業年:1990年
経験に裏打ちされたクラフトマンシップの息づく登山靴ブランド
3D技術による履き心地
“創業者のボールディング氏は第二次世界大戦後、イタリアの伝統的な皮なめし工場で働き始め、1960年代初頭にその経験をもとに登山靴の縫製工場を設立した。二年代後半には「Dinsport」ブランドを立ち上げ、クロスカントリー用ブーツが強い支持を得る。そして8年に「AKU」を設立し、その後10年で販売網を世界中に広げた。
靴作りにおいては、すべての過程で細心の注意を払い、クラフトマンシップをもって製作している。一般的な靴作りの技術とは異なり、3D(3次元)技術を駆使。外観やデザインだけでなく、とくに履き心地を左右する靴の内側にこだわり、足の形態学に基づいた開発を行なっている。そのため、最高のフィッティングを提供するブーツとして、高い評価を得ている。
現行モデル「コネロGTX」は、AKU独自開発素材のエア8000にゴアテックスを組み合わせたモデルで、高い透湿性と防水性を実現している。”
コネロ GTX
ヒマラヤでのロングトレッキングにも対応する中・上級者向けのトレッキングブーツ。6本爪アイゼンの装着も可能。\34,300
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国:イタリア 創業年:1975年
北イタリアに位置する小さな村の名前を冠したシューメーカー
軽量素材をいち早く採用
ブランド名にもなっているアゾロというのは、北イタリアに位置する小さな村の名前である。靴職人が集うことで知られ、有名無名を問わず大小さまざまなシューメーカーがこの地から誕生しているのだが、このアゾロは、皮革とナイロン素材をミックスすることで、軽く、足首のフレックス性を大切にした登山靴をいち早く作ったことで知られている。こうした流れは、その後に数多くのイタリア発の登山靴メーカーが後を追うことになる。
シェルバGV ML
足首の柔軟性を出し、軽量に仕上げた一足。セミ・ワンタチアイゼンが装着可能で、冬期中級山岳まで対応する。
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国:イタリア 創業年:1964年
秀逸なデザインと人間工学にもとづいた登山靴
世界のニーズに応える
“ガルモント社は1990年に設立されたが、じつは100年以上前の1867年からシューズの製造に携わる。戦時中には兵士用のブーツを製造し、その後も国際的なメジャーブランドのシューズ製造を手がけるなど着々と実績を積み上げていった。
同時にテレマーク用のブーツなどを企画・開発し、製造技術や高い品質管理などにより市場の信頼を獲得。そして、スキーブーツを皮切りに現在のアウトドアブランドであるガルモント社を創業するにいたる。
創業後は拠点を置くモンテベルーナの自然に触れながら、斬新なデザイン性と製造技術、企画開発力を生かし、各種シューズを製造。とくに登山靴はさまざまなシステムを採用。なかでも独自のADDシステムは履きやすさと歩きやすさを追求したデザインで、フィット感を高め、足への衝撃を和らげるなど人間解剖学の観点から安定した歩行を約束している。”
タワーGTX
オールランドに対応する軽量登山ブーツ。イタリアらしい斬新なデザインは、ガルモントを象徴するモデルとなっている。\42,000
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国:イタリア 創業年:1889年
創業時から守られる品質と安全性は世界のニーズを満たす
安全性最優先の製品作り
“さまざまなクライミングギアをラインナップしているカンプ。カンプの物作りは、道具に求める「最高の安全性」がテーマ。国際的な品質基準をクリアするだけでなく、著名な登山家によるテストを経て、納得のいく製品以外は市場に出さない、作らない」という、創業以来の徹底した理念のもとに製品作りを続けている。
ブランド創業時は、鉱山で使用するつるはしなどを製造する鍛冶屋からスタート。その後、鍛冶職人としての技術を活かし、ピッケルやアイゼンといった金物を製造し始めた。現在は主にクライミングギアを始め金物以外もラインナップし、安全性の高い商品を提供している。
中央にオオカミが構えるロゴには、オオカミが厳しい環境下でも仲間を信頼するところから、カンプのギアが登山家から信頼されるようにというメッセージが込められている。”
アーマー
ブランドを代表するヘルメット。軽量モデルで頭部への負担も少なく、フィッティングにも優れる。カラバリも豊富。\10,000
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国:イタリア 創業年:1818年
クライミングの歴史とともに歩み続けるピッケル・アイゼンの老舗
世界3高峰登頂を可能にした老舗ブランド
“1950年代に相次いで成されたエベレスト、K2、カンチェンジュンガの初登頂の際、メンバーが身につけていたのが、グリベル製のアックス(ピッケル)とクランポン(アイゼン)。グリベルの名を高めた輝かしい偉業だった。
グリベルのクランポンは、1818年、モンブラン南麓、イタリア・クールマイユールで鍛冶屋を営んでいたグリベル一家が、登山者の要請を受け、農耕器具を改造して作ったことがきっかけだった。1929年、グリベルはクランポンの2本前歯を前方に曲げる工夫をし、氷壁を登れるようにしたことが、登山のスタイルを大きく変える工ポックとなった。
1970年代からはクローム合金や新素材の採用を始め軽量化も進み、グリベルの鍛造技術う進化したが、グリベルは常にトップメーカーとしての信頼と地位を保ち続けている。”
AIR TECH EVOLUTION
シャフトにエヴォリューションベルトが付けられており、岩と雪のミックスルートへ対応している。熱鍛造一体型成型ヘッドで耐久性も高い。\21,000
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国:イタリア 創業年:1994年
物作りにこだわる職人気質のイタリアブランド
品質の高さは折り紙つき
“ケイランドはイタリア発のフットウエアブランド。アルピニストとイタリアの優れた靴職人が集まり、画期的な登山靴を製品化して創設した。ケイランドはいままでの登山靴に使われたことのない、軽量かつ優れた強度を誇るケブラーコーデュラ素材を初めて取り入れたことで注目を集めた。プラスチックブーツに代わる次世代型ブーツ、「スーパーアイス」は、軽いうえ、に高い強度を保持。こうしてカーボンとケブラー混合のアッパーを使った、初めてのケミカル素材の登山靴が誕生した。
ケイランドは、常に革新的な素材や技術を追求し、イタリア、フランスのアルピニストたちによるフィールドテストを繰り返している。彼らから得たデータは商品開発に反映され、クオリティの向上につながっていく。
また、イタリアに拠点を置く、多彩なスポーツシューズを手がけるノベーション社と統合したことで、ケイランドの可能性はさらに高まったといえる。同社はコアで最先端の技術を持ち、素材・製造・成型のノウハウも豊富な大手メーカーだ。今後、ケイランドの製品はますます洗練されていくことだろう。”
アペックスデュアル ガイドGTX
フィット感とサポート力に優れ、防水透湿性素材と中綿入りの冬季登山適応モデル。ゴアテックス採用。\45,000
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国:イタリア 創業年:1935年
アルプスで培われた知識と経験にイタリアらしいデザインが融合
イタリアらしい感性
“斬新なカラーリングでひときわ存在感のあるサレワは、ドイツのミュンヘンが発祥の地。馬具屋がルーツだったため金物製造の技術を用いてピッケルやアイゼンを製造したのがブランド誕生のきっかけ。
第二次世界大戦中はレザー&テキスタイル、バックパックなどの製品を供給。その後も、メスナーなどの登山家と商品開発するなどし、アウトドア業界へ進出してきた。そして、1990年には拠点をイタリアに移したことから、イタリアらしいデザイン性とカラーリングを活かしたウェアの開発へと軸足を移すことになる。
70年以上の長い歴史とドイツ・アルプスで培った経験や知識、さらにはイタリアらしいデザイン&ファッション性、流行を敏感に感じとる力を融合した製品作りを続ける。ちなみに、ロゴに使用されているイーグルの意味は「さらなる高みを目指して」。知力に富み、気高く大空を羽ばたく姿を目標としている。”
アルボナスカPTXジャケット
防水透湿素材、パワーテックスを採用したジャケット。スキーマウンテニアリングウェアの代表作。\50,000
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国:イタリア 創業年:1929年
イタリアの靴作り魂が生み出した名門
ドロミテが育てた山靴
“仲間たちからべピの愛称で親しまれていたジュゼッペ・ザンバランは、北イタリアのドロミテ山塊で育った山を愛する青年だった。仕事は靴の修理工。第一次世界大戦後、ベピは山登りのための靴作りをしたいとの強い思いから、自らが靴職人となることを決意。以来、自分や仲間たちのための登山靴をハンドメイドでていねいに作り上げていった。靴は仲間の間ですぐに話題となり、注文が殺到。彼は1929年に「ザンバラン」の名を掲げた登山靴製造工場を立ち上げるにいたっている。
日本との関わりで興味深いのはフジヤマという登山靴。この名は日本に親しみを感じていた同社が、日本での販売を願ってつけた名前だったとか。念願叶って、今年にフジヤマは日本に上陸。以来、ザンバランの名を日本の登山者に刻みつけた靴として記憶され、いまもなお販売が続けられている。”
フジヤマGT
ザンバランの顔ともなったフジヤマは当初、イタリア国内のみで販売されていた。マイナーチェンジを繰り返しているが、いまも現役。\42,000
国:イタリア 創業年:1938年
イタリア語で「靴」を意味する、登山靴の老舗メーカー
丘の上の小さな村から
“北イタリアの小さな村、アゾロ。ここには古くから靴職人が集い、同国有数の靴の製造地として知られてきた。イタリア語で「靴」を意味するスカルパは、創業当初からこの地で登山家や林業関係者、山岳歩兵のための靴を作り始め、次第に登山家たちのあいだでも評判になっていく。
そして、ヴァルテル・ポナッティを始めとした高名な登山家たちからも注目を集めるとともに、彼らからさまざまな助言を得ていく。現在は登山靴のみならず、クライミングシューズやスキーブーツなども手がけ、その高い品質、デザイン性、長く愛用できる堅牢性によって根強いファンを獲得している。”
トリオレプロ GTX
足首の柔軟さを維持することで、より快適な登山を可能にする一足。セミワンタッチ・アイゼン取り付け可。\39,900
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国:イタリア 創業年:1960年
伝統的な素材&製法と最新技術がコラボしたトレッキングシューズ
スキーから進化を続ける
“登山靴発祥の地ともいわれる北イタリア・モンテベルーナは、世界的な皮靴メーカーを多数輩出してきた。1930年代からイタリア軍に軍靴を卸していた靴工場を前身に、「テクニカ」が創業されたのは1960年。創業当時はワークブーツと登山靴を中心に生産を始めた。
その後、1970年代に入ると同時に、テクニカにとって大きな転機が訪れた。それまでに例を見ない斬新なデザインのスノーブーツ「ムーンブーツ」を発表。前年の夏、アポロ1号が初の月面着陸に成功した際、宇宙飛行士たちが履いていたブーツに似ていることから名づけられ、デザイン性とネーミングの巧みさによって、3年間で2000万足の売上を記録した超ヒット商品となったのだ。
さらに1973年、2種類の異なる素材をひとつの金型に流し込んで一体成型する「バイ・インジェクション製法」による世界初のプラスチック製スキーブーツ「テクナス」を発売。スキーブーツブランドのパイオニアとしての地位を確立した。
このふたつの製品の成功により、テクニカの名前は広く世界で知られることとなり、1985年には、本格的なアウトドアシューズのコレクションを発表、フットウエア全般を扱うメーカーへと成長を遂げたのだ。近年では、2010年に導入したソールシステム「TRS」の実力が研究機関によって実証されるなど、歴史に裏打ちされた技術力を誇っている。”
トレックスピードGTX
アッパーをスエードと耐久性の高いテキスタイルで構成。2泊程度の山行でも通用するスペック。\25,000
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国:イタリア 創業年:1965年
イタリア生まれのオールマウンテンシューズ
最高のフィット感を求めて
“クラシカルなオールレザーブーツから、軽快なトレイルランニングシューズまで、幅広い山のニーズに応えるシューズメカーとして知られるバスク。ともとはワークブーツで有名な「レッドウィング シューカンパニー」のアウトドア部門としてスタートしている。その後、1972年に現在のブランド名に変更し、1984年、同社を代表するフラッグシップモデル「サンダウナー」の発売とアジア進出によって、一躍世界に知られる存在となった。
近年はトレイルランニングモデルにも力を注いでおり、「トランジスターFS」が2010年、『バックパッカー』誌のエディターズチョイスに輝いた。同モデルは特許申請中の「フットシンクフィットシステム」を採用し、安定性、衝撃吸収性を飛躍的に高めている。創業当時から守り続けるポリシーである「最高のフィット感」は3年の研鑽を経て、ますます高められている。”
サンダウナーGTX
同社のDNAを受け継ぐオールレザーバックパッキングブーツ。アメリカ国立公園局のパークレンジャー、そのオフィシャルシューズとなっている。\28,000
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国:イタリア 創業年:1985年
人間工学にもとづいたレンズを採用し、あらゆる条件での視野を確保
ワックスからレンズへ
“イタリア人創業者のアルベルト・ブリニョーネは、父が経営する小さな薬品会社で独自にスキーワックスを作っていた。そのワックスで、国際レースの表彰台に上がる選手が出たことから一躍有名になる。カルガリーオリンピックでふたつの金メ
ダルを獲得したトンバ選手もそれを使用していた。
その後、「ブリコ」はスノーヘルメットやアイウェアを柱とする製品の開発も手がけていく。1989年、大学の研究者とともに人間工学にもとづいた「高速時の視界確保」に有効なトラマレンズを開発。発売以来、スピード競技の選手たちから大きな支持を獲得する。このレンズは、スポーツコメンテーターの「スキーが発達しハイスピ化が進んだため、スキーヤーは視界に問題を感じている」という言葉がヒントだったという。
現在も、すべてのスポーツを楽しむ人を満足させることを目標に、快適性、デザイン性、最新のテクノロジーにこだわった製品開発を進めている。”
ENDURE PRO DUO
トラマレンズ採用のジャパンフィットモデル。フレームは柔軟性が高く、破損のリスクが極めて低い。\27000
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国:イタリア 創業年:1998年
世界中のアルピニストが愛用する「究極のエルゴノミクスデザイン」
愛される理由はその品質
“世界中の山岳ガイド、トップクライマーから絶大な信頼を得ているモンチュラ。その魅力は動きやすさと機能性がベストマッチした、製品の完成度にある。
創設者のロベルト・ジョルダーニはイタリア北部のドロミテ近郊の村に生まれ、山々や渓谷が広がる自然豊かな環境で育った。彼がアルピニズムに対する情熱、愛情を持つようになったのも、ごく自然のことだろう。
1998年、彼は北イタリアのトレント州ロベレートでTASCI(タッシ)社を作り、同時にアルパインブランド、モンチュラを設立。「TASCI」とはチベット語で「幸運」を意味し、人々が出会ったときのあいさつにも使われる言葉。そして、「モンチュラ」はイタリア語で「ユニフォーム」を意味している。
ロベルトは、イタリアの優秀なクライマー、アルピニスト、山岳ガイドたちの協力を得て、数々のフィールドテストを実施し、体にフィットしながら動きを妨げないアルパインギアを完成させていく。また、幸運なことにロベルトは優れたアーティストセンスも持ち合わせていた。彼はクリエイターとしての才能もおおいに発揮し、人間の動きを考えたエルゴノミックデザインをベースに、緻密に計算された立体裁断や縫製技術を駆使し、体にフィットしながら動きを妨げない製品を作り上げていった。
こうして誕生した「ガイドジャケット」は、その名の通り、イタリアの山岳ガイドのために開発したモデル。動きやすく機能的なギアは、山岳ガイドのみならずクライマーやアルピニストにも支持され、現在もモンチュラの代表的なハードシェルジャケットとして継承されている。-アルパインやクライミングのほか、ツアースキー、トレッキング、トレイルランなどの製品も手がけるが、どのジャンルにおいても着用感と機能性を兼ね備え、品質の高さは折り紙付き。また、モンチュラの洗練されたデザインはタウン着としても活用できるのが魅力だろう。”
ガイドジャケット
山岳ガイド向けに作られた機能的なジャケットはヨーロッパで大人気。裁断・縫製・デザインまで一切に妥協しない完璧志向から生まれた逸品。
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国:イタリア 創業年:1928年
軽さに加え、足と一体化するホールド性が秀逸な一品
進化を続ける職人の技術
“北イタリア・ドロミテ山塊の小さな町で、山に暮らす人々のために手作りで登山靴を作る..。そんな歴史をいまも受け継ぐシューズ・メーカーが「ラ・スポルティバ」だ。その創業は1928年に遡る。本社・工場は、岩山に囲まれた谷筋にあり、まさに多くのテストフィールドに囲まれている。
靴作りは、いまでも地元の職人による手作業で行なわれる。登山、クライミング、トレイルランニングの3カテゴリーに共通したこだわりは、確実に理おさえ、素早く絞まるシューレースシステムと軽さだ。熟練の技術に情熱が込められた製品は、多くのトップクライマーたちに愛され、世界中で確かな実績を残している。1954年にK2初登頂を達成したイタリア隊のラセデリも、愛用者のひとりだ。1997年に登場したミウラーは、当時の一般的なレベルを大きく越えるもので、現在も人気が高い。”
ミウラー
スポルティバの代表モデル。レーシングシステムにこだわった不朽の名作。\12,000
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国:オーストラリア 創業年:1990年
充実したラインナップで一気に浸透した必須アイテム
充実のアクセサリー類
“西オーストラリアの州都、パースに拠点を置く比較的新しいブランド。創業者のひとり、ティム・マッカートニーがインドのベンガル湾からエベレストまで単独で遠征を行なったときの経験をもとに、ブランド名をシートゥサミットと命名した。
代表的なアイテムといえば、いまや登山シーンでほとんどの人が持っているスタッフサック。ウルトラシル・ナイロンを使った同社のスタッフサックは、防水性やコンパクトかつ軽量という機能性を満たしつつ、ポップなカラーバリエーションや容量によるサイズ分けなど豊富なラインナップで、利用者のニーズを高次元で満たしている。
同社の特徴は、バックパッキングの脇を固めるアクセサリー類の充実度。スタッフサックのバリエーションだけでなく、軽量でコンパクトになるバッグ類やカトラリー、インナーシーなど、展開するアイテムは多種多様。最近ではスリーピングバッグやテントの製造など、ますますその動向が気になるブランドだ。”
ウルトラシル・ドライサック
防水性のある小型のスタッフサック。軽く、バリエーションも増え、いまや収納の必須アイテム。8ℓ=\2,300(ほかサイズあり)
国:オーストラリア 創業年:1996年
常にベストを目指して進化するコンプレションウェアの草分け
「着るサプリ」スキンズ
“1996年にオーストラリアで誕生。長時間のフライトによる疲労を軽減するために考案され、その後、スポーツアスリート向けの商品を開発。
心臓に向けて、だんだんと着圧を弱くしていくことで、酸素供給量を高め、着ているだけで、疲労を軽減するスキンズ式段階的着圧、機能を搭載したウェアで、世界中のアスリートから高い支持を受けている。”
A200 メンズロングタイツ
オーストラリアから3Dスキャンを空輸し、スキンズ社、大学の合同研究によって、完璧なジャパンフィットを実現。\13,000
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国:オーストリア 創業年:1996年
ヨーロッパ有名ブランドの生産請負から独立
メイド・イン・オーストリアの品質
“オーストリアルピンの故郷は美しい山々に囲まれたオーストリア、チロル州フルプメス。標高1000mの街は金属の採掘、精錬で知られ、職人によってピッケルなどの登山用品作られてきた。有名ブランドの生産請負から独立した登山家らによって1996年に設立したオーストリアルピンだが、現オーナーの祖父は1930年代初頭にすでにカラビナを製造していたという。クライミングギア製造のDNAはめ年の歴史を誇る。
独特のシェイプのカラビナなどオリジナル性の高さで知られる。「Imagic-rock」ゲートシステムはパテントであり、引っかかりを解消しつつ非常に高い強度を誇る。アイゼンやアイスアックスでもユニークな製品を発表。すべてオーストリア国内で生産される。厳しいテストによって品質が保証され、ていながら、高いコストパフォーーマンスを誇る。”
イレブン ストレートゲート
同社が最初に製造したカラビナ。オープンゲート時で11kNという高い強度を誇る。\1260
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国:カナダ 創業年:1991年
数々の新素材や新技術を生み出し続ける革命児
3要素の完璧なる融合
“クライマーとしてカナダ西海岸では広く知られていたデイブ・レインは、当時市販されていたクライミング・ハーネスに満足できずにいた。そこで彼は、最良の素材を集め、最良の製造方法で、よりよい製品を作り出すことを目的にロックソリッドという会社を立ち上げる。製品は、ハーネスやスリングなどのクライミング道具であり、後にクライマー仲間のジェレミー・ガードが加わりアークテリクスが誕生する。
デイブの理想とするハーネスが生まれるのは、創業から3年後の1993年。アイディアのもとは、現在同社の製品開発エンジニアを務めるマイク・ブレンカーンが自作したMTBを担ぎ上げるショルダーヨークだった。そこに使われていたのは、熱成形フォームの3次元加工技術で、これをもとに革命的な「ヴェイパーハーネス」を作り出す。この製品の噂は広まり、瞬く間にアークテリクスの名が世界中に知れ渡っていく。
以後、バックパックやアウトドアウエアまでを手がけるようになるのだが、その超弩級の完成度に対して世界中から驚きと称賛の声が届けられ続けている。彼らの設計思想のもとにあるのは、デザインと素材、構造(製法)という3つの要素の完璧なる融合。そのいずれかが欠けて3最高品質の製品は生まれないと説き、製造現場まで一貫した品質管理を行なっている。”
アラキス65
スキー板などの装着を可能としながら、完全防水性を確保した大型モデル。\73,500
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国:カナダ 創業年:2005年
繊維、生地、処理法、すべてにおいて新技術を開発導入
こだわりの素材と技術
“2005年、カナダのバンクーバーで創業されたウエストコム。一切妥協せず、最高品質のウエアを作るという自信のもとに設立された。創業者のアランは米国の有名な服飾デザイン学校FIDMで繊維の基礎を学んだ後、父親のトニーが経営するウィナー・スポーツという縫製工場をそのまま用いることで創業当初から最高品質のウエアを発表、数々の賞を受賞していく。
なかでもcVENTを採用した世界最軽量のジャケット「スペクターLTフーディ」は2008年の米国「BACK PACKER』誌の「EDITOR’SCHOICE」を受賞して話題を呼んだ。高性能が証明された素材しか使わず、メイド・イン・カナダにこだわる。
ステッチラインにゆがみがなく、ピッチは他社よりも2倍細かいという徹底ぶりだ。このような製品作りは、経験豊富な技術者があってのことで、自社工場だからできること。今後最も注目されるべきブランドのである。”
Mirage Jacket
eVent採用のハードシェルジャケット。縫い代やシームテープの幅を狭くして軽量化に成功。ミッドレイヤーとの干渉を避けるため、フロントジッパーを曲線にデザインしている。\80,000
国:カナダ 創業年:1898年
4世代におよぶ家族経営により継承される誠実な靴作り
“ケベック州コントレーレの工場主だったウィリアム・クックは、1932年から取引先のブランドでのフットウェア生産を開始。
そして72年、自社ブランドとして「kamik」(イヌイット語で「足を守る」という意味)を立ち上げたのを機に、防寒ブーツブランドとしての地位を揺るぎないものとする。足を暖かくドライに、そして快適に保つ機能的な靴作りは、4代目となったいまも引き継がれている。”
グリフォン2
断熱材としてシンサレートが使われ-30℃まで対応可能な防寒仕様のレザーシューズ。\19,000
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国:スイス 創業年:1893年
多機能ナイフの老舗名門ブランドがアウトドアへ転身
先鋭登山家のナイフ
“1893年、スイス・ジュラ州にカトラリーワークス社が立ち上がる。ウェンガーの前身となるこの会社は、同年からスイス軍にナイフの納入を始めた。
1907年には社名をウェンガーに変更。同じスイスのビクトリノックス社とは、スイス軍に多機能ナイフの納入を行ない、1908年には軍に納める量を2社で折半するという取り決めを交わして納入を続けてきた。
2005年、ウェンガーはビクトリノックスの傘下に入り、それぞれ独立した経営を続けることとなる。2008年にはスイスの先鋭的アルピニスト、ウエリ・シュテックをブランドアンバサダーに迎え、2009年にはアウトドアブランドとしての方向性を強化すると発表。新生ウェンガーを象徴するモデルが、2011年に登場したウェリ・シュテック考案のスペシャルモデル。登山に必要な装備をミニマムに携帯できる。”
タイタニウム ウエリ・シュテック スペシャルエディション
2年の歳月をかけて開発された特別モデル。登山に必要な機能を1本に集約。\18,900
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国:スイス 創業年:1908年
アルミ製ボトルを世界中に広めた老舗ブランド
毎日が楽しくなるボトル
“当時はまだ珍しかった、新素材アルミにいち早く着目し、アルミ加工製品で大きな成果を成し遂げたボトルブランド「シグ」。創業は1908年。当時、アルミの飲料ボトルとしては画期的な一体成型による引き抜き加工により、軽量で丈夫な「ビバレージボトルトラベラー」を発表。瞬く間に多くの人の注目を集めるようになった。
製品はすべてスイスの自社工場で生産。徹底した管理環境のもとで作られるボトルの数々は、どれも見ても楽しい色遣いが特徴。常に安心して水分補給ができるようにと内部の特殊なコーティングは人体や環境に優しいものを採用している。さらに、この特殊なコーティングにより、たとえ本体に凹みが生じても、ひび割れたりはがれたりすることはないという。
たった1本のボトルがあるだけで毎日が楽しくなる。そんなブランドの不変のコンセプトが、100年にわたって多くの人に愛用されている理由かもしれない。”
トラベラー
クラシックな雰囲気が人気の「トラベラー」。カラー展開7色、サイズも0.3~1.5ℓと、充実したラインナップ。\2500~
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国:スイス 創業年:1884年
クオリティの背景に1世紀を超える研磨の歴史がある
スイス軍御用達の業物
“2008年、ビクトリノックスの原点であり、代表作のひとつ、ソルジャーナイフがモデルチェンジされた。仕様変更は軍備の技術革新が進んだことを受けてのものだ。以前のモデルは1961年からマイナーチェンジを繰り返しながら使用されてきたもので、じつに年ぶりの大幅アップデートとなった。
軍用にも供される同社の製品は高い品質と長い歴史を誇る。創業は1884年。ドイツとフランスで刃物作りを学んだカール・エルズナーが、故郷スイスの村でワークショップを開設したのが始まりだ。
エルズナーはその後スイスで刃物ギルドを組織し、27人の職人が共同で作ったソルジャーナイフをスイス軍へ納入する。これが1891年のこと。軍への納入はそれから1世紀以上も続いている。-モデルチェンジにあたっては、厳正なコンペも行なわれた。審査を勝ち抜いたことは、改めてクオリティの高さを裏付けたことにもなる。ハンドルに光るスイスクロスは伊達じゃない。”
ソルジャー
片手で開け、ロック機構も備えるブレードや+ドライバーなどもある。\6,000
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国:スイス 創業年:1862年
クライミングギアからウェアまで展開するスイスの総合ブランド
ロープから始まる歴史
“マンモスのロゴが印象的なマムートは、来年で150周年を迎える老舗の総合アウトドアブランドである。今でこそウエアや登山靴、シュラフなどを展開しているが、もとは農業用ロープから始まっている。創業時からしばらくは農業用ロープを主に扱っていたが、1820年代には麻で作られたクライミング用のスタティック(弾性が小さい)ロープを製造。
創業100周年になる1962年には、すでにスポーツ分野で確固たる地位を築き上げていた。この頃、世界で初めての化学繊維を使ったロープを製造し、さらにその2年後にはダイナミック(弾性が高い)ロープの製造も開始。登山用ロープとしての地位もまた確かなものになった。
ロープ以外のアウトドア製品は1972年頃、ウエアやスリーピングバッグ、テントなどを開発。その6年後には、ゴアテックスを採用したアルティチュードジャケット&パンツを発表。いまでは広く知れ渡り、アウトドアウェアには欠かせないゴアテックスも当時はほとんど未知の素材であり、そうした新しい素材を積極的に取り入れたりもしていた。また、世界初のソフトシェルウエアともいわれるストレッチパンツを発表し、世界中を驚かせている。
ロープ製造で培われてきた技術や歴史を大切にしつつ新たな技術や素材を取り入れ、マムートはいまなお発展し続けている。”
インフィニティ
山岳ガイドも使用している9.5mmの軽量シングルロープ。全長30m=\15,000
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国:ポルトガル 創業年:1998年
先鋭的登山家が経営者。納得いくものしか作らない南欧ブランド
創業者はクライマー
“1998年、アルパインクライマーである創業者ヌーノが、既存のアウトドアギアに満足できず、自らの経験と仲間の体験談をもとに最高品質のギアを開発し、製造した。それがこのオルティックだ。
オルティックのブランドコンセプトは、「For Alpine Use」。すべてのギアが登山のなかで最先鋭的なアルパインクライミングでの使用を想定している。マテリアルやデザインに特化、または妥協することなく、何度もフィールドテストを重ねアルパインクライマーの自分たちが命を預けてもいいと思えるギアのみを発売している。
最小限の幅にシェイプしたマットレスといい、ストーブを吊り下げるギアといい、南欧のポルトガルというイメージからは、ほど遠い尖ったブランドだ。”
ヒートイット
シングルバーナーにセットすると黒い幕が風よけとなり、ストーブを置くスペースがない岩場などではワイヤーで吊るし調理ができるスグレモノ。\12,000
国:韓国 創業年:1994年
ハイキング大国・韓国発
ハイキング大国・韓国発
“4500万人の人口に対して1000万人のアウトドア愛好家がいるといわれる韓国。その韓国で大きな支持を得ているのが、トレクスタのトレッキングシューズだ。長年にわたる海外有名ブランドシューズのOEM生産ののち、1994年にオリジナルブランドのアウトドアシューズを立ち上げた。
その確かな技術と独創的なアイディアは高く評価され、いまでは軍隊用特殊ブーツの製造にう関わっているほど。また、韓国ではシューズのみならず、アパレルやバックパックなどアウトドア用品を総合的に取り扱い、めを数える直営店などを通じて幅広く人々に親しまれている。
日本で最初に広く認知された製品は、2001年に発売したやや深めのミッドカットシューズ「エボリューション」。甲高幅広の新しいラスト(木型)と凹凸の深いアウトソールの採用が、日本人の足やフィールドに合ったものとして受け入れられた。いまも基本設計はそのままにより熟成され、製造を続けているロングセラー製品だ。
さらに2010年には現在の主力ラインナップでもあるnestFITシリーズを発表。これはすべての「歩き」に画期的な快適性をもたらすフィッティング・テクノロジーで、モダンなデザインとともにその技術は世界各地で話題を呼び、数々のアワードを受賞している。当初はウォーキングシューズやライトなハイキングシューズを中心とする展開だったが、今シーズンは本格的トレッキングブーツを発表。今後はよりハード指向のブーツやスキーブーツなどにも応用していくという。”
NEST MTR2
nestFITの特長を最大限に活かしハイキングからトレイルランまで使えるマルチシューズ。\18,000
国:香港(中国) 創業年:2007年
コンパクトで使いやすく、コスパも優れた山屋の強い味方
使用場面に見合った機能
“JRギアのこだわりは、アウトドアやトラベル、日常生活で使うのに充分な機能を備え、オーバースペックにならず、コストパフォーマンスに優れた製品を供給すること。
アメリカのアウトドアメーカーで働いていたジョナサン・リーが、自分の求めるギアを作るため工場を設立。防水ギアを開発し、設立当初はいろいろなブランドの防水製品をOEM生産していた。2007年にオリジナルブランド「JRGEAR」をレイモンド・ツェーと共同で創設。開発を担うのは、登山、トレッキング、スキューバダイビング、サーフィンなど、あらゆるアクティビティを愛するエンジニアグループだ。
防水ギアのなかでも好評を得たのが、収納袋に入れると4分の1ほどのサイズになるコンパクトなザックカバー。超軽量の30デニールのコーデュラナイロンにシリコンコーティングを施し、強度、耐久性、防水性をアップさせた防水ドライバッグもベストセラーだ。”
ウルトラライト ドライバッグ
超軽量かつ耐久性が高く、2.5ℓ~30ℓまで6種類あるが、いちばん大きなサイズでもリーズナブル。\1,000~3,000
国:香港(中国) 創業年:1998年
盗難防止機能付きバッグの先駆者
“旅先で置き引き、盗難など、不愉快な経験はしたくない。そう考えたふたりの若者ロブ・シュリッパーとマグナス・マックグラシャンが創設。
バックパックをワイヤーネットで包んでロックできる最初の製品は爆発的にヒット。以降、ネット内蔵生地のバッグやスキミング防止アイテムなども開発。世界中の旅人やバックパッカーに支持されている。”
バイブ28
ワイヤー入り生地やジッパーロックなどの盗難防止機能を搭載した小型旅行用パック。\15,500
>> 公式サイトへ
国:南アフリカ 創業年:2006年
コーヒー好きが生み出したトレイルカップ
かき混ぜ機能付カップ!?
“そのきっかけは、創業者クレイトン・シュレバックの経験から生み出されたものだった。大のコーヒー好きのシュレバックは、トレイルの途上でいつもほろ苦い思いをしていた。起き抜けのコーヒーに砂糖を入れようとするとき、なぜだかスプーンが紛失してしまうことが多く、砂糖を入れても混ぜずに喉に流し込む日々を送っていたのだ。上のほうは苦くて、底のほうはとびきりに甘いコーヒーを。そんなささやかなれど苦い思い出を持っていた彼は、ロンドンである光景に遭遇する。
混雑したコーヒーショップを出た客が、砂糖スティック、マドラーを両手に持ち、地面にカップを置いて砂糖をかき回すといったものだった。ここで彼がひらめく。「かき混ぜ作業というものは、多少なりとも煩雑な作業である」ということに…。そんなエピソードから誕生したのがこのトレイルカップだ。デザインにもこだわった革新的でユニークなこの商品は、シュレバックが運営する南アフリカのケープタウンにあるSedge Warbler社で日々生み出されている。”
トレイルカップ
ネオプレーンカバー製で保温性も高い。食洗機、電子レンジの使用も可能。耐熱温度は120℃まで。\2000
国:イスラエル 創業年:1991年
中東のバックパックブランドが開発・製造する使いやすいトラベルギア
自らの体験をフィードバックして開発
“創設者で現CEOのコラム・ギルと当時婚約者だったダニエラは、1980年代に長期バックパッキングの旅に出た。極東や南北アメリカなどを訪れ、2年後にイスラエルに帰国したが、トラベルギアは満足のいかないものばかりだった。ふたりは預金をはたいてミシンを購入し、やがて製品開発を始める。
1980年代後半、ギル氏はサンダルの開発に着手。多くのイスラエル人がサンダルで旅をするものの、柔軟で耐久性の高いサンダルがなかったためだ。試行錯誤の結果、裸足のように軽く、さまざまな条件下で使用できる理想のサンダルを5年に完成させた。これは現行モデル「クラシック」の原型となっている。
現在では、200人以上のスタッフが、タクティカルギア、ハイドレーション、サンダルなどを開発・製造。地域経済発-展のため、純利益の5%を社会事業や環境保護事業に寄付している。”
クラシック メンズ
世界中でロングセラーを続けるサンダル。裸足のような感覚で、野山を駆け回ることができる。6色展開。レディースあり。\8,000
メンズファッションブランドナビ編集部
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